先日、最大手スマートフォンメーカーの「Xiaomi(シャオミ)」から新たな格安アンドロイドスマートフォンが発売されました。
その名はRedmi K30です。この名称はローカル用になりますので、グローバルモデルとしては「Mi 10T」になるでしょう。
そしてこのモデルの特徴は、格安なのに5Gに対応したことです。この記事ではXiaomi Redmi K30/Mi 10Tシリーズについて徹底解説していきます。
この記事を2文で紹介すると
- 2020年1月に3万円代で発売されるXiaomi Redmi K30 5Gは世界初の廉価版5Gスマートフォンとなるが、全体的な性能が非常に優秀である。
- そのコストパフォーマンスの良さからどんな用途であってもオススメしたい。
Redmi K30シリーズのモデルを解説
Redmi K30に存在する二つのモデル
実はRedmi K30シリーズには二つのモデルが存在します。一つは4Gまで対応しているモデルで、もう一つは5Gをサポートしているモデルです。
世界初の格安5Gスマホと表しましたが実際に5Gが使えるのは二つのモデルのうち一つになります。
4Gまでサポートしているのが「Redmi K30」で、5Gまでサポートしているのが「Redmi K30 5G」になります。わかりやすくモデル名に「5G」と入れているあたりがSumsungのGalaxy S10シリーズに似ていますね。
4Gまでしかサポートしないモデルが存在するのは、5Gをサポートさせるのに高いコストがかかるのに対してまだあまり普及していないからだと考えられます。それに、一つによっては5Gなんかいらないという場合もありますので、広いニーズにあわせて2モデル展開しているようです。
ただ、もしかするとSumsungのGalaxy S11シリーズの噂のように、再来年のRedmiシリーズは全てのモデルで5Gをサポートするかもしれませんね。
二つで違うのはモバイルネットワークのサポート規格だけではない
上の説明文だと、5Gモデルと無印の4Gモデルとの間には、対応しているモバイルネットワークの種類以外無いようにも捉えられますが、実はこの二つのモデルの間にはそれ以外にも重要な違いがあります。
それは、スマートフォン全体の性能を決定させる「CPU」や「GPU」などのパーツを含んだ「SoC」の違いであったり、Bluetoothの対応バージョンが違ったり、存在するカラーモデルに違いがあるなどです。
そのため、単に5G通信がいらないからといって無印モデルを選んでしまうのは少し気が早いかもしれません。そこで、これから紹介する各モデルの詳しい仕様表をじっくり見ていきましょう。
Redmi K30シリーズの仕様を紹介
それでは各モデルの仕様をすみずみまで紹介していきたいと思います。
ここでは、比較用に前モデルの「Redmi K20」の仕様も紹介していきます。
比較項目 | Redmi K20 | Redmi K30 | Redmi K30 5G |
---|---|---|---|
発売 | 2019年6月 | 2019年12月 | 2020年1月 |
サイズと重量 | 157 x 74 x 8.8 mm , 191g | 165 x 77 x 8.8 mm , 208g | 165 x 77 x 8.8 mm , 208g |
SIM | デュアルSIM , デュアルスタンバイ | デュアルSIM , デュアルスタンバイ | デュアルSIM , デュアルスタンバイ |
ディスプレイ | 6.39インチ , 1080 x 2340 , HDR , 60Hz | 6.67インチ , 1080 x 2400 , HDR10 , 120Hz | 6.67インチ , 1080 x 2400 , HDR10 , 120Hz |
OS | Android 9.0 (Android 10.0利用可能) | Android 10.0 | Android 10.0 |
SoC | Qualcomm Snapdragon 730 | Qualcomm Snapdragon 730G | Qualcomm Snapdragon 765G |
メインメモリ | 最大8GB | 最大8GB | 最大8GB |
SDカード | スロットなし | MicroSD 256GBまで | MicroSD 256GBまで |
背面カメラ | 3レンズ(48MP:広角,8MP:望遠,13MP:超広角) | 4レンズ(64MP:広角,8MP:超広角,2MP:マクロ,2MP:深度センサ) | 4レンズ(64MP:広角,8MP:超広角,2MP:マクロ,2MP:深度センサ) |
前面カメラ | 1レンズ(20MP:広角) | 2レンズ(20MP:広角,2MP:深度センサ) | 2レンズ(20MP:広角,2MP:深度センサ) |
Wi-Fi | Wi-Fi 5まで(802.11 ac) | Wi-Fi 5まで(802.11 ac) | Wi-Fi 5まで(802.11 ac) |
