みなさんは10月2日、日本時間で10時ごろから開始されたMicrosoftのSurface発表会は見ましたでしょうか。私はYoutubeのLIVEを利用して見ていました。
さてこの度、Microsoftから新しい「Surface Laptop 3」が発売されることに決まり、もうすでに予約が開始されたとのことですが、このSurface Laptopには大きく分けて二つのモデルが存在します。それが13.5インチモデルと15インチモデルです。この二つの差は画面の大きさだけではありません。実は内部のパーツが結構異なっています。この記事ではそれらをふまえて、どちらの方を買うべきなのかを説明していきます。
この記事を2行で説明すると
- 新しいSurface Laptop 3には13.5インチモデルと15インチモデルの二つがある。
- 13.5インチモデルの方が全体的な性能が高く、最新のWi-Fi 6規格にも対応していて、その上値段が安いため非常におすすめである
13.5インチモデルと15インチモデルの仕様を比較
冒頭でも説明しましたが、この13.5インチモデルと15インチモデルの違いは画面の大きさだけではありません。
少し難しい話になりますが、詳しい仕様を比較していきましょう。
なお、ここで紹介するのは最高構成時の仕様になります。
比較項目 | 13.5インチモデル | 15インチモデル |
---|---|---|
本体サイズ | 308 mm x 223 mm x 14.51 mm (12.1 x 8.8 x 57インチ) | 308 mm x 223 mm x 14.51 mm (12.1 x 8.8 x 57インチ) |
画面サイズ | 13.5インチ 3:2 | 15インチ 3:2 |
解像度 | 2256 x 1504 (201 PPI) | 2496 x 1664 (201 PPI) |
CPU | Intel Corei7-1065G7 | AMD Ryzen7-3780U |
CPUコア数/スレッド数 | 4/8 | 4/8 |
CPUのプロセス | 10nm | 12nm |
内臓グラフィックス | Intel Iris Pro G7 | Radeon Vega 11 |
Wi-Fi | Wi-Fi 6: 802.11ax | Wi-Fi 5: 802.11ac |
重量 | 1,288g | 1,542g |
値段 | 258,280円(16GB,512GB) | 280,280円(16GB,512GB) |
全ての仕様ではありませんが、注目すべき仕様は以上の通りになります。
本体サイズは変わらず、画面サイズでは13.5インチと15インチの差があります。
そして解像度は違うのですが、ドットの密度が変わらないように設計されているため、実質見え方としては同じといっていいでしょう。15インチモデルの方が少しだけ作業がしやすくなるのでしょう。
そしてコンピュータの性能を司る「CPU」という頭脳パーツは二者で異なっています。
この項目が最も注目すべき点なのですが、CPUにおいてライバル同士である「Intel」と「AMD」の二つにわかれているんですよね。
IntelからはCorei7-1065G7が、AMDからはRyzen7-3780Uがそれぞれ選ばれています。
そしてここからは難しい話になりますが、CPU内の電子回路の幅は、13.5インチモデルは10nm、15インチモデルは12nmとなっています。
この幅が狭いほどより低発熱・低電力・高パフォーマンスを発揮することができますので、テクノロジーとしては13.5インチモデルの方が上ということになります。
この後詳しく説明するのですが、15インチモデルの方で使われているCPUは去年のテクノロジーを利用したものになっていて、最新とはいえないです。
そしてゲーム性能において重要になってくる内臓グラフィックスの種類ですが、13.5インチモデルはIntel Iris Plus Graphics G7で、15インチモデルはAMD Radeon Vega 11です。難しい話ですが、この二者については後ほど解説していきます。
そして次にWi-Fiです。13.5インチでは最新の「Wi-Fi 6」に対応していますが、15インチの方では前世代の「Wi-Fi 5」までしか対応していません。
これについては、先ほども説明した通り、CPUのテクノロジーが古いものだからです。
ちなみにWi-Fi 6については以下の記事をご覧ください。
Wi-Fi 6の登場でできるようになること【802.11ax】
そして同じ構成での価格ですが、13.5インチモデルの方が2万円ほど安くなっています。ただし両者でパフォーマンスは異なってくるので、この価格差について言及するのはまだ早いです。
それではあらゆる点から二者を評価していきます。
CPU性能を評価
パソコンには必ず「CPU」という頭脳のようなパーツが搭載されています。このパーツによって全体の性能が左右されるわけですが、このSurface Laptop 3の二つのモデルでは性能にどのような差があるのでしょうか。
まずはCPUの仕様を簡易的に比較していきます。
なお、先ほどと同様、最高構成時のものになります。
CPUの仕様比較
比較項目 | 13.5インチ | 15インチ |
---|---|---|
CPU | Intel Core i7-1065G7 | AMD Ryzen7-3780U |
プロセス | 10nm | 12nm |
コア数/スレッド数 | 4/8 | 4/8 |
ベースクロック | 1.3GHz | 2.3GHz |
ターボクロック | 3.9GHz | 4.0GHz |
L3キャッシュサイズ | 8MB | 4MB |
TDP | 15W | 15W |
内臓グラフィックス | Iris Plus G7 | Radeon Vega 11 |
以上のような感じになります。
13.5インチの方はプロセスが10nmとなっており、15インチ比べると細いためより効率的なパフォーマンスを発揮します。
そしてコア数/スレッド数は変わりませんが、クロック数(周波数)が異なっています。
