Nvidiaの新しい「AMPEREアーキテクチャ」を採用した次世代のGPUについてはだいぶ前から噂されています。まだ詳しいことは発表されていませんが、この記事では予想されるラインナップについて解説していきます。
基本的なアーキテクチャの特徴については以下の記事をご覧ください。
なお、詳しい情報が発表されたらこの記事にて正しいラインナップについて解説していきます。
5月14日現在、ついにAmpereアーキテクチャのGPUが発表されました。
【怪物】ついに発表されたAmpere GPUの性能がまさかの20倍?【A100】
ただし消費者向けではないです
この記事を2文で説明すると
- NvidiaのAMPEREアーキテクチャGPUのラインナップは「RTX 3080 Ti(RTX 3090?)/ 3080 / 3070 / 3060 / 3050」となる可能性が高い
- AMPEREアーキテクチャを用いたGTXシリーズは登場せず、オールRTXモデルになる可能性が考えられる。
AMPEREアーキテクチャGPUのラインナップ
まず第一に、Nvidiaの新しい「AMPERE」アーキテクチャを用いたGPUは「RTX 3000シリーズ」になると言われています。
まだRTXシリーズについては二代目ですが、GTXシリーズの時にGTX 1000番台までの型番を100刻みで使い切っています。そこでGTX 1180のようなGPUが登場することも予想されましたが、結果的にRTXシリーズが登場し、型番は2000番台に上がりました。
この進化で急に型番の千の位が変わったので、おそらく次も千の位が増えて「RTX 3000シリーズ」になることでしょう。
ただその一方で、2000番台になったのはRTXシリーズ(別シリーズ)だからであり、RTXシリーズはRTXシリーズでまた百ずつ型番を刻んでいくという可能性も無きにしも非ずです。
つまり、RTX 2180というGPUが登場する可能性も一応考えられています。
ただ、便宜上この記事ではRTX 3000という体で解説していきます。
そしてRTX 3000シリーズにおいて、今のところ予想されているラインナップは以下の通りです。
- (TITANシリーズ)
- GeForce RTX 3080 Ti (RTX 3090?)
- GeForce RTX 3080
- GeForce RTX 3070
- GeForce RTX 3060
- GeForce RTX 3050?
恐らくRTX 3060シリーズのようなミドルレンジGPUまでは確実に登場しますが、RTX 3000シリーズについてはRTX 3050も予想されます。また、最新の情報によるとRTX 3090というモデルが登場するかもしれないとのことです。その上に新しいTITANシリーズについても噂されています。
それではそれぞれ解説していきます。
それぞれのモデルの特徴
それではそれぞれのモデルの特徴について説明していきます。
GeForce TITAN RTX(第二世代)
このモデルについては型番についての確かな予想がたてられないので第二世代と呼びます。
比較項目 | TITAN RTX 第二世代 | TITAN RTX |
---|---|---|
コードネーム | GA 102? | TU 102 |
CUDAコア数 | 5,376? | 4,608 |
メモリタイプ | GDDR6X | GDDR6 |
メモリ容量 | 24GB | 24GB |
TDP | 250W? | 280W |
以上のようになっています。この後説明するRTX 3080 Ti(3090)よりも若干コア数が多くなっていて、メモリタイプはX付きになっています。
そしてメモリ容量は変わらず24GBとなっています。
GeForce RTX 3080 Ti (3090?)
比較項目 | RTX 3080 Ti | RTX 2080 Ti | GTX 1080 Ti |
---|---|---|---|
コードネーム | GA 102 | TU 102 | GP 102 |
CUDAコア数 | 5,248 | 4,352 | 3,584 |
メモリタイプ | GDDR6 | GDDR6 | GDDR5X |
メモリ容量 | 20GB (12GB?) | 11GB | 11GB |
TDP | 250W? | 250W | 250W |
RTX 3080 Ti(仮称)についてはコードネームはGA 102となり、CUDAコア数は合計で5000基を超える見込みです。実に前モデルから1000基程度増えていることになりますね。 そしてメモリタイプは変わらずGDDR6となっていて、メモリ容量は大幅に増量し、20GBになると言われています。また、同じ「GA 102」コードの「RTX 3090」が代わりに登場するかもしれないとも言われています。
そしてTDPですが、コア数が大幅に増えたとしても7nmプロセスのアーキテクチャとなり、電力効率が高まると予想されるためほとんど変わらないと考えられます。 そのため、TDP 250W程度です。なお、おそらくStreaming Multiprocessorから再設計されるため両者のコアを単純に比較するのは難しいと思われます。
このGPUについてはウルトラハイエンドということで「TITN RTX 3000」という名前を持つようになるかもしれないとも言われています。
GeForce RTX 3080
比較項目 | RTX 3080 | RTX 2080 | GTX 1080 |
---|---|---|---|
コードネーム | GA 102 | TU 104 | GP 104 |
