当サイトではIntelの第十世代Coreシリーズの「Cometlake-S」に関する記事がとても人気です。そしてこの度、Cometlake-Sの最上位モデル「Corei9-10900K」についての情報が入ってきたのでその性能を紹介したいと思います。
なお、Cometlake-Sの基本的な情報については以下の記事をご覧下さい
もはや10コアCPUはあたりまえに? Intel Cometlake-Sを解説【第10世代CPU】
この記事を1文で説明すると
- Corei9-10900Kでは9900Kと比べてコア数の増加、クロック数の上昇などが期待されるが基本的なアーキテクチャはあまり変わらないため全体的なパフォーマンスとしては10%程度の上昇である。
Corei9-10900Kの基本仕様をおさらい
まず最初にCometlake-Sシリーズの最上位モデル「Corei9-10900K」の基本仕様をおさらいしていきます。ここでは比較用に前世代の最上位モデル「Corei9-9900K」の仕様も投入します。なおまだIntelからは正式に発表されていませんことをご了承ください。
※Corei9-10980XE等のCorei9-10000XシリーズはCometlake-Sシリーズではありません。
CPU/項目 | ベースクロック/ブーストクロック | コア/スレッド | TDP | キャッシュサイズ |
---|---|---|---|---|
Corei9 9900K | 3.6/5.0 GHz | 8/16 | 95W | 16MB |
Corei9 10900K | 3.7/5.2 GHz | 10/20 | 125W | 20MB |
以上のようになっています。まだ不確定の情報ですので詳しいクロック数についてはよくわかっていませんが、どうやら最大クロックがより高くなるとのことです。
プロセスについては同じ14nmになりますが、より進化した14nmプロセスを用いるとのことでよりクロック数を上げることができるのでしょう。これがIntelのタック戦略です。
そしてコア数スレッド数については2コア増えて、10コア20スレッドとなります。Cometlake-Sでは全体的にCoffeelake-Refresh-Sよりもコア数スレッド数が増えています。これもより進化した14nmプロセスを用いた結果なのでしょう。
TDPは125Wです。IntelのメインストリームCPUとしてはかなり高い方です。内蔵グラフィックスを搭載していないのにここまでTDPが高いのですから、きっとコア数スレッド数の増加が影響しているのでしょう。
より力強いパフォーマンスを発揮しそうです。
そしてL3キャッシュサイズも増加しています。キャッシュサイズが増えても体感ではあまりその進化を感じられませんが、ゲーム性能等が上昇するとのことです。 コア数スレッド数が増加したのですからその分キャッシュサイズが大きくなるのでしょう。
Corei9-10900Kの性能
それではCorei9-10900Kの性能を紹介します。ここでは最近インターネット上で登録された情報を紹介したいと思います。
なお、サンプルが圧倒的に少ないのでその信頼性はかなり低いものになります。
1.Geekbench v4
CPUの性能を調べるときは誰もが真っ先にGeekbenchを利用するでしょう。実はこのGeekbenchにもCorei9-10900Kの情報は登録されていました。具体的な型番が載っていたわけではありませんがコア数などからCorei9-10900Kだと考えられます。

こちらになります。
バージョン4のGeekbenchになりますがマルチコアの結果が20,000台というのはハイエンドCPUとしてはあまり高くありません。
前身のCorei9-9900Kがマルチコアパフォーマンスで30,000台を何食わぬ顔でたたき出していることを考えると全く参考にならない数値ですね。
ここまで低い原因としては
- 1.一体型パソコンだから…冷却性能が不十分でクロック数が上がらない
- 2.クロック数が3.2GHz程度までしか上がっていない…ターボブーストテクノロジーは使っていない?
- 3.試験的な利用であるため
といった感じです。

こちらの写真も参考にしてください。
2.Sisoftware
あまり知られていないかもしれませんがCPU等の性能をまとめているサイトの一つに「Sisoftware」があります。


少し見にくいかもしれませんが、こちらのサイトでも掲載されていました。10コア20スレッドで20MB L3キャッシュであることを考えると確実にCorei9-10900Kでしょう。
結果としてはポイントが92となっていて、CPU全体の92%を超えるパフォーマンスとのことです。非常に高いことがわかりますが、一方で無作為に抽出したCorei9-9900Kの結果もほとんど同じとなっています。
Corei9-10900Kのサンプルがほとんどないことを考えるとあまり信頼のおける情報ではないことがわかるのですが、にしてもあまり性能は変わらなそうですね。

しかしこちらのベンチ結果もクロック数が低くなっています。
2.6GHzまで下がっていることを考えるとこの結果よりも10%以上は高いパフォーマンスを発揮できそうです。
やや適当になってしまいますが、これらの結果をまとめて考えると以下のようなパフォーマンスの差になるでしょう。
コア数スレッド数が上昇したことやクロック数が上昇したことが性能上昇のカギになると考えられますが、基本的なアーキテクチャはあまり変わらないので9世代から10世代の桁が変わるアップデートでも意外とマイナーなものになるのではないかと考えられます。
第11世代デスクトップ向けCPUについてはこちらの記事をご覧下さい。
Intelの第11世代デスクトップ向けCPUはどうなる?【Rocketlake-S】
Intelが7nmプロセス、あるいは5nmプロセスを採用するであろう2022年のデスクトップ向けCPUが非常に待ち遠しいですね。
参考記事:https://wccftech.com/intel-comet-lake-desktop-cpu-10-core-6-core-benchmarks-leak-z490-spotted/