今年もグラフィックボードの季節がやってきました。毎年恒例、緑組と紅組の対決になります。最近ではIntelまでGPU市場に入ってきて、青組も加わりそうになっていますが、それはさておき、2022年にはNvidiaからもAMDからも新しいGPUシリーズが発表される予定です。
Nvidiaから登場する新シリーズ「RTX 4000」については以下の記事をご覧ください。
【Ada Lovelace】GeForce RTX 4000シリーズGPUの最新情報【5nm】
そしてこの記事ではAMDから登場する新シリーズ「RX 7000」シリーズについて紹介していきます。
RX 7000シリーズとは?
私としても複雑すぎて少々うんざりしてきている次第です。AMDのRadeonシリーズGPUはアーキテクチャとか世代とかシリーズ名とか… いろいろな単語が出てきて、かなり混乱しますね。今回だと「Navi 31」「RDNA 3」「RX 7900XT」という様々な名前が出てきています。 いったいどういう意味なのでしょうか?
AMD Radeon GPUのうち、RDNA 3世代の「Navi 31」アーキテクチャが採用された「RX 7900 XT」というモデル
長い見出しにしてみました。まずRadeonというのはAMDのプライベートブランドで、GPU製品につけられる名前です。そしてGPUシリーズの中でも世代というのが分けられていて、RDNAシリーズの中の3世代目ということですね。RDNAの最初の世代はRX 5000シリーズで、次の世代はRX 6000シリーズといった感じです。 そしてRDNAの前は「GCN」という名前でしたね。これがRX 500シリーズなどやVegaシリーズGPUになります。 と、様々な単語が出てきて非常に複雑になってきました…笑
そしてRDNA 3世代のRadeon GPUの中でもローエンド(低性能・低価格)のものからハイエンド(高性能・高価格)のものまでさまざま登場することが予想されています。それぞれGPUの構成が異なっていて、例えば今回噂されているウルトラハイエンドであるトップモデルの「RX 7900 XT」は「Navi 31」という名前のアーキテクチャが使われるということですね。
RX 7000シリーズの特徴
一応タイトルで出したのは「RX 7900 XT」という文字ですが、この記事ではRX 7000シリーズ全体について説明していきます。 まだ詳しいことは発表されておらず、噂情報にすぎませんのでご注意ください。
MCM設計

RX 7000シリーズの少なくともRX 7900 XTについてはチップの設計が上の画像のようになるといわれています。MCM設計と呼ばれ、上下二つのGCD(Graphics Core Die)を真ん中のMCD(Multi-Cache Die)で通信している感じです。各GCDについて3つのシェーダーエンジンがあり、その中にシェーダーアレイが2つ、つまりGCDあたり6つのシェーダーアレイがあります。 そして各シェーダーアレイは5つのWGPを備えそれぞれに8つのSIMD32が詰まっています。 SIMD32当たり32個のコアが詰まっているため、全体のコア数としては
32(SIMD32のコア数)×8(WGP当たりのSIMD32の個数)×5(SA当たりのWGPの個数)×2(SE当たりのSAの個数)×3(GCDあたりのSEの個数)×2(GCDの個数)= 15,360コア
となります。多いですねー。RDNA 2世代では最大で5120コアでしたし、ダイも一つしかありませんでした。
真ん中に設置されているMCDは次世代のInfinity Fabric接続で二つのGCDをつないでいるとのことです。ちなみに、2019年にAppleのMac Pro用に登場したAMDの「Radeon Pro Vega II Duo」という、二つのGPUを備えているグラフィックボードも両者間をInfinity Fabricで接続していますので似たような感じです。 ただ、Infinity Fabric自体がさらに進化するようです。
プロセスは5nm
製造プロセスとしてはTSMCの5nmのものが利用されるといわれています。5nmプロセスといったらAppleの最新のiPhone 12シリーズに搭載されたA14チップと同じということになりますね。 もしくは6nmプロセスになるという噂もあります。 ちなみにNvidiaの最新のアーキテクチャでは8nmプロセスとなっています。
メモリタイプはGDDR6
メモリタイプはGDDR6となることが予想されます。NvidiaのGeForceではすでにGDDR6Xというメモリタイプが導入されていた気がしますが、Radeonではそこまではサポートされないのでしょうか。
RX 7000シリーズの性能
続いて現在噂されている性能について紹介していきます。
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以上のようにグラフにしてまとめてみました。Ada LovelaceがRDNA 3と競合するであろうNvidiaの次世代GPUアーキテクチャで、Hopperがその次のNvidiaのアーキテクチャです。そしてAmpereがNvidiaの現行のアーキテクチャです。RDNA 2はAMDの現行のアーキテクチャで、RDNA 3が今回の主役です。とりあえず2022年に登場しうる両社のGPUシリーズについては、このグラフだとAMDのRDNA 3のほうが優秀であるということがわかります。
ですが2023年ごろに早くも導入されるかもしれないといわれているHopperアーキテクチャのほうがずば抜けて性能が良いですね。これはHopperがAmpereの3倍になるという情報から設定された値になりますが…
となると、Hopperがどのタイミングで登場するかが重要になってきますが、とりあえずのところはRDNA 3のほうが優位に立てそうです。
RX 7000シリーズの登場時期
冒頭でも述べたように、RX 7000シリーズGPUは2022年の後半ごろに登場するといわれています。
RDNA 3やNavi 3xについての過去の記事はこちらをご覧ください。