Intel XeグラフィックスGPU「DG2」の情報【RTX 3080を超える?】

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グラフィックボード市場はNvidiaとAMDによって寡占されているといっても過言ではありません。Intelもグラフィック処理ユニットの製造を行っていますが、それはCPUに内蔵されるグラフィックスのみです。しかしこの度、Intelもグラフィックボード市場に参戦することになります。

Intelが最初に市場に投入するのは第12世代「Xe」アーキテクチャを用いた「DG1」グラフィックカード。DG1は非常に低消費電力になり、そこまで高性能にはなりません

しかしIntelは「DG2」という形で、NvidiaのRTX 3000シリーズを凌駕するであろう性能を保有するグラフィックカードを投入すると言われています。

この記事ではDG2の情報を紹介します。なお、まだ正式には発表されておらず、噂情報をかき集めたものになりますのでご注意ください。

 

 

この記事を1文で説明すると

  • DG2はDG1と違って、より高性能なラインナップが存在するXeアーキテクチャGPUモデルだと考えられ、その性能はNvidiaのRTX 3000シリーズをも凌駕するかもしれないと予想される

DG1とDG2の違い

Intelが一番最初にグラフィックボード市場(デスクトップパソコン向け)に投入するのが「DG1」グラフィックスです。

DG1グラフィックスは75W以下の低消費電力モデルとなり、その性能もNvidiaの一頃のローエンドGPU「GTX 1050 Ti」程度になると言われています。

そういうわけでノートパソコンに内蔵されたり、ライトゲーミングに用いられることが想定されます。

 

しかし対してDG2グラフィックスは、この後詳しい情報を紹介しますがDG1よりも圧倒的に多いコア数を保有し、その消費電力も圧倒的に高くなると考えられています。

また、DG1グラフィックスのラインナップはあまり幅が広いものではありませんが、DG2についてはミドルレンジからハイエンドのものまで豊富なバリエーションが存在するかもしれません。

なぜDG2がより高性能なのかはわかりませんが、おそらくDG1を登場させ、グラフィックボード市場を観察してから大本命?であるDG2を登場させるのでしょう。DG1はどうかわかりませんが、少なくともDG2を市場に投入したらNvidiaやAMDとの激しい戦いを繰り広げるでしょう。

 

 

DG2の特徴

それではDG2の特徴を紹介していきます。

 

1.アーキテクチャ

基本的なアーキテクチャについてはDG1グラフィックスと同じくIntel第12世代「Xe」です。 Xeという特別な名前がついていますが、現行のモバイル向けIce Lakeプロセッサに「第11世代グラフィックス」が搭載されているわけですから、このXeアーキテクチャも第12世代グラフィックスとして次の世代のモバイル向けプロセッサに内蔵される予定です。

そしてこのモバイル向けプロセッサというのが「Tiger Lake」になります。Ice Lake系列ですのでプロセスは引き継いで10nmとなります。なお、より洗練された10nm +が使われます。

 

 

2.コア数

スライス数 1 2 3 4 5 6 7 8
コア数 768 1024 1536 2048 2560 3072 3584 4096
コード名 iDG1LPDEV iDG2HP128   iDG2HP256       iDG2HP512

 

そしてコア数については興味深い話が出ています。こちらの表にはDG1も載っているのですが、コード名とコア数が載っています。もちろんこれも噂程度の話になりますが、どうやらDG2グラフィックスでは最高で4096コア搭載されるようです。

スライス数というのは、簡単に説明すると処理ユニットをまとめた大きなブロックの数です。各モデルにおいて1スライス当たりのユニット数が変わるようです。

そしてコード名の最後に付属している三桁の数字がEU(Engine Unit)数を表していると考えられます。

DG1については96EUが搭載され、DG2については128EUから512EUが搭載されるようです。

ちなみにグラフィックスアーキテクチャは異なりますが、第10世代Ice Lakeプロセッサの「Corei7-1065G7」については64個のEUが搭載されています。

 

 

 

DG2の性能とは

正式に発表されていないわけで、もちろんDG2の詳しい性能についても説明されていません。

ですが、単純計算でEUの数とグラフィック処理性能は比例の関係にあります

消費電力やメモリ等の様々な環境によって異なってきますが、例えばAMDのRadeon RX Vegaアーキテクチャについては、CUというまとまりの数とその性能がおおよそ比例している関係にあることがわかっています。

グラフィック CU数 性能目安 CU数倍率 性能倍率
RX Vega 11 11 2200 5.81 5.59
RX Vega 64 64 12300

実際はこんなに単純ではありませんが、おおよそCUの個数と性能が比例しているのがわかります。ちなみに値はPassmarkを参考にしています。

 

IntelとAMD Radeonのアーキテクチャが全く違うので何とも言えないところですが、これをIntelのグラフィックスにも応用してみると

 

グラフィック EU数 性能目安
Gen11 64EU(Corei7-1065G7) 64 2,300
Gen12 64EU(Corei7-1165G7?) 64 3,220
Gen12 96EU(DG1) 96 4,800
Gen12 512EU(DG2 max) 512 (4096コア) 23,000
     
Nvidia RTX 2080 Ti –(4352コア) 16,700
AMD Radeon VII –(3840コア) 14,320
Nvidia RTX 3080 –(3480コア?) 20,000?

※ほぼ私の単純計算による予想値です。 Passmark値参考

 

変化の割合を多少考慮していますが、ほとんどは単純計算による算出です。

Gen11グラフィックスからGen12への進化については、目安として1.4をかけました。ただ、状況によってはほぼ倍の性能を発揮するとも謳われています。

そしてDG2の最高モデルは20,000を超えているのがわかります。通常12,000程度を超えれば最新の重いゲームでもWQHD解像度で快適にプレイすることができるくらいの目安になっていますので、20,000もあれば4K,6K映像の処理も余裕をもって行うことができるでしょう。

一体どれくらいの消費電力になるかはわかりませんが、価格といい電力といい、NvidiaやAMDに対抗できるように設定されるに違いありません。

 

 

 

いつ登場するのか?

Intel関係者の人が「THINKXE」という文字の上に「2020年6月」という文字が刻まれているナンバープレートの写真を意味ありげにツイートして少し話題になりました。

もちろんこの6月が何を意味しているのかは教えてくれませんでしたが、教えてくれないということはきっと何かがあるのでしょう。

そしておそらく、2020年6月2日から開催される「Computex 2020」において、あるいはその付近で発表されると考えられます。主にDG1から発表すると考えられていますが、もしかするとほぼ同時にDG2の情報も発表されるかもしれません。

 

参考記事:https://www.techspot.com/article/1975-intel-xe-preview-v2/


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