CUDAコア数 | 4,352 | 2,944 | 2,560 |
メモリタイプ | GDDR6 | GDDR6 | GDDR5X |
メモリ容量 | 10GB | 8GB | 8GB |
TDP | 200W? | 215W | 180W |
RTX 3080についてはコードネームがGA 102になると考えられます。ただ、過去のGTXシリーズとRTXシリーズでは80番台は104となっていました。
そしてコア数については1,000基以上増えています。そしてメモリ容量も増えています。10GBなので前世代のRTX 2080 Tiと同等の容量を持つことになります。なお、RTX 3080についてはメインメモリの容量は基本的には10GBとなるが、メーカーによって20GB版も選択することができるようになるかもしれないと言われています。同様に、他のモデルでもいくつかのVRAM容量を選択することができるかもしれません。
TDPは200W程度になるでしょう。あるいはRTX 2080と同じ215Wになるかもしれません。
GeForce RTX 3070
比較項目 | RTX 3070 | RTX 2070 | GTX 1070 |
---|---|---|---|
コードネーム | GA 104 | TU 106 | GP 104 |
CUDAコア数 | 2,944 | 2,304 | 1,920 |
メモリタイプ | GDDR6 | GDDR6 | GDDR5 |
メモリ容量 | 8GB | 8GB | 8GB |
TDP | 150W? | 175W | 150W |
RTX 3070についてはコードネームGA 104になると言われています。そして70番台でありながらCUDAコア数はRTX 2080を上回っていて、合計3000基程度になっています。
メモリ容量は変わらず、8GBになる見込みです。AMPEREアーキテクチャのGPUではVRAM容量が全体的に増えると言われていますが、おそらく一部のハイエンドモデル、およびデータセンター向けのモデルの話でしょう。
そしてTDPは150W程度になると考えられます。いずれにせよ8ピン補助電源1つのみで済むでしょう。
GeForce RTX 3060
比較項目 | RTX 3060 | RTX 2060 | GTX 1660 |
---|---|---|---|
コードネーム | GA 106 (104?) | TU 106 | TU 116 |
CUDAコア数 | 1,920 (2,560?) | 1,920 | 1,408 |
メモリタイプ | GDDR6 | GDDR6 | GDDR5 |
メモリ容量 | 6GB | 6GB | 6GB |
TDP | 140W? | 160W | 120W |
そしてRTX 3060についてはミドルレンジということでCUDAコア数が抑えられています。RTX 2060と同じコア数になっていて、メモリタイプ、メモリ容量共に同じです。そしてTDPはギリギリ補助電源6ピンに耐えそうな140W程度になるのではないかと予想されます。
140WといえばGTX 660もそうでしたね。
GeForce RTX 3050
比較項目 | RTX 3050 | GTX 1650 | GTX 1050 |
---|---|---|---|
コードネーム | GA 107 | TU 117 | GP 107 |
CUDAコア数 | 1,280 | 896 | 640 |
メモリタイプ | GDDR6 | GDDR5 | GDDR5 |
メモリ容量 | 4GB | 4GB | 2GB |
TDP | 75W? | 75W | 75W |
そしてRTX 3000シリーズではRTX 3050が登場するかもしれないです。というのも、RTX 2000シリーズにおいてはこの「50」番台のモデルは「GTX 1650」が代わりに登場しました。
つまりローエンドモデルについてはハードウェア単位でのリアルタイム・レイトレーシングをサポートさせませんでした。しかし基本的なアーキテクチャはRTX 2000シリーズと同じTuringとなっています。
ここでRTX 3000シリーズについても、GTX 16xxシリーズのようなGTX版GPUが登場する可能性も考えられるわけですが、NvidiaのCEOがこんなことを言ってました。
ハードウェア単位でのレイトレーシングのサポートは数年後には必須なものになる
つまりNvidiaはこれからRTXシリーズにのみ力を入れていくということを暗に示していたのかもしれません。ということでAMPEREアーキテクチャからは本格的にオールRTX化となり、ローエンドモデルまでRTXの名を持つかもしれません。
ですがCUDAコア数は抑えられていて、メモリ容量も一般的なローエンドモデルと同じく4GBとなると考えられます。
また、各世代に最低でも一つ、補助電源が必要ないモデルが登場するべきですので、このRTX 3050がTDP 75Wとなってギリギリ補助電源なしで運用できるでしょう。
マザーボード(PCI-e スロット)からの電力供給が75Wが限界となっているので75Wに制限されているわけですが、今後はもしかするとマザーボードから100W程度の電力が供給されるようになるかもしれませんね。
ただしRTX 3050については私の予想でしかないです。
登場時期
これらのGPUが発表されるのは2020年の6月頃だと言われていますが、それぞれのモデルが登場する時期についてはバラバラのようです。
まず最初にハイエンドであるRTX 3080 Tiと3080が2020年の9月に登場し、そのあとに数か月かけてRTX 3070,RTX 3060が登場する見込みです。