2020年 iPad Pro vs MacBook Air【新型10万円対決】

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この二者を比較することになるなんてこと誰が予想したでしょうか。

ついにAppleから新型のiPad ProMacBook Airが発売され、どちらも進化を遂げましたが、iPad Proには禁断のアイテムが登場してしまいました。それはMagic Keyboardです。これまでのSmart Keyboardとは異なり、バックライト付きシザー式キーボードの横にトラックパッドまで備えていますもはやMacBookです。

そのため、この新型iPad ProをMacBookのように使おうと考えている人は少なくないでしょう。そこでちょうど価格が同じ、「iPad Pro 12.9インチ」と「MacBook Air」それぞれの最小構成を比較していきます。

 

 

この記事を2文で説明すると

  • iPad Proの方がMacBook Airより高性能だが、ノートPCとして使うのは難しい上に、むしろ勿体ない
  • Appleがより力をいれていて、これから便利になるであろうことを考えるとiPad Proの方が買いである

ハードウェア仕様を比較

それではまず、ハードウェア的な面を比較していきます。

まず最初にまとめた表をご覧ください。ここで比較するのは最小構成にてiPad Pro 12.9インチモデルと同じ価格であるMacBook Air 2020年モデルです。なお、とりあえずiPad ProにはMagic Keyboardを付けない想定でいきます。

 

 MacBook Air 2020iPad Pro 12.9インチ 2020
ディスプレイ13.3 インチ
16:10
2,560 x 1,600 (227 ppi)
True Toneテクノロジー
60 Hz
12.9 インチ
13.5:10 程度
2,732 x 2,048 (264 ppi)
True Toneテクノロジー
最大120 Hz
プロセッサIntel Core i3-1000NG4Apple A12Z
メインメモリ8GB LPDDR4X6GB LPDDR4X
ストレージ256 GB128 GB
接続端子USB Type-C x 2 {
Thunderbolt 3
充電
Display Port
USB 3.1 Gen 2
}

3.5mm ヘッドフォンジャック
USB Type-C x 1 {
充電
Display Port
USB 3.1 Gen 2
}
Wi-FiWi-Fi 5Wi-Fi 6
Bluetooth5.05.0
カメラ内カメラ{
FaceTime 720p HDカメラ(100万画素程度)}
内カメラ{
TrueDepth 700万画素カメラ}

外カメラ{
1200万画素 広角
1000万画素 超広角
裏面照射型センサー}
生体認証Touch ID(指紋認証)Face ID(顔認証)
充電30W(付属品)18W(付属品)
バッテリー最大11時間のワイヤレスインターネット最大10時間のワイヤレスインターネット
重量1.29 kg0.64 kg
価格104,800円104,800円

赤字:優れている

 

 

ディスプレイ

まず最初にディスプレイについてです。

 MacBook Air 2020iPad Pro 12.9インチ 2020
ディスプレイ13.3 インチ
16:10
2,560 x 1,600 (227 ppi)
True Toneテクノロジー
60 Hz
12.9 インチ
13.5:10 程度
2,732 x 2,048 (264 ppi)
True Toneテクノロジー
最大120 Hz

ディスプレイサイズについてはMacBook Airの方が0.4インチ(1 cm)ほど大きくなっています。13.3インチ自体ノートパソコンとしては比較的小型な方なので、iPad Proについては、ノートパソコンのように使うには若干画面が小さいでしょう。

ただし、iPad Proでパソコン表示されるとは限らず、むしろほとんどはタブレット表示になりますので、タブレットとしての作業性はかなり良さそうです。

そしてアスペクト比(横縦比)についてはMacBook Airが一般的なノートパソコンに近い「16:10」なのに対して、iPad Proでは少し正方形に近い「約13.5:10」となっています。 そのため、横持ちで動画を見ると余白がそこそこできてしまいます。

解像度については両者ともRetina仕様になっていて、密度が200 ppiを超えているので人の目ではほとんどドットを識別できないレベルの密度は確保されています。

そしてリフレッシュレートについてはMacBook Airが60Hzまでなのに対してiPad Proでは「ProMotionテクノロジー」によって最大120Hzまでサポートしています。

 

リフレッシュレート

1秒間で何回画面を書き換えることができるのかを表す値。単位は主にヘルツ[Hz]で、例えば60Hzの場合は1秒間に60回画面が書き換えられることになる。

ディスプレイについては好みの問題もあるとは思いますが、やはり基本的にMacBook Airの方が横画面でパソコン表示をするのに向いているといった感じでしょう。

 

 

プロセッサ

 MacBook Air 2020iPad Pro 12.9インチ 2020
プロセッサIntel Core i3-1000NG4Apple A12Z

 

CPU

CPU(プロセッサ・中央処理装置)とは、コンピュータの「頭脳」と呼ばれているパーツで、主な処理をこの装置で行う。
コンピュータの全体的な処理性能は主にCPUで決まる。

