2020年に登場する新たなゲームコンソールといえば「Microsoft Xbox Series X」と「PS5」が話題になっています。
両方ともまだ詳しくは発表されていないですが、この度Xbox Series Xの方の仕様が明らかになりましたので、その特徴を解説していきます。
この記事を2文で説明すると
- Xbox Series Xでは、最新のAMD社の処理装置を採用し、演算能力が非常に高くなる
- レイトレーシング・120fps・8K解像度などをサポートするが、以前のゲーム機との互換性はかなり保証される
デザイン
まずはデザインについてです。

デザインについてはこれで決定です。

背面はこのようになっており、様々な端子が挿せるようになっています。
USB 3.2に加えて、HDMI 2.1や、この後紹介する「Expansion カード」を挿入することができます。

処理装置
続いて処理装置についてです。
Xbox Series X CPU(カスタムZen2 CPU) | |
---|---|
ベースアーキテクチャ | AMD Zen2 |
製造プロセス | 7nm |
コア/スレッド | 8/16(SMT有効時) |
動作周波数 | 3.66 GHz / 3.8 GHz(SMT無効時) |
CPUの基本的なアーキテクチャはAMD社の「Zen2」です。これは2019年に登場したパソコン向けCPU「第三世代 Ryzen」シリーズに採用されたものになります。パソコン向けのCPUとしては初めての7nmプロセスとなり、AMDのCPUが人気になるきっかけになったともいえるCPUシリーズになりました。
コア数、スレッド数についてはSMTテクノロジーが有効にされ、8コア16スレッドとなりました。しかし開発者は、このSMTテクノロジーを無効にすることで更に動作周波数を高めることができます。つまり、8コア8スレッドで運用することで1コア当たりのパフォーマンスをより高めることができます。
といっても8コア16スレッドが適している場面もあるため、切り替えられるようになっているのでしょう。
グラフィックス
続いてはグラフィックスについてです。まずはグラフィック処理を行う「GPU」についてです。
GPU
[dic term=”GPU”]
Xbox Series X GPU(カスタム RDNA 2 GPU) | |
---|---|
ベースアーキテクチャ | AMD RDNA 2 |
製造プロセス | 7nm |
演算能力 | 12 TFLOPS |
コンピュートユニット(CU) | 52基 |
動作周波数 | 1,825 MHz |
ハードウェアレベルでのレイ・トレーシング | サポート |
ゲームの描画を支えているのはこのGPUです。GPUについてもAMD製のものになっています。ちなみにXbox Series XではCPUやGPUなどの処理装置が一つの塊になっています。
アーキテクチャはRDNA 2で、現在AMDが製造しているRDNA(1)のNaviアーキテクチャシリーズの後継のものになります。Naviアーキテクチャと言えばRadeon RX 5000シリーズですが、それらより更に進化したアーキテクチャが採用されているのです。
RDNA 2のGPUでは、ハードウェアレベルでのレイ・トレーシングのサポートを実現したのが特徴です。また、最新のDirect Xをサポートしています。
一体どの計算での演算能力の事を言っているのかはわかりませんが、Microsoftの説明だと、このGPUは12 TFLOPSの演算能力を有するとのことです。
FP32のパフォーマンスだとしたら、Nvidiaの最新のウルトラ・ハイエンドGPU「RTX 2080 Ti」が13.45 TFROPS程度のパフォーマンスです。
それを考えるとこのXbox Series Xに積んであるGPUの演算能力がかなり高いことが伺えます。
ディスプレイ
演算能力が高いことはわかりましたが、問題はどのようにディスプレイに表示されるかです。Xbox Series Xのグラフィックの三大特徴としては「120 fps」の高フレームレート出力のサポートと、「8K」の高解像度出力のサポートと、レイ・トレーシングのサポートです。
そして実際にレイ・トレーシングを活用すると、以下のような描画となります。

