インターネットという考え方が登場してから世界はどれほど便利になったでしょうか。パソコンがインターネットに繋がり、小型の端末がインターネットにつながり… あらゆるモノがインターネットに繋がってきましたが、人々はまだ物足りないようです。
そこで「IoT」という考え方が広まりました。では一体IoTとは何者なのでしょうか? ここではサルでもわかるように丁寧に解説していきます。
あ、決してサルをバカにしているわけではないですよ、サルは大好きです。
この記事を2文で説明すると
- IoT(Internet Of Things:モノのインターネット)とは、繋がると誰も予想していなかったようなモノをインターネットに繋げ、人ができないことを可能にしたり、人ができることをより楽にしたりするシステムである。
- 既に導入事例はたくさんあるが、これからも更なる活用方法に期待が募る
IoTとは?
それではまず最初に、IoTの詳しい部分を説明する前にざっと「IoTとは何なのか」について説明していきます。
読み方
不自然に小文字と大文字が使われている「IoT」なので、その読み方に困惑してしまう人も多いと思います。 特に定義されているわけではないですが、IoTというのは略称ですので通常「IoT(アイ・オー・ティー)」とそのまま呼びます。
ちなみに私はIoTの「I」を「L」だと思ってて「ロット」って呼んでた時期もありました。が、それは大間違えです。
何の略?
先ほど、IoTは略称であると言いましたが、では何の略なのでしょうか。それは「Internet Of Things」です。これを日本語に直訳すると「モノのインターネット」です。

日本では原型をとどめるように「モノのインターネット」と呼ばれていますが、正直日本語としての意味はよくわからないですよね。
この言葉は「たくさんのモノがインターネットに繋がる」という意味です。
モノとは?
先ほどからモノの事を一度も「もの」とか「物」と書きませんでした。これは日本語特有の表現で、この「モノ」というものが普通の「物」とはまた違い、意味深であることを表しています。
そもそもインターネットに繋がる物なんていくらでも思いつくと思います。パソコンがインターネットに繋がったのはもう20年以上も前の話ですし、スマートフォンだってインターネットに繋がるのは当たり前となっています。
ではコーヒーカップがインターネットに繋がるのは当たり前でしょうか? ここでいうモノというのは、そういう物です。つまり、今までインターネットに繋がると予想もされていなかったものということです。

つまりIoTというのは、今までインターネットに繋がると予想もされていなかった物をインターネットに接続するという考え方です。
まだしっくりこない人やサルもいると思うので、更に深めていきます。
いつからあったの?
まるでIoTは最近の考え方であるかのように説明し「IoT」という言葉が初めて使われたのは1999年の話で、マサチューセッツ工科大学のAutoIDセンサー共同創始者であるケビン・アシュトン氏という人が使い始めたと言われています。
IoTの目的
先ほどコーヒーカップがインターネットに繋がるとは誰も予想してなかった、つまりこれはIoTだと言いました。
ですがコーヒーカップがインターネットに繋がったところで何が起こるのでしょうか? 誰が得するのでしょうか? このように「明確な目的」がないとIoTというものは成立しません。ではIoTにはどのような使命があるのでしょうか。
可能にする
IoTの使命その一は「可能にする」ことです。例えば誰かが川に溺れてしまったとしましょう。流れが緩やかならば水泳が得意な人がすぐに助けることができるかもしれませんが、流れが激しい上に濁っていたら人では到底探すことができないでしょう。
そんな時赤外線等で人を検知することができる小さな潜水艦のようなものがあったら溺れてしまった人を見つけることができるかもしれません。しかしその潜水艦では見つけることしかできず、小型なので直接助けることができません。そこでインターネットに繋がることができれば、見つけた場所を瞬時にインターネットを通して救助隊に教えることができます。
そして場所がわかれば後は人の仕事です。