プロセッサについてはMacBook AirにはIntel製のものが、iPad ProにはApple純正のARMベースのものが搭載されています。

それぞれアーキテクチャが全く違うので公平に比較するのは非常に難しいですが、指標として「Geekbench v5」を用いると以下のような性能差が現れました。

 

CPU性能

 

Chart by Visualizer

シングルコア性能とマルチコア性能両方とも載せました。IntelのCPUといったらシングルコア性能が比較的高いのが特徴みたいに言われたりしますが、このグラフではiPad Proの方が高くなっています

マルチコア性能についても圧倒的にiPad Proの方が高くなっていますね。MacBook Air 2020年モデルは前世代に比べてだいぶ進化したと言われていますが、iPad Proには全然かなわないようです。

この点、iPad Proの方がよりハードな作業をするのに向いているのかもしれません。ただ、iPad Proで採用されているARMベースのCPUは、パソコンのようにマルチタスクを行うのがあまり得意ではないんですよね。そのため、iPad Proを本気でパソコンのように使おうと思ったらそこまでの高性能さを感じないのではないかと思います。

 

GPU性能

 

GPU

グラフィック処理装置(GPU・グラフィックス)とは、映像出力を行うための装置で、3Dゲーム等でその性能が特に重要視される。    もっと詳しく

続いてはGPUの性能です。両者ともプロセッサに内蔵されています。

 

Chart by Visualizer

こちらはGeekbench Metalを参考にしています。何かの間違えなのではないかと疑いたくなりますが、iPad Proの方が倍以上性能が高くなっています。つまり、単純に言うとiPad Proの方が倍以上ゲーミング性能が高いのです。

とはいってもiPad Proでパソコン版のゲームがプレイできるわけでもないので、一体どこで活躍するんだという感じはしますね。今後AR(拡張現実)機能にて役に立っていくのでしょうか。

ただ、処理装置の性能については間違いなくiPad Proの方が高いと言えるでしょう。

 

 

メインメモリ・ストレージ

 MacBook Air 2020iPad Pro 12.9インチ 2020
メインメモリ8GB LPDDR4X6GB LPDDR4X
ストレージ256 GB128 GB

 

メインメモリ・ストレージについては以上のようになっています。MacBook Airでは最小構成で8GBのLPDDR4Xメモリが搭載されています。

ARMベースのプロセッサを内蔵するiPad Proにそこまで大容量のメインメモリは必要ないと思いますが、iPad Proについても負けじと6GBとなっています。そしてストレージについては最小構成時、すなわち同じ価格の時にMacBook Airの方が大容量になっています。

メインメモリやストレージに関してはさすがパソコンといった感じでしょうか。ただ、お金を払えば両者とも1TB以上のオプションを選択することができます。

 

 

接続端子

 MacBook Air 2020iPad Pro 12.9インチ 2020
接続端子USB Type-C x 2 {
Thunderbolt 3
充電
Display Port
USB 3.1 Gen 2
}

3.5mm ヘッドフォンジャック
USB Type-C x 1 {
充電
Display Port
USB 3.1 Gen 2
}

 

接続端子については両者ともUSB Type-Cポートがついていますが、iPad Proについては1ポートだけです。加えて、iPad ProのUSB Type-CポートではThunderbolt接続を行うことができないので、一部のThunderbolt 3モニターに映像を出力することができない点に注意が必要です。ですが、Display Port接続には対応しているのでUSBケーブルでUSB Type-Cの一部のモニターに映像出力することができます。この場合は4K解像度が最大のようです。

一方MacBook AirではThunderbolt 3をサポートしている上に、最大で6K解像度の出力をサポートしています。パソコンとして利用しているときは外部モニターに出力する機会が比較的多いので、この点ではやはりMacBook Airの方が優秀なようです。

 

 

無線

 MacBook Air 2020iPad Pro 12.9インチ 2020
Wi-FiWi-Fi 5Wi-Fi 6
Bluetooth5.05.0

両者とも最小構成ではモバイルネットワーク通信をサポートしていません。そしてWi-FiについてはMacBook Air 2020年モデルではWi-Fi 6をサポートすることが期待されましたがWi-Fi 5のままとなりました。一方でiPad ProではWi-Fi 6がサポートされました。

ただ、普段使いではその恩恵はあまり感じることができないそうです。

そしてBluetoothについては両者とも5.0です。

 

 

カメラ

 MacBook Air 2020iPad Pro 12.9インチ 2020
カメラ内カメラ{
FaceTime 720p HDカメラ(100万画素程度)}
内カメラ{
TrueDepth 700万画素カメラ}

外カメラ{
1200万画素 広角
1000万画素 超広角
裏面照射型センサー}

 