こちらは世界的に大人気のゲーム「マインクラフト」のプレイ風景になりますが、通常時は炎等の迫力・輝きがあまりなかったのに対して、レイ・トレーシング技術を活用するとあたかも写真であるかのようなリアルさを手に入れることができます。
また、地面に炎の光が反射しているのがよくわかります。これはレイ・トレーシング(光の追跡)なのです。
記憶装置
続いて記憶装置になりますが、Xbox Series Xではゲームデータや写真・動画などを保存しておく「ストレージ」の進化もそうですが、処理装置のための「メインメモリ」も何気に進化しました。
メインメモリ
Xbox Series X メインメモリ | |
---|---|
タイプ | GDDR6 |
容量 | 16 GB |
メモリ帯域幅 | 10GB @ 560 GB/s , 6GB @ 336 GB/s |
タイプはGDDR6になります。これはGPUのメモリ「VRAM」としてよく使われているタイプになります。最新のNvidiaのウルトラハイエンドGPU「RTX 2080 Ti」も採用しました。容量は16GBとなっていて、GPUのメモリとしてはかなり多いです。なお、この容量の一部はCPU用に使われると考えられます。
メモリの帯域幅は10GBが560GB/s、6GBが336GB/sと、かなり高速になっています。そのため、4K解像度や120fpsの高リフレッシュレートのゲームプレイも快適に行えるようになるのです。
ストレージ
[dic term=”ストレージ”]
広義ではストレージは「記憶装置」そのものですが、一般的には写真や動画などの大きなデータを保存する装置として解釈されています。
そしてXbox Series Xのストレージの性能は以下の通りです。
Xbox Series X ストレージ | |
---|---|
内部ストレージ | 1TB カスタム NVMe SSD |
入出力転送速度 | 2.4GB/s(無圧縮) , 4.8GB/s(圧縮時) |
拡張ストレージ | 1TB 拡張カード(Expansion Card) |
外部ストレージ | USB 3.2外付けHDDに対応 |
内部ストレージはかなりの性能を保有しています。カスタムではありますが、NVMeですのでCPUに直接つながっているイメージです。これまでのPS4やXboxでSSDを搭載しようと思ったらUSBでの外付けか、頑張っても内部ストレージの「SATA接続」まででした。しかしNVMe接続は並外れた通信性能を保有しています。
そのため、SSDはSSDでも、今まで体験した事の無いようなものになるでしょう。
1TBの高速内部ストレージでも十分なのですが、Xbox Series Xでは更にストレージの拡張性があります。第一の拡張ストレージとしては「Expansion Card」(仮称)です。
文字通り「拡張カード」なのですが、こちらもCPUに直接接続します。

どうやらこのパーツはHDDで有名な「Seagate」製のようで、Xbox用に開発された独自規格での接続になります。背面には「1TB」の文字が刻まれていて、内部ストレージと同じ容量となっています。
そしてさらに、このポートのすぐ隣にあるUSB 3.2ポートに外付けのHDDを取り付けることができます。マイクロソフトはHDDと説明していますが、おそらくSSDやその他のUSBフラッシュメモリなど、いろいろなストレージを取り付けることができるでしょう。
恐らく常に使うものではありませんが、例えば前のゲーム機からのデータ引っ越しの際に使ったり、写真や動画などのファイルを転送するのに使ったり、いろいろな用途がありそうです。なお、USB 3.2接続とはいえ、この接続方法が3つのストレージの中で一番遅くなります。
互換性
ここまで変わり果てたXboxの新しい姿を見てきて、「前のXboxは一体どこに行ってしまったのだろうか、もう会えないのか」と思いを巡らせた人は少なくないと思います。
しかし大丈夫です。新しいXbox Series Xでは、互換性チームの懸命な努力によってかなりの互換性が保証されるとのことです。
開発チームによると、毎回のゲームコンソールのアップデートにてその互換性について発表したときに、多くの人が喜んでくれるそうです。つまり、新しいゲームばかりではなく、既存する古いゲームだって新しいゲーム機でプレイしたいと考えている人がたくさんいるみたいです。
そして開発者自身もゲーマーの一人であるため、その気持ちがよくわかるみたいです。そして互換性を保証するために様々な調整を行い、以前のゲームをそのままプレイできるどころか、更に快適にプレイできるようになるシステムを作り上げることができたとのことです。
詳しいことはよくわかりませんが、つまりは以前のゲームでレイ・トレーシング機能を楽しんだり、更に高いフレームレート・解像度でのプレイも楽しめるかもしれないということになります。 なのでXbox Oneシリーズを愛用している人でも安心して乗り換えることができるでしょう。
ただ、問題なのは価格ですね。価格については残念ながらほとんど言及されていませんが、おそらくゲーム機としては高めになるのではないかと言われています。
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