最近話題の「虹彩認証」の仕組みやメリットを徹底解説【図解】

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昔はパスコードによる認証が主流でしたが、ここ数年でスマートフォンなどのデバイスを中心に生体認証が急激に広まっています。指紋認証はもはや当たり前になり、顔認証等もそこそこ精度が高くなりました。そして最近注目されつつあるのが「虹彩認証」です。 この記事では虹彩認証とは一体何なのか? そのメリットやデメリットまで徹底解説していきます。

 

 

この記事を2文で説明すると

  • 虹彩認証では黒目の中にある虹彩という部分の模様をスキャンすることで個人を識別する
  • 他の生体認証に比べて誤認証が少ない上、気楽に認証をすることができるがシステムの導入にはまだ高いコストがかかる模様

虹彩認証とは?

虹彩認証というのは人間の体の一部を使ってスマートフォンのロック解除等を行う「生体認証」の一つです。 文字通り、人間の体に存在している「虹彩」という場所を認証の材料として確認します。

 

虹彩とは?

皆さん是非自分の目を鏡で確認してみてください。おそらく確認せずともわかると思いますが、人の目にはいわゆる「白目」「黒目」という部分があります。そして黒目部分を拡大すると更に二つのパーツに分けることができます。

 

目 拡大

本当は筆者の目を撮影したものを載せようかと思ったのですがあまりうまく撮れなかったのと、なんだかグロかったのでやめておきました笑

上の図のように黒目の中には瞳孔と呼ばれる小さな円状のパーツが存在し、それを虹彩が囲んでいます。瞳孔から外界の光が入っていくわけですが、この瞳孔の大きさを変えることで光の量を調節することができます。

そしてこの瞳孔の大きさを調節するのが虹彩の役割です。虹彩は伸び縮みすることができます。

 

認証における虹彩

しかし虹彩認証において重要なのは瞳孔の大きさを調節することができる性質ではありません。虹彩には他にも重要な特徴があります。それは複雑な模様を描いているしわです。この虹彩上にある模様は人によって違いますし、左右の目でも違いがあります。また、お腹の中で体が作られ始めているときから、生後2年くらいまででじっくりと模様が出来上がりますので一卵性双生児でも違いが現れます。 そのため左右の目の模様を組み合わせて考えるとほぼ確実に同じ模様を持つ人はこの世に居ないと言えます。 別に同じ模様が出ないようにプログラムされているわけではないですが、とにかく多様すぎて逆に同じ模様が現れるのが奇跡みたいになっているのです。

 

 

虹彩認証の仕組み

虹彩について説明したところで、続いては虹彩認証の大まかな仕組みについて解説していきます。

 

虹彩をスキャン

 

虹彩をスキャン

 

まず最初に、通常のカメラや赤外線カメラ等で虹彩をスキャンします。この時スキャンするのは主に片目です。両目を見ているスキャンするものもあるみたいですが多くは片目だけで通ります。

そして虹彩に広がっているしわをスキャンし、それらを数学的なデータに変換します。虹彩の色を見ているわけでもないので赤外線カメラによって暗所でもうまくスキャンすることができます。

 

照合・解除

スキャンできればあとは簡単です。予め登録しておいた虹彩の数学的データと照らし合わせて一致率を見ます。 そしてある程度一致していたら解除されます。おそらくスキャンした虹彩の数学的データは同じ人でも毎回多少の変動が発生するので、多少のずれは許容する必要があります。

ただし全く違う人であれば生成される数学的データも全く違うものになりますので認証に通るということはありません。イギリスの国立物理学研究所の調査では、誤認証してしまう確率は100万分の1に満たないとのことで、よほど悪意をもって偽装されない限り誤認証されるということはありません。

ただ、中には虹彩を偽るためのコンタクトレンズを装着することで認証を解除できてしまうという事例もあったみたいです。

 

基本的な仕組みは顔認証に似ていて、ただそれを虹彩に適応した感じです。ちなみに通常の顔認証では虹彩までは見ておらず、主に顔のパーツや色を見ています。

関連記事:Apple Face IDの仕組みを徹底解説【図解】

 

 

虹彩認証のメリット・デメリット

虹彩認証の仕組みについて大まかに説明したところで、続いて虹彩認証のメリット・デメリットについて説明します。

 

メリット

 