パソコンとして評価する時、カメラ性能がどれくらい重要なのかは疑問なところですが、タブレットの一面を持つ分、iPad Proの方が圧倒的に性能が良いです。

にしてもMacBookシリーズの内カメラは何年も全く改善されていないですね。ただ、次世代のMacBookにはFace IDが載るといううわさがあるので、その時に内カメラの性能も改善されるでしょう。

 

 

生体認証

 MacBook Air 2020iPad Pro 12.9インチ 2020
生体認証Touch ID(指紋認証)Face ID(顔認証)

 

パスコードによる認証を行えるのは当たり前ですが、それに加えて両者とも生体認証をサポートしています。MacBook Airではキーボード部にあるセンサでTouch ID(指紋認証)を利用することができ、iPad ProではFace IDを利用することができます。

どちらが良いのかは人によって感じ方が違うと思いますが、先ほども説明した通り次世代のMacBookにはFace IDが載るかもしれないと言われています。

また、詳しいFace IDの仕組みについては以下の記事をご覧ください。

Apple Face IDの仕組みを徹底解説【図解】

 

 

バッテリー・充電

 MacBook Air 2020iPad Pro 12.9インチ 2020
充電30W(付属品)18W(付属品)
バッテリー最大11時間のワイヤレスインターネット最大10時間のワイヤレスインターネット

 

バッテリー・充電については、両者とも持ち時間自体はあまり変わらないようです。ただ、充電の電力が違います。あくまでも付属の充電器の話になりますが、MacBook Airに関してはさすがパソコンといった感じで、30W充電が基本となっています。ただ、パソコンとしては低い方です。

そしてiPad Proについては18Wの充電器が付属しています。充電においては、低電力で充電できる方が優秀と言えるので、この点ではiPad Proの方が優秀と言えるでしょう。

ただ、パソコンとして評価したときに電力はそこまで重要でもない気はします。

 

 

重量

 MacBook Air 2020iPad Pro 12.9インチ 2020
重量1.29 kg0.64 kg

 

重量についてはiPad ProがMacBook Airのちょうど半分程度になっています。MacBook Airは1.29 kgとなっていますが、正直「Air」の名をつけられるほど軽くは無いです。かといってパソコンに640gまでの軽さを求めるのはハードですが、この点ではiPad Proの方が優秀と言えるでしょう。

ただしこれはキーボード等を付属させていない場合になります。Magic Keyboardの重量については公開されていませんが、おそらく取り付けた場合は数百グラム程度重くなるでしょう。ただ、MacBook Airの重量を超えるということはないと思います。

 

 

そして価格については同じです。

 

 

Magic Keyboard適用時

冒頭で説明しましたが、新型のiPad ProにはMagic Keyboardという禁断のアイテムが存在します。

 

キーボードの比較

キー配列は同じですが、iPad Proではファンクションキーは使わないのでファンクションキーは存在しません。 そして両者ともシザー式を採用していて、キーストロークは1mmとなっています。

 

キーストローク

キーボードのキーを押したときにキートップが沈み込む深さ、あるいはその動き。 キーボードの仕様を説明する時に使われる。

そしてサイズは小さめですがiPad Pro用Magic Keyboardにも、ジェスチャーを利用することができるトラックパッドが付属しています。

そのため、この辺の操作感としてはMacBook Air等と同じと言えるでしょう。また、iPad Pro用Magic Keyboardの左側には充電専用のUSB Type-Cコネクタが付いているので、片方は充電専用なものの、iPad Pro本体のコネクタと合わせて2ポートあるように使うことができます

Thunderbolt 3に対応していないことに変わりはないですが、このMagic Keyboardを取り付けることによって更にパソコンのように使えるようになることがわかります。ただ、問題になってくるのは価格です。

 

 MacBook AiriPad ProMacBook Pro 13
本体価格104,800円104,800円139,800円
キーボード37,800円
合計価格(税抜)104,800円142,600円139,800円

 

まだMacBook Pro 13インチモデルについては2020年のものが登場していないので何とも言えないですが、Magic Keyboardを取り付けてしまうとMacBook Airどころか、MacBook Pro 13インチモデル(最小構成)の価格さえ超えてしまいます

そのため、iPad Proをパソコンのように使いたいならMacBookを買えって感じにはなります。でも実際その通りで、私の結論としては「iPad ProをMacBookのように(ノートPCのように)利用することは難しい」です。

この話については今度詳しい説明をしますが、たぶんiPad ProをノートPCとして使うのはむしろ勿体ないのではないかと思います。せっかく高性能なカメラタッチ画面がある上に様々なアプリを利用することができるのですから、「ノートPC」だなんてケチい使い方はせずに、もっと便利な使い方ができるのではないでしょうか。

 

それぞれ最適な用途があるので結論を出すのは難しいですが、私的にはiPad Proの方が買いだと思います。おそらくAppleはiPad Proにより力をいれていて、これからどんどん使いやすくなってくると思います。やはり最後に残るのはより小型な端末でしょう。

 

購入はこちら

 

MacBook Airのレビュー記事







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