Lenovoは今パソコン業界で最も大規模といえるでしょう。そんなLenovoのノートパソコンブランド「ThinkPad」ですが、2020年に世界初の「画面だけのノートパソコン」がThinkPadシリーズで発売されると発表されました。 画面だけのというのは、画面しかない本体を折り曲げることで普通にノートパソコンとして使えるということです。
ThinkPadというと、そこまでコンパクトなイメージではなく、どちらかというと「The ノートパソコン」といったがっしりとした本体が特徴だったイメージですが、急にタブレットのようなモデルが登場するとのことです。この記事では、そんな新しい「ThinkPad X1 Fold」について解説していきます。
この記事を1文で説明
- Lenovoから、ThinkPad X1 Foldはタブレットモードとノートパソコンモードを使い分けることでかなり便利なノートパソコンになりそうであるが、高い。
ThinkPad X1シリーズの新モデル「画面だけのノートPC」の仕様
まずは仕様を紹介していきましょう。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1905/14/news079.htmlより
ThinkPad X1 Fold | |
---|---|
CPU | Intel Lakefield |
メインメモリ | 8GB LPDDR4 |
GPU | CPUに内蔵 |
OS | Windows (のちにWindows 10Xをサポート) |
ディスプレイ | 13.3インチ , 4:3 , 2K(2048×1536) , 有機EL ※折り畳み時は9.6インチ , 3:2 , およそフルHD解像度 |
USB Type-C | 2基 |
ペンとタッチ | ワコムのペンに対応、タッチも対応 |
発売 | 2020年半ば |
これくらいしかわかっていない現状ですが、この情報だけでも従来のノートパソコンとは全く違うものであることがわかるでしょう。一つひとつ解説していきます。
1.CPU
従来のThinkPadはAMDのRyzen CPUが搭載されたものもありましたが、ThinkPad X1 FoldシリーズにはIntelの「Lakefield」CPUが搭載されます。Lakefieldについてはこちらの記事をご覧ください。
Surface NeoやGalaxy Book Sに搭載される「Lakefield」CPUってなんなの?【徹底解説】
簡単に言えば、低電力のコアと高性能のコアを組み合わせることによってより効率的なパフォーマンスを実現したCPUです。
2.メインメモリ
広げればタブレットのように見えますが、あくまでもノートパソコンとして使うことが想定されています。そのため、メインメモリはタブレットとして考えると多めとなる「8GB」です。ちょうど良いといえるでしょう。
3.GPU
グラフィック処理プロセッサについては、CPUに内蔵されているものがそのまま使われます。CPU内蔵グラフィックスというとあまり性能が良くないイメージですが、Lakefieldに組み込まれるグラフィックスは第十世代「Ice Lake」プロセッサでも使われているもので、とても進化しています。非常に低電力なLakefieldですが、グラフィック性能はそこそこ期待できるでしょう。
4.OS
ノートパソコンとして利用するときは通常のWindows 10 OSでは少し使いづらくなると思います。そのため、何かしら修正されたWindows 10 OSが採用されるでしょう。 先日Microsoftが発表した「Surface Neo」は同じように上下に画面がついている小型のノートパソコンで、Windows 10XというOSが搭載されます。Windows 10Xは二画面タイプのノートパソコンに最適化されたWindows 10で、2020年中に登場します。
なお、現時点ではまだ登場していないので、発売当初はWindows 10が使われます。
5.ディスプレイ
ディスプレイについては、広げた状態で13.3インチとなっているので、ノートパソコンとしては小型です。

上の写真のように、画面だけとして利用して、Bluetooth接続タイプのキーボードを使うことで小型の一体型パソコンのように使うこともできます。
それでも画面サイズは13.3インチなのでやや小型です。
そして折りたたむと画面サイズは9.6インチになり、iPadくらいのサイズになります。キーボードを使う場合、下画面のほとんどはキーボードで占領される形になるでしょう。 解像度としては広げて1画面にした時に2Kとなっています。なのでフルHDの動画はもちろん、もっと解像度の高い動画を鑑賞することも可能です。折りたたんだ状態でも、上の画面だけでフルHDくらいの解像度はあるので、画面サイズは小さいものの、そこそこ細かい作業はできそうです。
6.外部接続端子
報告では、外部接続端子としては2基のUSB Type-C端子しかないとのことです。
恐らくこのUSB Type-C端子はThunderbolt , それからDP(画面出力)をサポートするユニバーサルな端子になると思われますので、USB Type-Cのハブを活用することで端子の少なさは克服できそうです。
関連記事:本当に優れていると思うUSB Type-Cハブ3選【2019年】
7.ペンとタッチ
指でのタッチ操作はもちろんのこと、ワコムのペンによる操作もサポートするようです。メモを書くとき等に便利になってくるでしょう。
8.発売時期、価格
2020年半ばに発売されるということは決定しているようです。
また、価格については日本円でおよそ27万円程度になるとのことです。便利なパソコンだとは思いますが、さすがに高いですよね…
デモ動画
上のデモ動画をご覧ください。
この動画に登場しているデモのモデルでは通常のWindows 10を使っているように見えます。通常のWindows 10にもタブレットに最適化されたモードがあるので、それを駆使すればこのThinkPadも使いこなすことができるのでしょう。
有機ELディスプレイの発色の美しさや上画面と下画面が直接つながっている辺りが非常に魅力的で、斬新です。
厚みについても、閉じた状態で親指の幅くらいになっていますね。従来のノートパソコンよりはだいぶ薄いでしょう。
最近折りたためるスマートフォン等が流行ってきていますが、ついにノートパソコンにも登場するんですね。自分は折りたためる系のデバイスを使ったことが無いので何とも言えませんが、あらゆる企業が注目している機能ですので、きっと便利なのでしょう。
もしかしたら10年後にはノートパソコン自体存在していないかもしれませんね。