先日、ついにNvidiaから新しいGPUシリーズ「RTX 3000」が発表され、パソコンゲーム界が大いに盛り上がってきました。新たにRTX 3090などが追加されたりし、RTX 2000シリーズに比べると進化していることは何となく想像がつくと思います。 ですが実際にRTX 3000シリーズの性能について把握している人はまだそう多くないでしょう。 そこでこの記事では、実際に測定されたRTX 3000シリーズGPUを使ったベンチマークテストの結果を紹介するとともに、RTX 3000シリーズの性能について解説していきます。
この記事を2文で説明すると
- GeForce RTX 3000シリーズGPUではCUDAコア数が大幅に向上し、VRAMやレイトレーシング機能などあらゆる要素が改善された
- RTX 3080の性能は多くのゲームにてRTX 2080の2倍近くになっていて、RTX 2080 Tiよりも優秀である
RTX 3080の仕様をおさらい
今回紹介していくのはRTX 3080の性能になります。他にもRTX 3000シリーズには様々なGPUが存在するわけですが、ハイエンドの座に居つつ、完全な前身モデルが存在するものとして「RTX 3080」をピックアップしました。
ここでいう前身モデルというのはRTX 2080の事になります。
それではまず最初に、技術仕様については確認していきましょう。
なお、他のモデルについては以下の記事で紹介しています。
【AMPERE】RTX 3000シリーズをモデル別に徹底解説【ついに登場】
RTX 3080 | RTX 2080 | |
---|---|---|
アーキテクチャ | Ampere | Turing |
プロセス | Samsung 8nm | TSMC 12nm |
CUDAコア数 | 8,704 | 2,944 |
ブーストクロック | 1.71 GHz | 1.71 GHz |
VRAM | GDDR6X 10GB , 384bit | GDDR6 8GB , 256bit |
RTコア | Gen 2 | Gen 1 |
PCI-Express | 4.0 | 3.0 |
HDMI | 2.1 | 2.0b |
Display Port | 1.4a | 1.4 |
最大出力 | 7,680 x 4,320 | 7,680 x 4,320 |
GPU最高温度 | 93℃ | 88℃ |
電力 | 320W | 215W |
推奨電源 | 750W | 650W |
補助電源 | 8ピン x 2 | 6ピン + 8ピン |
アーキテクチャについてはAmpereという名前のものになり、TSMCではなくSamsungの8nmプロセス半導体が採用されました。 そしてCUDAコア数については大幅に増量し、一気に1万近くまで増えました。なお、最上位グレードのRTX 3090については1万を超えています。 同じアーキテクチャではないので単純にCUDAコア数の変化を性能の変化として受け取ることはできませんが、それでも何となく、Samsungのより微細なプロセス(8nm)の恩恵を受けていて、それが性能の向上を導いてくれていることがわかります。
ブーストクロックはについては、圧倒的にCUDAコア数が増量しているのにもかかわらず1.71 GHzをキープしているようです。VRAMはメモリの形式がGDDR6からGDDR6Xへと進化し、転送速度が向上しました。また、サイズも2GB増えています。
そしてレイトレーシング機能を担うRTコアについては洗練された、第二世代のものが搭載されています。パソコン本体との通信規格であるPCI-Expressについては第4世代のものをサポートしていて、単純計算で第三世代よりも二倍の転送速度となっています。なお、どうやらPCI-e 4.0は少しオーバースペックらしく、PCI-e 3.0接続でも十分に性能を発揮できるとのことです。これは2019年に登場し、PCI-e 4.0をサポートしたAMDのRDNAアーキテクチャのGPUについても言われていたことになりますね。
そしてHDMIやDisplay Portなどがバージョンアップしています。 また、あまり触れられていませんが、GPUの最大温度が若干上昇しています。
そしてグラフィックボード全体の消費電力は100W以上上昇し、推奨電源の電力も100W程度上昇しました。プロセスルールが微細になったとはいえ、その分がっつりCUDAコアが増量しているので仕方ないことではあります。RTX 3080以上のGPUを利用する時は電源もしっかりしたものの方が良さそうです。
RTX 3080 vs RTX 2080
それでは続いて、いよいよこの二者の性能を比較していきます。 この度、以下のYoutubeの動画を参考にしました。
この動画内では実際にRTX 3080のリファレンスモデルが使われていて、CPUは最近登場したばかりのIntelの第10世代Core i9-10900Kとなっています。RTX 3080のパフォーマンスを発揮するには絶好の環境ですね。Intelの第10世代CPUについては以下の記事をご覧ください。
【ついに登場】Intel第10世代デスクトップ向けCPUのすべて【Comet Lake-S】

こちらはQUAKE 2というゲームで、がっつりRTX(レイトレーシング機能)を利用しています。下にリアルタイムにグラフが流れていて、RTX 2080のスコアを100としたときの相対的なRTX 3080のスコアがわかるようになっています。
右上を見てもらってもわかりますが、だいたいRTX 3080の性能はRTX 2080の1.9倍以上となっていて、2倍といっても過言ではありません。しかもそのスコアが安定して出ているので、全体的に進化していると言えるでしょう。他にもあらゆるゲームで検証が行われていて、Borderlands 3では81%程度高く、Shadow of the Tomb Raiderについては70%近く向上しています。
このような性能の向上がRTX 3070等のモデルにも見られるとは限りませんが、とりあえずRTX 3000シリーズ内での目玉モデルであるRTX 3080については大きな進化を遂げました。RTX 3090については旧 TITAN RTXのような立場に居て、更なる性能の向上が期待できますが、RTX 3080でも十分4Kゲームを快適にプレイできるようになっていると期待されます。
参考記事:https://www.extremetech.com/gaming/314627-nvidia-ampere-rtx-gpu-pcie?source=opera