みなさんこんにちは、Intel社からは第十世代IceLakeのCPUがモバイル向けのみ出荷され始めましたが、デスクトップ向けについては当分出荷できそうにありません。 そこで今回は様々な論点から「Intelがデスクトップ向けIceLakeCPUをあきらめている説」を提唱していきたいと思います。
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この記事を2行で説明すると
- Intelは第10世代Icelake デスクトップ向けCPUを発売しないかもしれない
- Intelはデスクトップ向けCPUよりもモバイル向けCPUに力を入れていく可能性が高い
第10世代CPU、「IceLake」の現状
まず現在のIntel社の第10世代CPU「IceLake」の状況について紹介したいと思います。
この記事で紹介したように、先日Intelからはモバイル向けのIceLakeCPUのみ出荷されました。
モバイル向けという事でLGAソケットは持たず、基板に固定されている感じになります。つまりはメーカー製の小型ノートパソコンや2in1パソコン用のCPUとして出荷されたという事になります。 自作パソコン業界ではかかわる事のできないCPUになっているということですね。
そしてデスクトップ向け、つまりはLGAソケットを持ち、(噂ではLGA1200だったり) 自作パソコンの組み立てで使用することのできるCPUについてはまだ出荷の予定すら発表されていません。 モバイル向けCPUが発売されてから一年後が目安といった感じですが、噂では2022年まで延期してしまうかもしれないとのことです。
この記事で紹介しましたが、IceLakeというアーキテクチャのCPU自体が考案されていたのは結構前からのことで、様々な技術を取り入れようと開発していたところ実用化が遅くなってしまっている状況とのことです。
今ただでさえAMDの新型CPU「第三世代Ryzen」が波に乗ってきているところですので、icelakeCPUのデスクトップ向けの発売が延期するというのは致命的なことではないのでしょうか。 それでは実際に今、CPUのシェア率がどのように推移しているのかを説明していきます。
現在のCPU市場の状況
それではこちらのサイトをご覧ください。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1197213.html
今から載せる画像はこちらのサイトのものを引用しているものになります。
1.CPU単体のシェア率

まずは上の図をご覧ください。
こちらはCPU単体でのシェア率の推移を表しています。2019年6月の時点でAMD製のCPUのシェア率がIntelに追いついてきていて、ついに7月半ばにはおよそ70%を記録したそうです。
簡単に言えば、IntelのCPUよりもAMDのCPUの方が売れるようになってきたという事になります。
この7月に入ってからのシェア率の上昇を支えてきたのはもちろん「第三世代Ryzenの登場」です。 圧倒的なパフォーマンスと、Intel社製CPUに劣らない最新テクノロジーを駆使したアーキテクチャの使用が、AMDのCPUを「ただの安物」でなくした一番のポイントになるでしょう。
ただし忘れてはいけないのは、こちらのグラフが「CPU単体のシェア率」を表しているものであるということです。
簡単に言えば自作パソコン界でシェアされている割合を表しているものになります。 その市場と逆にあるのが「メーカー製パソコンに採用されているCPUの割合」となります。
以下の図をご覧ください。
こちらは先ほど説明した通り、メーカー製PCに採用されているCPUの会社別(Intel,AMD) 構成比推移グラフとなっています。
このグラフから読み取れることとして、
AMDのCPUもメーカー製パソコンに採用されつつあるが、まだ余裕をもってIntel製CPUの方が採用されている傾向にある
ということです。
第三世代RyzenCPUの登場でCPU単体でのシェア率は逆転しましたが、どうやらメーカー製パソコンではまだ安定してIntelのCPUが採用され続けるようです。
ここでお話している「メーカー製パソコン」というのはほとんどが「ノートパソコン」になります。
実はAMDからはまだ第三世代Ryzenのモバイル向けCPUは発売されておらず、逆にIntelは第10世代CPUのモバイル向けのみ発売しているという状況になります。
Intelの方がノートパソコン向けCPUに力を入れているということでしょうか。
上のグラフから「Ryzenが追い上げてきている」とも読み取れますが、「Intelがまだ余裕をもって大きな割合を占めている」という見方もできますよね。
コンピュータの未来から考えるIntelの行方
ここまでの話で、IntelのCPUがオワコンになってきていると感じている方もいるかもしれませんが、一旦未来のことを考えてみましょう。
まず、AMDのCPUは単体でのシェア率で割合が増加してきている傾向にありますが、CPUが単体で取引されることは今後少なくなっていくと予想されます。
というのも、CPUを単体で購入する状況の一つとして「自作パソコン」がありますが自作パソコンについてはこれから圧倒的に衰退していくと思われます。
残念ながらこの時代には流行らないみたいです。
というかパソコン自体が衰退していくと考えられているそうです。ここ数年の話ではないかもしれませんが、何十年も先のことを考えると皆スマートフォン等のコンパクトな端末を使って仕事をこなしているビジョンが思い浮かぶ気もします。
そこで必要になってくるのは、スマートフォンのようにコンパクトで且つ、パソコンと同じ機能を備えているタブレットです。
2in1パソコン等がそれに該当するかと思います。
現在のスマートフォンではパソコンでできることがすべてできるわけではないので、パソコンに変身することのできる2in1パソコンへの需要が高まってきているわけです。
そして2in1パソコンで使われるCPUはスマートフォンで採用されるものではなく一般的にはIntelのモバイル向け超省電力モデル「Y付きCPU」です。
この業界にAMDは進出していません。
もしもこれからパソコンが衰退していき、コンパクト端末のみが使われるようになったらCPUのシェア率全体は両社でどのように変化するでしょうか。答えは簡単です。AMDのCPUがほぼ使われなくなるということになります。
実は現在のデスクトップ向けCPUでIntelがAMDに勝てないことはIntel社もよくわかっています。そのうえで新しいCPUをモバイル向けに特化していると考えられます。
これらを考えるとIntelがまだ十分にオワコンでないことはわかりますよね。
ただし、モバイル向けCPU以外にも、「データセンター向けCPU」はまだ需要が安定すると考えられます。
つまりサーバー向けのCPUはまだ需要が高まるという事です。
どうやらIntelのIceLakeCPUはサーバー向けに「IceLake-SP」というかたちで登場すると考えられています。ただしサーバー向けCPUに関してはAMDが最近発表した「第二世代EPYC」の登場で、Intelがオワコンになってしまうと予想されています。
これからCPU市場がどう変化していくのかはなかなかの見ものですよね。
2019/10/07追記:
新型Surface Laptop 3の仕様から想像できるIntelの未来について深読みする記事を今月の後半に投稿します。
記事拝見させていただきました。
デスクトップ向けのCPUは、2020年の4月にリリースする(合わせてマザーボードZ490も出る)ような情報ありますが、ちがいますかね?
投稿をご覧下さりありがとうございます。
この投稿で話題にしているのはIntel第十世代Coreiシリーズ(二つあります)のうちの一つ「Icelake」のデスクトップ向けプロセッサになります。
2020年に登場予定の第十世代Coreiシリーズは「Cometlake」になります。同じ第十世代でもアーキテクチャが異なります。なお、実は最初からIcelakeシリーズはモバイル向けのみの予定だったという説もあります。
ただ、いずれにせよ第十世代デスクトップ向けで10nmプロセスが使われないのはほぼ確実です。
大変失礼しました。
Icelakeですね。
確かに、デスクトップ向けはcometlakeでしたね。