2019年7月に7nmCPU「第3世代Ryzen」を発売したAMD社は、プロセスの微細さにおいてIntelに勝っています。そしてIntelはというと、いまだに14nmプロセスのCPUを生産していて、10nmのものもギリギリ今年中に発売できるかといった感じです。 さて、Intelの7nmプロセスCPUは一体いつになったら発売されるのでしょうか。この記事ではあらゆる情報をもとに、Intelの開発ロードマップを説明していきます。
ちなみに以前にも「Intel vs AMD」という記事を投稿しました。ぜひこちらもご覧ください。
結局AMDとIntelどちらのCPUがいいのか?【2020年最新】
この記事を2行で説明すると
- Intelは2022年、AMDは2019年に7nmプロセスCPUを実装
- 2022年以降、IntelがAMDに追いつく可能性は十分にある
Intel , AMDそれぞれのプロセス開発ロードマップ
まず最初に、Intel , AMD両方のCPUプロセスのロードマップを紹介します。もちろん噂程度の話です。
年 | Intel | CPU | AMD | CPU |
---|---|---|---|---|
2014 | 14nm | Broadwell | 28nm | Kaveri(A) |
2015 | 14nm | Sky Lake | 28nm | Godavari(A) |
2016 | 14nm + | Kaby Lake | 28nm | Bristol Ridge(A) |
2017 | 14nm ++ | Coffee Lake | 14nm | Summit Ridge(Ryzen Zen) |
2018 | 14nm ++ | Coffee Lake Refresh | 12nm | Pinnacle Ridge(Ryzen Zen+) |
2019 | 14nm +++ / 10nm | Comet Lake Ice Lake(Sonny Cove) | 7nm | Matisse(Ryzen Zen2) |
2020 | 10nm + | Tiger Lake(Willow Cove) | 7nm + | Vermeer(Ryzen Zen3) |
2021 | 14nm ++++ / 10nm ++ | Rocket Lake ???(Golden Cove) | 5nm | ?(Ryzen Zen4) |
2022 | 10nm ++ 7nm | Alder Lake ???(Ocean Cove) | 5nm +? | Raphael?(Ryzen Zen5) |
2023 | 10nm +++ 7nm + | Meteor Lake | 3nm? | ?(Ryzen Zen6?) |
2024 | 5nm? | ??? | ??? | ??? |
※2022年頃からあまり信頼性のない情報となっています。
一応以上のようになっているみたいです。CPUのところがややこしくなっていますが、AMDに関してはRyzenが登場してから(2017年) 急速に進化しているのがわかると思います。
そしてIntelといったら5年間くらい14nmプロセスを使用していて、デスクトップ向けCPUに関しては2021年になっても14nmプロセスが使用される予定です(Rocket lake-S CPU)
そしてモバイル向けの方ではIcelake→Tigerlakeと10nmプロセスを使用し、2022年にはOcean Coveアーキテクチャの一部のCPUにて7nmプロセスが実現されると言われています。
ちなみにIntelの14nmプロセスはもはや14nmプロセスの域を超え、実質10nmプロセス程度のパフォーマンスがあり、とても優秀です。もちろんAMDの7nmプロセスに比べたら消費電力は高いわ、発熱は大きいわで優秀とは言えません。
IntelはAMDに追いつくのか? また、いつ追いつくのか?
先ほどの話につながりますが、
もしもIntelの7nmプロセスが14nmプロセスと同様に、数値以上のパフォーマンスを発揮することができるならどうでしょうか。
2021年にIntelが7nm , AMDが5nmに落ち着いたら、もしかするとIntelのほうがパフォーマンスが高くなるかもしれません。
ただし、Intelが数値以上のパフォーマンスを発揮するのは、主にタック時期(全世代と同じプロセスを使うが、全世代に比べてより効果的に構成することができ、同じプロセスでも品質を高くすることができる時期) を通した後の話なので、最初の7nmプロセスからうまくいくとは限らないという話もあります。
AMDに関してはTSMC社に半導体製造を委託しているのもあってか、7nmプロセスは最初から大成功となりました。ですがTSMC社では今半導体製作が遅延しているという課題があるため、以後のプロセス開発もそこまでスムーズに進むのかはわかりません。
とりあえず言えることとしては、
Intelもまだ十分に逆転するかもしれない
ということです。逆転とか言ってますが、ほんの1年くらい前までは圧倒的にIntelの方が人気で、AMDに追い越されたのはここ数か月のことですね。
半導体の世界ってそういうものだと思うので、おそらくいつの間にかまたIntelが逆転なんてことも起こりうるのでしょう。
また、プロセスの微小化についても、1nmまでいくと非効率みたいです。開発するコストに対するパフォーマンスが低く、摩擦問題等も発生してくるみたいなので今、半導体の材質はシリコンからカーボンナノチューブ(炭素)に置き換わっていくかもしれないと言われています。
そして2025年にはもうカーボンナノチューブの半導体が市場を出回る可能性すらあるそうです。
プロセスの微細化はもう時代遅れ? 炭素による新プロセッサの実態について