Appleが製造しているMacパソコンシリーズにはMac miniという小さなデスクトップパソコンがあります。iMacシリーズのようにディスプレイは一体化しておらず、購入後は自分でモニターを購入する必要があります。
そこでこの記事ではMac miniの仕様について触れたうえで、Mac mini用のおすすめモニターを3つ紹介していきます。
目次
Mac miniの仕様をおさらい
なんか急におすすめのモニターを紹介すると説得力が無くなりますので、最新のMac miniの仕様からおさらいしていきましょう。
ここでは2020年に発表された「Mac mini 2020年モデル」の仕様一覧をお見せします。
Apple Mac mini 2020 | |
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イメージ画像 | |
メーカー | Apple |
カテゴリー | 小型デスクトップPC |
カラー | スペースグレイ |
OS | Apple macOS Catalina |
CPU | Intel Core i3-8100B Intel Core i5-8500B Intel Core i7-8700B |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 630 |
最大映像出力 | 5120 x 2880 @60Hz 1台 + 4096 x 2160 @60Hz 1台 4096 x 2304 @60Hz 2台 + 4096 x 2160 @60Hz 1台 |
メインメモリ種類 | DDR4 |
メインメモリクロック | 2666 MHz |
メインメモリ容量 | 8 GB 16 GB 32 GB 64 GB |
ストレージ接続 | PCIe 3.0 |
ストレージ容量 | 256 GB SSD 512 GB SSD 1 TB SSD 2 TB SSD |
端子 | USB Type-A x 2 (USB 3) USB Type-C x 4 (USB 3.1 Gen2,Thunderbolt3,DisplayPort,HDMI,DVI,VGA) HDMI 2.0 x 1 イーサネット端子 3.5 mmヘッドフォンジャック |
無線通信 | Wi-Fi 5 Bluetooth 5.0 |
サイズ(高x幅x奥) | 3.6 cm 19.7 cm 19.7 cm |
重量 | 1.3 kg |
モニター関係で重要になってくるのは主に「グラフィックス」と「最大映像出力」の項目です。
グラフィックス
まずはグラフィックスについてですが、現在Mac miniはCPUに内蔵されているGPUを利用しています。Intel UHD Graphics 630になりますね。こちらは最近Intelから発表された第10世代デスクトップ向けCPUにも搭載されているものではありますが、その処理性能は高くないです。
※Passmark値を参考
こちらは同じグラフィックスが搭載されている「Core i7-9700」と、三万円程度で購入することができるグラフィックボード「GTX 1660 SUPER」のグラフィック性能比較になりますが、見ての通りCore i7-9700内蔵グラフィックスではゲーム等の重たい処理を行うことは難しいです。
同様にしてMac miniでのゲームプレイは難しいのでゲーミングモニターは似合っていませんが、「UHD Graphics」が搭載されているだけあって4K動画の再生程度ならスムーズに行うことができます。
そのためゲーム以外の用途では特に気にすることもないでしょう。
映像出力
最大映像出力 | 5120 x 2880 @60Hz 1台(Thunderbolt 3) + 4096 x 2160 @60Hz 1台(HDMI) 4096 x 2304 @60Hz 2台(Thunderbolt 3) + 4096 x 2160 @60Hz 1台(HDMI) |
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映像出力については以上のような構成になっています。最大で5Kの解像度をサポートしています。4Kモニターすらあまり親しまれてないので解像度としては十分と言えるでしょう。ただし2019年にAppleから発売されたMac Pro用の「Pro Display XDR(6K)」へ6K出力を行うことはできません。
また、最大リフレッシュレートは60Hzですので、144Hz対応のゲーミングモニター等を接続しても動作は60Hzになります。それも含めて、ゲーム用途には向いていないです。
台数としてはHDMIポートからの出力は1画面までとなっていて、Thunderbolt 3(USB Type-C)からの出力は最大2画面となっています。つまり合計3台ですね。
ちなみにこのThunderbolt 3出力というのはAlt Modeを利用して「Display Port」として出力しているものになります。アダプタ(別売り)を使用すればDVIやVGAなどのアナログ出力を行うことも可能なようです。
HDMI端子が付いている唯一のMacパソコンなので、ディスプレイ接続における敷居があまり高くないと言えるでしょう。
Mac mini用おすすめモニター3選
それでは以上を踏まえたうえでおすすめのMac mini用モニターを3つ紹介していきます。
LG UltraFine 5K Display
LG UltraFine 5K Display | |
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出力 | 5K(5,120 x 2,880)@60Hz 16:9 |
サイズ | 27インチ |
ドット密度 | 218 ppi(Retina) |
方式 | IPS |
タイプ | 光沢 |
応答時間 | 14ms |
輝度 | 500ニト |
コントラスト比 | 1100 : 1 |
色域 | DCI-P3 |
入力 | Thunderbolt 3 |
内蔵スピーカー | 5W + 5W |
特徴 | Webカメラ・マイク内臓、macOSに最適化、ダウンストリームUSB Type-C x 3 |
こちらのモニターはLG製のものになりますが、AppleがMacに最適化されたモニターとして自社サイトで販売しています。つまりApple公認のMac用モニターなのです。