モバイルネットワーク | 4Gまで | 4Gまで | 5Gまで |
Bluetooth | 5.0 | 5.0 | 5.1 |
指紋認証 | 画面内(光学式) | 本体側面 | 本体側面 |
バッテリーと充電 | 4,000mAh , 18Wまでの高速充電 | 4,500mAh , 27Wまでの高速充電 | 4,500mAh , 30Wまでの高速充電 |
カラー | 黒,赤,青,白 | 青,赤,紫 | 青,赤,紫,白 |
参考価格 | 26,000円 | 26,000円 | 32,000円 |
この表ではRedmi K30とRedmi K30 5Gの仕様が違うところを赤字で示しています。
それではそれぞれの項目を解説していきます。
発売時期
同じRedmi K30シリーズですが、発売時期が異なります。Redmi K30はすでに発売されましたが、K30 5Gについては2020年の1月に発売されます。ただ、生産が間に合っていないわけでは無いので、これはこれで何かの戦略なのだと思います。
ちなみにRedmi K20が発売されてからK30が発売されるまでわずか半年しか経っていません。さすがシャオミといったところでしょう。
サイズと重量
Redmi K20からK30への進化で、全体的なサイズと重量も進化しました。
一般的にスマートフォンは150gくらいであれば軽く感じるようですが、K20の時点で200g近くあり、そしてK30でついに200g台にのってしまいました。そもそもの画面サイズが大きいので仕方が無いことですが、人によっては重すぎて使いにくく感じてしまうなんてこともありそうです。Redmiシリーズは基本的に大きくて重いスマートフォンという認識でいましょう。
SIM
3モデルすべてでデュアルSIM、デュアルスタンバイをサポートしています。そのため、海外に行った時等にスムーズにSIMの切り替えができたり、仕事用のSIMへの切り替えもスムーズにできたりして便利です。なお、K30シリーズについてはMicroSDカードにも対応していて、そのスロットが2枚目のSIMスロットと共有されているそうです。
ディスプレイ
K20からK30にかけてディスプレイサイズが大きくなりました。6.39インチの時点で大きい方ですが、K30シリーズはまさかの6.7インチです。ここまで大きくなると手の大きさの関係上、結構使いにくく感じてしまう人もたくさんいると思います。
そして基本的な解像度は変わっていませんが、ディスプレイが少し縦長になりました。また、より細かく輝度をコントロールすることができる技術「HDR」の「10」という規格をサポートするようになりました。
ただ、再生する映像自体がHDRに対応していないとあまり意味がないので、その恩恵を受けるかはわからないところです。
そしてK30では120Hzリフレッシュレートをサポートするディスプレイが搭載されました。60Hzに比べて2倍のリフレッシュレートですので、2倍映像が滑らかに見えるということになります。こちらについても、再生する映像が120fpsをサポートしていないと意味がないですが、今後120fpsをサポートするゲームや動画などのコンテンツは増えていくでしょう。
OS
K20シリーズはデフォルトでAndroid 9.0がインストールされていましたが、今は3モデルともAndroid 10が利用できるようになっています。現時点でAndroid 10を利用することができるスマートフォンはそう多くはないですが、ダークモードをサポートするなどの良いことがたくさんあります。
関連記事:Android10でできるようになったことをわかりやすく解説
SoC
SoCは、CPUやGPUなどの処理パーツを一つにパッケージングしたチップセットになります。K30(4G)ではK20の進化版となるSnapdragon 730Gが搭載されます。最上位のハイエンドというわけではありませんが、ゲーム性能が非常に高くなっていて、普通に使う分には十分すぎるくらいの性能です。
そしてK30 5Gモデルについてはさらにランクが高い、Snapdragon 765Gが搭載されます。こちらも普通に使う分には十分すぎるくらいの性能を保有していますが、かなり重たいゲームの処理もサクサクできるなど、プラスアルファの性能も備えています。ちなみにSnapdragon 765Gは5G通信に特化しています。
以下に、それぞれのCPU性能比較グラフを載せます。
比較用に、現状ハイエンドの「Snapdragon 855」も投入しました。
Redmi K30 5GのスコアはさすがにSnapdragon 855には届いていませんが、廉価版スマートフォンとしては十分すぎるくらいの性能です。
ちなみに私が持っているiPhone 7はこのスコアが200000くらいです。
メインメモリ
メインメモリについてはK20もK30もすべて最大8GBとなっています。スマートフォンのメインメモリは通常4GB程度あれば十分だと考えられているので、おそらく8GBは少し多すぎるでしょう。多すぎて損はないですが。
