MacPro 2019年モデル最小構成の性能を解説【65万円】

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2019年も残りわずかといったところでAppleから新型Mac Pro 2019年モデルが発売されるのもそう遠い未来ではなさそうです。

前モデルのLate 2013と比べると大きくデザインが変わり、チーズのおろし金とも呼ばれているこの「Late 2019」ですが、最小構成(65万円程度)ではどれくらいの性能なのでしょうか。この記事ではその目安について解説していきます。

この記事を1文で説明すると

  • MacPro Late2019の最小構成モデルは、CPU性能は一般的なハイエンドパソコンよりも優秀だが、ゲーム性能はあまり高くないため、ゲームが目的なら他のゲーミングパソコンを購入するべき。

MacPro Late 2019の最小構成スペックを確認

まず最初に、新型MacProの最小構成ではどのようなパーツ構成になるのかについて確認します。比較用として最大構成時のスペックも載せます。

パーツ最小構成最大構成
CPUIntel Xeon W-3223 8コアIntel Xeon W-3275M 28コア
メインメモリDDR4 32GBDDR4 1,536GB
グラフィックボードAMD Radeon Pro 580XAMD Radeon Pro Vega II Duo x 2
ストレージ256GB SSD4,000GB SSD
本体価格$5,999(65万円程度)500万円程度(推測)

以上のような構成になっています。

ここでは直接性能に影響してくるようなパーツのみをリストしました。

CPUはどちらもIntel社のXeonプロセッサを搭載しますが、最小構成が8コアCPUなのに対して最大構成では28コアとなっています。

ちなみにかなり高性能なゲーミングパソコンに搭載されがちな「Corei9-9900K」CPUは8コアなので、最小構成と同じです。

そしてメインメモリについては最小構成が32GBなのに対して最大構成では1,536GB、つまりは1.5TBのメモリを搭載します。

一般的なゲーミングパソコンに、多くても32GBくらいのメモリしか搭載されないことを考えるとこの最大構成のメモリの容量の多さがわかると思います。

そしてグラフィックボードについてですが、最小構成ではAMD社のRadeon Pro  580Xが搭載されているのに対して、最大構成ではRadeon Pro Vega II Duo x 2が搭載されていて、合計4つのGPUとなっています。

ちなみにグラフィックボードというパーツはゲーム性能においてCPUより重要になってきます。

そしてデータを保存するストレージについてですが、最小構成では256GBのSSDが搭載されるのに対して最大構成ではその8倍の、4TB SSDが搭載されます。

ストレージについてはある意味「性能」に関わってはきますが、いわゆる処理性能にはほとんど関わってきません。なので256GBでも4TBでもゲーム性能等に変わりはありません。

それでは各パーツの性能を説明していきます。

最小構成CPUの性能

まずは最小構成時のCPUの性能についてです。CPUとはコンピュータの中央処理装置であり、全体の性能に直接影響してきます。

1.CPUの仕様を確認

パフォーマンスも大事ですが、一旦CPUの仕様を紹介します。ただ、理解するには少しだけ専門的な知識が必要です。

比較用として最大構成時のCPUと、ゲーミングデスクトップパソコンでおなじみの、Dell社の最新ALIENWARE ARORAの最高構成時のCPUも載せます。

比較性能最小構成最大構成ALIENWARE
CPUXeon W-3223Xeon W-3275MCorei9-9900K
コア/スレッド数8/1628/568/16
ターボクロック4.0GHz4.4GHz5.0GHz
L3キャッシュサイズ24.5MB66.5MB16MB
TDP160W205W95W

以上のようになっています。コア/スレッド数は、その数に比例してパフォーマンスが変わるわけではありませんが、多い方がよりマルチ処理性能が高いです。

数年前のゲーミングデスクトップパソコンでは4コア8スレッドCPUが主流でしたので8コアでも多いくらいですが、最大構成ではまさかの28コアです。

ターボクロックはメインストリームCPUのCorei9-9900Kの方が高くなっています。Corei9-9900Kは1コア当たりの性能が高いので、もしかするとゲームの処理であればCorei9-9900Kが特化しているかもしれません。

おおよその最大消費電力を示すTDPは、エイリアンが95Wなのに対してMacProは最小構成でも160Wも消費することになっています。

この数値は発熱量に直接かかわってくるので、最大構成ではもちろん、最小構成でもかなり発熱すると考えられます。ただ、熱問題についてはAppleがしっかりと対策しているのであまり気にしなくても大丈夫です。

2.最小構成CPUのパフォーマンス

それではCPUのパフォーマンスを紹介します。ここでは先ほど登場した最大構成時のCPUALIENWAREのCPUに加えて、前世代MacPro(Late2013)の最大構成時のCPUも載せます。

Chart by Visualizer

ここではPassmark値を基に調整してスコアを出していますが、一部のCPUのスコアはまだ掲載されておらず、諸情報を基に算出したものになります。

前世代MacProの最大構成時の性能をも上回っていて、ALIENWARE(Corei9-9900K)の性能も上回っています。

少なくともゲームをプレイするには十分の性能があると言えるでしょう。

というかこれ以上CPU性能が高くても普通の使い方をする人にとっては全く性能差を感じないと思います。

そして最大構成時は鬼のように性能が高いです。

関連記事:MacPro 2019年モデルのCPU性能を全世代と比較【Xeon-W3275M】スポンサーリンク

最小構成グラフィックボードの性能

続いては最小構成時のグラフィックボードの性能についてです。

グラフィックボードの性能は、ゲーム性能に大きく関わってくるので、新型MacProでゲームをプレイしようと考えている人は必須です。

グラフィックボード性能についても先ほどと同様、最大構成時前世代(Late 2013)の最大構成時、それからALIENWAREの最大構成時(Nvidia GeForce RTX 2080 x2)も載せます。

Chart by Visualizer

最小構成では数年前に開発された「Radeon Pro 580X」が搭載されます。

ゲーミンググラボでおなじみのRX 580とほとんど仕様は変わりませんし、性能も変わりません。最新のゲームで、画質をあまり高くしなければそこそこ快適にプレイできる程度です。VRゲームをプレイしたかったり、もっと画質を上げてプレイしたかったり、4K、むしろ6Kモニターでゲームをプレイしたい人には性能不足です。

あくまでもYoutubeを快適に見たり、動画編集を快適に行うためのグラフィックボードといった感じです。

そして最大構成時ではRadeon Pro Vega II Duo x 2ということで、合計4つのRadeon Pro Vega II GPUが搭載されます。

Radeon Pro Vega IIはMacProでしか使われないGPUですが、その仕様・性能としてはAMD社の現状トップクラスGPU「Radeon VII」とほぼ同じです。

それを4つつなげているようなイメージですが、このような内部CrossFireではパフォーマンスは個数に比例せず、多少性能が下がってしまいます。

なので本当はスコア4万に到達してもいいのですが、これまでのRadeon HD 6970Radeon HD 6990の関係等も考慮したとき、以上のような性能になると考えられます。

これくらいの性能があれば6K解像度でも最新のゲームを高画質で快適に遊べるに違いありません。

関連記事:新型MacProのグラフィックボード性能を徹底解説【2019年モデル】

最小構成MacPro Late2019の性能は十分?

パソコンの処理性能というのはCPU,GPUの二つでおおよそ決まってくるので、これでおおよその性能がわかったかと思います。

結論を言いますと、

最小構成ではCPU性能は十分だが、ゲームはあまり快適にプレイできない

です。

ゲーム目的でMacProの最小構成を購入するくらいなら、先ほどから登場していたALIENWAREを購入すべきです。特に以下の製品がおすすめです。


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