このように、人ではできない部分をサポートするのもIoTの使命です。
他にも、外出中で家に誰も居ないから不審者が入ってもわからないという時に、インターネットに繋がって家の情報を送ってくれるモノも、人ではできない部分をサポートしているという見方もできます。
楽にする
その二は「楽にする」ことです。 例えば、外出時には基本家のすべての照明を切らなければいけないと思います。そんな時に家が大きく、あちこちで電気がついていたら大変でしょう。また、家を出るたびに忘れずにスイッチを押さなければならないのもなかなか煩わしいです。
そこで家を出たら自動で照明が切れ、自分が家に入ろうとしたら自動で照明がついてくれるシステムがあれば便利ですよね? これは家の照明コントローラーがインターネットに繋がりあなたのスマホの位置情報を取得し、家から離れていくのを検知することで実現することができます。

この場合、やろうと思えば人でもできることをIoTシステムが代わりにやることによって生活が楽になっています。このように、楽にすることもIoTの使命なのです。
ただし私の個人的な意見としては、ごみの分別等までIoTシステムに任せるのはちょっと違うと思っていて、どちらかというと人ができないことを任せるのがベターなのではないかと思っています。
他にもIoTの目的・使命はたくさんあると思いますが、かなり大きく分けるとこの二つになるのではないかと思います。
IoTの導入事例3選
ここでは実際にIoTの考え方が導入された例を厳選して3選紹介します。
錠剤ケース「imedipac」

imedipacは薬を管理してくれるパックです。本体はあまりコンパクトではないようですが、このポケットに処方された薬等を入れることで管理することができます。そして飲み忘れを警告してくれたり服用のタイミングを正確に知らせてくれます。
また、服用状況をインターネットを通じて病院や家族等に知らせることができるので病院側でも管理がしやすくなります。
この装置があれば薬の服用タイミングについて常に気にかける必要が無いので楽になりますし、服用状況をいちいち病院に報告する必要が無いので楽になります。
スマート消火器

このスマート消火器はIoT機器用の通信である「Sigfox」の活用アイディアを学生から募集するコンテストで最優秀賞に選ばれたアイディアです。なので実際に導入されているわけでもないですが、とても良いアイディアなので近い未来に実現できそうですね。
火事が発生したときにこの消火器を使うとその噴射圧でわずかに発電することができます。そしてその時に発生した電力で消防署へ自動で通報することができます。
このアイディアには、わざわざ人が通報しなくても済むという「楽にする」というIoTの役割が含まれているようにも見えますが、いち早く連絡をしなければならないですので人間では実現できないくらいの通報スピード、それから通報内容の正確さを実現することができます。そのため、「可能にする」という役割も含まれているでしょう。
製造ライン遠隔モニタリング
IoTが活躍するのは私たちが直接日常生活で関わる部分だけではありません。ものを生産する「製造業」においても活用されている事例があります。
旭鉄工は主に自動車の部品を製造していますが、製造ラインに光センサー等を取り付けることによって稼働状況を取得することができます。そしてその情報をインターネット上に共有し、管理者がスマートフォン等で確認することができるようになりました。
このシステムのおかげで、もちろん製造ラインにおける検査等を人の手でする必要がない分楽にすることができましたが、人では気づけないような細かい不具合等についても検知することができるので、不可能を可能にするという役割も担っています。
実際に旭鉄工はこのシステムを取り入れることによって生産性を30%向上させることができたそうです。
IoTのアイディア
何も考えずに物をインターネットにつなぐだけでは生活を豊かにすることができるはずがありませんので、IoTにおいてはアイディアを出すこと自体がかなり重要です。 だから学生等から様々なアイディアを募集している企業が多いのですね。
そして今高校三年生であるBableTech管理人の私も、本当は学校が無いのに間違えて行きそうになった時、電車の帰りでIoT機器について考えていました。 なんか考えないと時間が無駄になると思ったからですね…笑
そしてそこで3つほどアイディアを出しました。そのアイディアについては以下の記事で紹介しています。
実現できなさそうなものや、実はもう実現できてるんじゃないか説が浮上しているものもありますが、温かい目で見てあげてください…