カメラ
続いてはカメラです。K20からK30にかけて背面、前面ともにレンズが一つ増えました。
メインの広角レンズは48MP(4,800万画素)から64MP(6,400万画素)まで進化し、追加で深度センサも搭載されました。
望遠レンズという名前のレンズはなくなりましたが、メインの広角レンズの画素数が圧倒的に多くなったので、デジタルズームを大胆に使ってもきめ細かい写真を撮影することができるでしょう。
なお、カメラについてはK30とK30 5Gの違いはないようです。
Wi-Fi・モバイルネットワーク・Bluetooth
Wi-Fiについては、どのモデルでも今最も主流となっているWi-Fi 5(IEEE 802.11 ac)をサポートしています。
そしてK30 5Gでは文字通り5G通信をサポートします。まだ日本では5Gは普及していませんが、数年後にはかなりたくさんの人が契約するだろうと言われているので、今のうちに格安の5Gスマートフォンを手に入れておくべきです。
そしてBluetoothについてはK30 5Gだけ、新しすぎる「5.1」という規格をサポートしています。新しすぎてまだ世の中にはあまり知られていない規格ですが、
5.1では方向検知機能を追加したそうです。これでBluetooth接続を行う周辺機器もより賢くなりそうですね。
指紋認証
K20では時代の最先端を走って、画面内指紋認証が導入されました。光学式ということであまり精度はよくなかったみたいですが、指紋センサをボディに搭載する必要がなく、よりスタイリッシュな設計になっていました。
ですがK30ではどちらのモデルも本体の側面に指紋センサが設置されました。これは120Hzの高リフレッシュレートディスプレイを設置するために側面に移動されたといわれています。それに、最初は斬新で注目を集めていた画面内指紋認証も、今では精度が悪かったりなどしてあまり良い印象を受けていません。そのような理由もあってか、本体側面に移動されたのでしょう。
バッテリーと充電
K20のバッテリー容量が4,000mAhだったのに対して、K30では両モデルとも4,500mAhとなっています。4,000mAhを超えている時点で多い方ではありますが、4,500mAhともなると一日中バッテリーをほとんど気にすることなく生活ができそうです。
加えて、K30では27の高速充電、そしてK30 5Gでは30Wの高速充電をサポートしていて、K30 5Gについてはフル充電まで1時間もかからないそうです。この大容量を1時間以内で充電できるのはかなり優秀だと思います。
ですが30W充電をサポートしている専用のUSB Type-Cケーブルが必要です。
カラー
カラーについてはK30が三色しかなかったのに対してK30 5Gでは四色目の「白」が追加されるそうです。
5G通信はいらないという人も、白色のスマートフォンが良いのであればK30 5Gも選択肢に入ってきますよね…笑
価格
価格についてはK20とK30は同じ価格になっていて、K30 5Gは5Gのサポート、より性能の高いSoCの搭載もあってか、6,000円ほど高くなっています。
あくまでも日本円に置き換えた時の参考価格になりますが、それでもK30 5Gは3万円台にのるでしょう。でもこの性能で、しかも5Gをサポートするスマートフォンと考えると3万円代は相当安いです。というかスマートフォンが3万円代で手に入ること自体安いと思います。
Redmi K30シリーズ、どんな人におすすめ?
最後に、これらの仕様をふまえてRedmi K30 / Mi 10 Tシリーズはどんな人にオススメなのかを説明します。
基本的に誰にでもおすすめします
一番困る回答かもしれませんが、こちらのRedmi K30シリーズ、全員におすすめします。特に、5Gモデルをオススメします。というのも、この性能があればスマートフォンを使ったほとんどの重たい処理を軽々とこなしていくことができるからです。
また、カメラ性能についても画素数についてはAppleのiPhone 11を大きく上回っていますし、レンズもたくさんついています。そしてディスプレイも高リフレッシュレートをサポートしていて、とても綺麗なLED液晶となっています。まさに、非の打ち所がないスマートフォンと言えるでしょう。
そして特に素晴らしいのはその価格です。5Gをサポートし、なんでも処理できる高性能を保有し、そして高いカメラ性能、綺麗なディスプレイを保有していて(5Gモデルは) 3万円代なのです。
5Gが必要ないから4Gモデル(無印)でいいやと思っている人にも、5Gモデルをおすすめします。このコストパフォーマンスであれば、仮に5G通信を行わなくたとしても十分に得することができるでしょう。
それに大手メーカーということもあって、そのサポートもかなり手厚いものになります。
以上、この世の全ての人にオススメしたいスマートフォンの紹介でした。