2019年10月2日にMicrosoftから新しいSurfaceについて発表されます。そして噂では、Surface Pro 7にはIntelのCPUが、Surface Laptop 3にはAMDのCPUがそれぞれ採用される予定です。なぜそのようなチョイスになったのか、この記事では説明していきます。
目次
それぞれのSurfaceで採用されると思われるCPU
まず最初に、それぞれのSurfaceモデルで採用されると思われるCPUについて説明していきたいと思います。
1、Surface Pro

Surfaceといったらやはり「Pro」が一番人気なのではないでしょうか。
Proは2in1 PCとなっていて、キーボードをつければノートパソコンに、外せばタブレットにして使うことができます。
そんなSurface Proには、省電力版のCPU(パソコンの頭脳)が使われます。通常、2in1 PCには超省電力版と呼ばれる「Yシリーズ」のCPUが搭載されることが多いのですが、Surface Proには通常のノートパソコン向けCPUが使われるようです。なので普通のタブレットと比べて性能がかなり高いです。
これまでIntelのCPUを採用してきましたが、その中でも「Yシリーズ」が使われます。旧型(Pro 6)と新型(Pro 7)のCPUがどう変わるのか見ていきましょう。
※あくまで噂されているものになります。
比較項目 | Surface Pro 6 | Surface Pro 7 |
---|---|---|
CPUのプロセス | 14nm | 10nm |
CPUのアーキテクチャ | Kaby Lake-R | Icelake-U |
CPUの種類 | Corei5/Corei7 | Corei3/Corei5/Corei7 |
最大TDP | 15W | 15W |
最上位CPU | Corei7-8650U | Corei7-1065G7 |
最大コア数/スレッド数 | 4コア/8スレッド | 4コア/8スレッド |
以上のとおりです。
Surface Pro 6には2017年に登場したKaby Lake-Rプロセッサが使用されていましたが、新しいSurface Pro 7にはまだ発売すらされていない、第10世代モバイル向けCPUが採用されるとのことです。
IcelakeというCPUアーキテクチャの名前で、Intelの初めて量産する10nmプロセスのCPUになります。
プロセスが14nmから10nmに縮小することで、より低電力で高パフォーマンスを発揮することができるでしょう。また、最上位モデルに搭載されると思われるCorei7 1065G7というCPUはグラフィック性能がそこそこ高いので、もしかしたら重たいゲームを快適にプレイできるようになるかもしれません。
2、Surface Laptop
続いてはSurface Laptopです。

文字通りSurfaceのノートパソコンモデルとなります。
Proと違ってキーボードを取り外せるわけでもなく、通常のノートパソコンと同じように使います。
そして、CPUについても通常のノートパソコン向けのものが使われます。
全体的にメタリックな質感なのが特徴ですね。
それではCPUについてみていきましょう。
比較項目 | Surface Laptop 2 | Surface Laptop 3 |
---|---|---|
CPUのプロセス | 14nm | 12nm |
CPUのアーキテクチャ | Kaby Lake-R | Picasso(Zen+) |
CPUの種類 | Corei5/Corei7 | Ryzen5/Ryzen7 |
最大TDP | 15W | 15W |
最上位CPU | Corei7-8650U | Ryzen7-3700U |
最大コア数/スレッド数 | 4コア/8スレッド | 4コア/8スレッド |
あくまで予想になりますが、こうなるかもしれないとのこと。
現行モデル Surface Laptop 2については先ほど紹介したSurface Pro 6とCPUの構成が全く変わらないようですが、Surface Laptop 3になってSurface Proとの差が生じるようです。
ただ、これはあくまでも予想なのでなんだかんだでIntel製のIcelakeCPUが採用される可能性は多少あります。
そして、Picassoアーキテクチャは内蔵グラフィックス(Vegaアーキテクチャ)を搭載したAPUと呼ばれるもののモバイル向けのもので、2019年の最初に登場したものになります。
かなり新しいCPUになりますが、CPUのアーキテクチャ自体は去年のもので、今年の7月にAMDから発売された第3世代 Ryzenシリーズ(Zen2)とは何も関係ありません。なので、製造プロセスは7nmではなく12nmとなっています。
Ryzenが覚醒したのは主にZen2アーキテクチャからなので、正直Ryzen7 3700Uの性能はあまりよくありません。なぜか巷ではRyzenが使われると予想されているみたいですが、モバイル向けCPUだったら現状、IntelのIcelakeがトップクラスの性能を誇ります。
このようなCPU構成である理由
ここでは、上の項目で説明した通りのCPUが採用されるとして話を進めます。
このようなCPU構成になるとしたら、なんでMicrosoftはそう選ぶのでしょうか。
Surface Proについては引き続きIntel CPUが使われるようですが、Surface LaptopについてはAMDのCPUになるかもしれないのが不可解です。
でもこのままいけば来年にはZen2(7nmプロセス)アーキテクチャを搭載したRyzenのモバイル向けCPUが発売されることでしょう。
(例:Ryzen5-4500U)
そしたらモバイル向けCPUでもAMDがかなりの勢力を有すことになりそうです。来年、Zen2のモバイル向けCPUを採用することが決まっているとしたら、今年からRyzenに移行しようという考えかもしれませんね。
基本的にはメーカーは、低コスト・高信頼・高パフォーマンスのCPUを採用するため、今年からRyzen CPUを採用し来年にはすっかりRyzenCPUへの信頼を高めようという作戦かもしれません。
Surface新モデルは”買い”なのか?
結論から言うと、(もしこのようなCPU構成になるのであれば) Surface Proは”買い”です。
“買い”というのは、買うべき・買って得するという意味です。
Kabylake-RからIcelake-UへのCPUのアップグレードですから、その性能向上はかなりのものになるでしょう。
それに、価格についてもそこそこ抑えられるらしいので、おそらく買いになるのだと思います。
しかしSurface Laptopについては、AMD,Ryzenのモバイル向けCPUが採用されるとしたらあまり”買い”ではないかと思います。
今年買うくらいなら、次のモデルまで待った方が良いような気がします。来年にもなればRyzenモバイルの品質はぐっと上がりますから。
とりあえず10月2日の発表会後、もう一度正式なスペックを紹介する記事を投稿したいと思います。
お楽しみに