ベースクロックが高い方が全体的な性能が高い傾向にあるので、クロック数だけで言えば15インチモデルの方が優秀と言えるでしょう。しかしCPUの性能はクロック数だけでは決まりません。
そしてキャッシュのサイズになりますが、13.5インチの方が2倍多くなっています。ただし、キャッシュサイズの差でそこまでの性能差は生まれません。
そしてCPUに内臓されているグラフィックス処理プロセッサはそれぞれ表の通りになっています。こちらに関しては後ほど説明していきます。
それでは二つのCPUの性能を比較していきます。
比較用として、前世代のSurface Laptop 2の最上位モデルの性能も追加しました。
すべてのCPUスコアははGeekbenchを参考にして算出していますが、15インチモデルについてはまだ確かな情報が出回っていません。
ですが同じ第三世代Ryzen mobile CPUの中でも最も性能の高い「Ryzen7-3750H」の性能を超えるはずがないことを考慮してスコアを設定しています。
Geekbenchはサンプルが多いので信頼できますが、CPUはいろんな観点から評価できるということを一応理解してください。この評価ではこのような結果になったというだけの話です。
このグラフを見るといかに13.5インチモデルの方が性能が高いかがわかるでしょう。その主な要因としてはやはりテクノロジーの新しさにあると思います。
13.5インチモデルの方は今年登場したばかりのCPUで、アーキテクチャも今年のものになりますが、15インチモデルの方は去年のアーキテクチャ「Zen+」をベースに作られたCPUになります。
ここ最近、特に7月に第三世代Ryzen CPUが発売されてからというもの、AMDのCPUシェア率はIntelを上回るようになっていますが、これは「Zen2」というアーキテクチャが素晴らしいためです。
同じ3000番台でも、Ryzen7-3780Uは去年の「Zen+」アーキテクチャを採用したものになりますので、プロセスも7nmではなく12nmとなっています。
来年発売されるであろうRyzen mobile CPUは優秀だと思われますが、今年のRyzen mobile CPUはそこまで優秀とは言えません。
なのでCPU性能からしたら圧倒的に13.5インチモデルを選ぶべきです。
というか、それでもって13.5インチモデルの方が安いんですよね。
グラフィック性能を評価
続いてはグラフィック処理性能を評価していきます。
グラフィック処理性能は身近なところでいくと、ゲーミング性能に影響してくるでしょう。Youtubeなどの動画の再生だったらそこまでのグラフィック性能は必要とされませんが、最新ゲームをパソコンでプレイしようものなら、それなりのグラフィック性能が必要となってきます。
ゲーム性能はCPU性能よりもグラフィック性能の方が重要になってくるので、この新しいSurface Laptop 3で最新ゲームをプレイしようとしている人は、以下の比較を参考にしてください。なお、先に言っておきますがSurface Laptopで最新のゲームを快適にプレイするのは難しい話です。
あまり期待しない方が良さそうです。
ゲームプレイにこだわりたい人はゲーミングパソコンを購入しましょう。
内臓グラフィックについては、両者で構造に大きな差が出てくるので仕様比較はせずに、最初から性能比較をしていきます。
なお、この性能比較表は主にゲームプレイを想定した時の評価であり、Car Chaseというサービスを利用して算出したものです。
こちらでも前世代の性能も表示させています。
前世代と比べるとだいぶ性能が高くなっているのがわかりますが、わずかに15インチモデルの方が優っています。
なので、単純に考えると15インチモデルの方がゲーミング性能が高く、ゲームプレイをサクサクすることができるということになります。
ただし先ほど説明したように、いくら15インチの方がゲーミング性能が良いからと言って、最新の重いゲームをサクサクプレイできるほどの性能はありません。
重いゲームをプレイしたいならゲーミングパソコンを使いましょう。
という感じで、グラフィック性能については15インチモデルの方が高いことがわかりました。
ただし、ゲームをプレイしない人にとってはあまり気にする必要のない結果です。
Wi-Fi性能を評価
比較表にのせてあったように、13.5インチではWi-Fi6に、15インチではWi-Fi5にそれぞれ対応しています。
この「5」とか「6」はWi-Fiの世代数を表すもので、Wi-Fi6の方が最新のテクノロジーになります。
ちなみにWi-Fi 6については以下の記事をご覧ください。
Wi-Fi 6の登場でできるようになること【802.11ax】
Wi-Fi5とWi-Fi6では平均して2倍くらいのデータ転送速度差があります。
Wi-Fi 6自体まだあまり普及していない規格ですのでまだその性能を体感するのは難しいと思いますが、いずれ普及していくことを考えるとWi-Fi6に対応している13.5インチモデルの方が優秀だと言えるでしょう。
最新テクノロジーだから高いんじゃないかと思いを巡らせてしまいますが、それなのに13.5インチモデルの方が安いのです。
結論
結論を言いますと
「圧倒的に13.5インチモデルの方が”買い”」
です。この流れでいくと来年のSurface LaptopにもAMDのプロセッサが採用されると思いますが、来年のAMDのRyzen mobile CPUは結構優秀だと考えられるので、その時は「買い」になるかもしれません。
しかし今の時点では圧倒的にIntelのCPUを搭載した「13.5インチモデル」の方が「買い」だと考えます。
ちなみに予約注文はもう始まっていて、一部の製品で売り切れになってきているみたいなので早めに注文するようにしましょう。
https://www.microsoft.com/ja-jp/p/surface-laptop-3/8VFGGH1R94TM/3Q2K?activetab=overview
↑購入はこちらから
=余談=
なんかこういう新しい製品の発表会って、有名なメディアの記者が招待されたりするんですよね。自分も結構興味があるので、いつか招待されたいなとかしみじみと思っています。
特にAppleの発表会とか憧れますね。まぁ英語力結構ないと難しいかもだけど。