そしてこのモニターよく見るとiMac 27インチモデルのディスプレイにそっくりなんですよね。それもそのはず、実はiMacのディスプレイもLG製のものになっています。

興味本位で調べていたら、2017年モデルのディスプレイはしっかりとLG製のものでした。 そのため、LGディスプレイとMacは相性が良いでしょう。
そして解像度としてはMac miniをフル活用できる5K@60Hzとなっていて、ドット密度は27インチという大画面にして並みのスマートフォン程度あります。
27インチディスプレイをそこまで近づいてみることはないと思いますが、近づいてもドットを識別できないほどの密度ということですね。 そしてディスプレイタイプとしては大型モニターとしては非常に珍しい光沢となっています。これはiMacも同じです。 光沢モニターは好き嫌い別れると思いますが、MacBook等を接続しても違和感なく使えると思います。
輝度はこの画面の大きさにして500ニトとなっているので、周りが明るい中でも作業もスムーズに行うことができるでしょう。 色域はDCI-P3となっています。

米国の映画制作会社で構成される業界団体「Digital Cinema Initiatives(DCI)」で定められたデジタルシネマ規格。sRGBなどと比較して、広範囲の色域を表現することができる。
P3色域はよくMacBookなどで主張されている特徴ですね。普通のモニターとしてはかなり珍しく、Macをフル活用できる仕様となっています。
そして入力はThunderbolt 3のみとなっているので、付属のThunderboltケーブルで直接Mac miniのThunderboltに接続することができます。
そして本体がUSBハブになっていて、3つのダウンストリームUSBがあります。最大で94WのUSB PD出力をサポートしているので、手持ちのMacBook等をUSB Type-C経由で充電することも可能です。もちろんUSBメモリを取り付けることも可能です。 そのため、このモニターに接続してしまえばこのモニター自体を一体型PCのように使うことができるということです。大迫力スピーカーにWebカメラ、マイクまでついていますからね。
モニターの明るさ調整等もMac mini本体で手軽に行うことができるのでもはやこのモニターにつないでしまえばiMac 27インチモデルの出来上がりです。
ただ、iMac 27インチッぽくしたいのなら案外iMac 27インチモデルを購入した方が安く済む場合もありますのでご注意ください。プロセッサなどの処理性能自体はiMac 27インチモデルの方が高い傾向にあります。(オプションによる)
LG 24UD58-B
LG 24UD58-B | |
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出力 | 4K(3,840 x 2,160)@60Hz 16:9 |
サイズ | 23.8インチ |
ドット密度 | 185 ppi(準Retina) |
方式 | IPS |
タイプ | 非光沢 |
応答時間 | 5ms |
輝度 | 250ニト |
コントラスト比 | 1000 : 1 |
色域 | SMPTE-C(NTSC) |
入力 | HDMI x 2 , Display Port x 1 |
内蔵スピーカー | — |
特徴 | ヘッドフォンジャック、ブルーライト低減モード |
やはりiMacのディスプレイがLG製だと知ってしまった以上、Mac用のモニターとしてLG製のものをお勧めしたくなりますね。
続いてもLG製のモニターで、解像度は4Kとなっています。そのためこちらのモニターを3台用意してすべてに出力することが可能です。サイズは23.8インチと、一人用としてはちょうど良くなっていてドット密度もRetina並みです。
IPS方式なので視野角が相当広くなっています。そのためモニターを3台並べた時でもすべてのモニターの色が正しく見えます。 色域は先ほどのP3ほどではありませんが、NTSCは一般的なsRGBよりもそこそこ色域が広いです。
また、ブルーライト低減モードや自動で消費電力を抑えてくれる機能等も持ち合わせています。ですがお値段としては先ほどの5Kディスプレイの4分の1以下です。4Kディスプレイで3万円台はかなり安い方ですね。
LG 22MK430H-B
LG 22MK430H-B | |
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出力 | FHD(1,920 x 1,080)@75Hz 16:9 |
サイズ | 21.5インチ |
ドット密度 | 102 ppi(並) |
方式 | IPS |
タイプ | 非光沢 |
応答時間 | 5ms |
輝度 | 250ニト |
コントラスト比 | 1000 : 1 |
入力 | D-Sub , HDMI |
内蔵スピーカー | — |
特徴 | ヘッドフォンジャック、ブルーライト低減モード |
続いてもLGモニターになりますが、先ほどまでと比べて非常に安いです。せっかくモニター接続の敷居が低いのだから安価なものを接続しちゃおうという作戦ですね。 これだったらiMac 21.5インチモデルを購入するよりずっと安く済みみます。
解像度はフルHDとなっていて、ドット密度は100ppi程度です。私が今使っているモニターも102 ppiですが、よっぽど近づかない限りドットを識別することはできませんし、これで十分だと思っています。
そして方式はIPSとなっていて、非常に視野角が広いです。解像度等は先ほどのモニターに劣っていますが、輝度や応答時間は全く同じですね。
入力はHDMIの他、アナログ入力にも対応しています。このモニターに関しても、3台揃えればMac miniから3台出力することができますね。先ほどのものよりも安いのでより3台構成がやりやすいかと思います。
そして先ほどと同じようにブルーライト低減モードをサポートしている上に、サイズが小さい分圧倒的に消費電力が抑えられています。
元々ディスプレイにそこまでこだわりはなかったからMac miniを選んだという人には最適なモニターと言えるでしょう。
以上、3台紹介してきましたが、もちろんLGモニター以外も使うことができます。また、Mac miniをサーバーとして使う場合もあるそうなのでそもそもモニターを接続しないというのも一つの手ではありますね