パソコンやスマートフォンは様々な情報の通信を行うことができますが、そんな時に欠かせないのが通信ケーブルを差し込む「端子」です。端子の中でも特に広く使われているのがUSBで、様々な形のものがあります。
そんな中でも新しい「常識」になろうとしているのがUSB Type-Cです。この記事では、USB Type-C端子の魅力について紹介していきます。
USB Type-Cとは?
そもそもUSB Type-Cとは何なのでしょうか。こちらについては以前の記事で説明しました。
この記事ではざっとUSB Type-Cでできることを解説しましたが、具体的にどのような魅力があるのかについては説明しませんでした。そこで今回は、利用する上で便利だなと感じるポイントについていくつか紹介していきます。
USB Type-C端子について簡単に説明しますと、まず「Type-C」というのはUSB端子の形状の事を表しています。以下のような形になります。

これまでのUSB端子といったらUSB Type-Aのような角ばったデザインのものが主流となっていました。

ですが、丸っこいデザインとなっているこのUSB Type-C端子もれっきとしたUSB端子で、これからの時代の「新常識」になっていくと言われています。
USB Type-C端子の魅力
それでは早速、USB Type-C端子の魅力について解説していきます。
リバーシブル
USB Type-C端子をUSB Type-A端子等と比べた時に圧倒的に異なってくるのはリバーシブルかそうでないかです。先ほど掲載したUSB Type-Aの端子の様子を見てわかる通り、USB Type-Aは上下が決まっています。オスとメスでちょうどかみ合うようになっていて、上下逆だと全くはまりません。 そのため暗い中や端子が直接見えない中でさしこむ時には一苦労です。一回でさされば良いですが、うまくささらないと上下逆なのか、あるいは端子が硬すぎるだけなのかよくわからなくて思うように力を入れることができないという事件が発生してしまいます。
対してUSB Type-C端子についてはUSB Type-Aとは異なり、上下が決まっていません。このことは端子のイメージ図を見てもよくわかります。
USB Type-Cの中には様々なピンが取り付けられていますが、上下逆にさしこんでも適切なピンに接触するようにできています。そのため、暗い中で適当にさしても100発100中うまくさせます。些細なことだと思うかもしれませんが、実際に使ってみると思ったよりその恩恵を受けます。
高耐久性
USB Type-C端子には従来のUSB端子よりも多くの細かいピンが含まれていて、デリケートなイメージがあります。しかしUSB Type-CはUSB Micro-Bのように端子に固定するためのツメのようなものがないため、何度抜き差ししてもバカになることがありません。 ちなみに私が今使っているAndroidスマートフォンはUSB Micro-B端子となっていますが、昔ある充電ケーブルを何度も抜き差ししていたところ、端子のツメの部分が引っ込んでしまって、ケーブルをさしてもうまく固定されないという事件に遭遇したことがあります。
その点、USB Type-Cは端子の外側には何も突起物がないので多少乱暴に扱っても壊れそうにもありません。
コンパクト
USB Type-Cの大きさは、以前のAndroidスマホによく搭載されていたUSB Micro-B端子よりも若干大きいくらいで、USB Type-A端子に比べるとだいぶコンパクトです。また、USB Type-C端子はスマートフォンなどのデバイスに接続する専用のミニ端子というわけではなく、パソコン側(ホスト側)にも取り付けることができるのでホストとの接続もコンパクトに行うことができます。
スマートフォン側に取り付けるとなると少しだけ大きく感じてしまうのかもしれませんが、パソコン側に取り付けるとなると非常にコンパクトな印象ですね。
多機能
従来のUSB端子ではUSB通信や充電などが行えましたが、USB Type-C端子ではそれらに加えて、ホストデバイス側がサポートしていれば映像出力端子として使うことができたり、USB PDを利用して最大100Wまでの充電を行うことができたり、内部で直接Thunderbolt通信を行うことができたりします。 つまりUSB Type-C端子一つで様々な機能を同時に使うことができるということですね。
従来のUSB Type-A端子などでは、大体10W程度の充電しかサポートされていないことが多いので、100Wまで充電できるようになったのはかなり大きな進化です。これにより、USB Type-C端子を電源端子として利用するノートパソコンなども増えてきました。AppleのMacBookシリーズもその一例です。
また、USB通信では行えないような映像出力であったり、Thunderbolt 3通信を行うこともできるので、Appleの最新のMacBookシリーズでは基本的にUSB Type-C端子しか搭載されていません。それくらい万能ということですね。
USB Type-Cをより活用するための「USBハブ」については以下の記事をご覧ください。
USB Type-C用ハブの正しい選び方講座【2020年最新】
汎用性
まだUSB Type-Cはそこまで多くの人には使われていない印象ですが、USB Type-Cを採用している機器は着々と増えてきています。Androidスマートフォン等に加えて様々なノートパソコンや周辺機器、電子工作等にまで幅広く使われています。画面出力や超高速充電などの機能についてはホストデバイスの機能に依存しますが、基本的な充電や通信に関してはUSB Type-C端子であれば行うことができるので、非常に汎用性の高い端子になることが期待されます。
そのため、いちいち専用のケーブル等を購入することなく、USB Type-C端子のケーブルだけ持っていればあまり困ることはないという時代が到来するかもしれませんね。
以上、USB Type-C端子の魅力でした。