誤認証の少なさ

先ほど説明した通り、虹彩の模様は人によって違います。左右の模様の組み合わせを考えると基本的にこの世で同じ模様の人はいません。そのため顔認証に比べると誤認証の割合が圧倒的に少ないです。虹彩全体を200ピクセル程度でスキャンすることができるカメラなら指紋認証程度の識別能力を手に入れることができます。 最近のスマートフォンであればそれ以上に高性能なカメラが搭載されていることが多いので更に識別能力は高くなることでしょう。

また、2歳ごろには完全に模様が出来上がり、そこから一生変化しないと言われていますので子供でも利用することが可能です。一般的に顔認証は成長期の子供には向きませんが、虹彩認証であれば問題ないということですね。

 

偽装にしにくさ

もちろん認証のメカニズムによっても異なりますが、顔認証等はそっくりなモデルを作成することで他人のロックを解除できてしまうケースがあります。しかし虹彩については模様が極めて細かい上に、虹彩が組織の奥の方にあるので偽装によるロック解除は非常に難しくなっています

コンタクトレンズによって偽装できてしまったというケースはあったみたいですが、明るい光をあてることで虹彩が動くという性質等を利用すればそういった偽装も利かないようにすることができます。

また、指紋認証については中には指を酷使する作業で指紋がつぶれてしまってうまく認証できない人もいますが、虹彩はいかなる作業でも変形することがありませんので安定しています。 ただし多瞳孔症などの病気がある人についてはうまく認識されないことも考えられます。

 

非接触

虹彩認証の便利さを考えると、スマートフォンだけでなく空港等にも導入されていくことが予想されます。実際に導入例もあるそうです。 そういったときに気になってくるのは機器に接触するのか問題です。指紋認証はセンサ等に指を押し付ける必要があります。しかし虹彩認証はカメラで撮影するだけなので離れていても問題ありません。 この辺は顔認証と同じでしょう。

しかし顔全体をキャプチャーするということで人からでも個人を特定できるため顔認証をも嫌う人はいます。 ですが虹彩認証では虹彩のみを利用しますので人が見ても基本的には個人を特定することができません。また、マスクを着用していても問題ありませんし、化粧をしていても大丈夫です。

そのため、非接触であることも加えると比較的気楽な認証と言えるでしょう

 

 

デメリット

続いてはデメリットです。

 

導入の難しさ

虹彩認証はまだあまり世の中に浸透していないということもあり、導入が難しいです。通常のカメラでも認証できる場合もありますが暗所での認証や更に高精度な認証を実現するためにも、専用のカメラモジュールが必要になってきます。

虹彩認証が安全だというのはしっかりとしたセンサーを使った場合の話ですので、導入コストの削減ということで安い設備を利用していたらせっかくの虹彩認証が台無しになってしまう可能性があります。

 

色々調べてみましたが、目立ったデメリットとしてはこれくらいです。高いコストをかけてそれなりの環境を作ればかなり精度が高く、信頼性のある生体認証ですので注目されているだけあって優秀であると言えます。

 

 

導入事例と期待

 

導入事例としては、スマートフォンではSamsungのGalaxy S8,9シリーズなどでサポートされました。ただ、正直そこまで評判が良いわけでもなく、誤認証してしまうこともあったそうです。 そしてGalaxy S10シリーズでは廃止されていました。

他にも一部の空港では本人確認等で虹彩認証を採用していたり、インドでは国民が指紋や虹彩認証による固有の生体認証IDを保有しているという活用事例があります。

しかし日本ではあまり採用されていませんし、顔認証や指紋認証に比べるとまだ圧倒的に普及していない部類に入ります。

 

これからより低コストで高品質な虹彩認証が実現できるようになったら普及していくと考えられますが、私としてはスマートフォンに加えてスマートグラス等で採用されるのではないかと考えています。 というのも眼鏡にセンサーを取り付ければ虹彩をキャプチャーすることも容易にできるでしょう。左右のレンズ部に取り付ければ左右両方ともキャプチャーすることができますのでより精度が上がります。顔認証や指紋認証の導入が難しいスマートグラスでは活躍してくれそうです。

Appleから2022年までにスマートグラス「Apple Glass」が登場すると言われていますが、もし今後このApple Glassに虹彩認証が搭載されるような話になったとしたら「Iris ID」という名前になるかもしれないですね。

割としっくりきます。







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期限:2020/08/15

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