AMDから第3世代Ryzen CPUが発表されたのは去年の夏の事です。7nmプロセスを採用したZen2アーキテクチャに基づいて、非常に高いパフォーマンスを発揮しました。 ただ、そんな第3世代Ryzen CPUも最近登場したIntelの第10世代CPUに劣っている面があります。
以下の記事ではRyzen 5-3600XとCore i5-10600Kを徹底比較しました。
【徹底比較】Core i5-10600K vs Ryzen 5-3600X【ミドルレンジ対決】
しかしAMDからそろそろ、Intel第10世代CPUを太刀打ちすることができるCPUが登場するかもしれないと言われています。それは次世代のRyzenシリーズというわけではなく、第3世代Ryzenの「XTシリーズ」です。
この記事ではそんな第3世代Ryzen XTシリーズの噂情報を紹介します。
この記事を2文で説明すると
- 第3世代Ryzen-XTシリーズでは従来のX付モデルよりも動作周波数が向上し、オーバークロック性能が改善されると考えられる
- 6月に発表され、7月に解禁される模様
第3世代Ryzen XT
XTシリーズと言えばAMDのRadeonグラフィックスの「RX 5700 XT」などが想像されます。これは単純に無印モデルよりも高性能なモデルという意味です。
Ryzen CPUにも無印モデルとX付モデルが存在しましたが、これらで主に違うのはオーバークロックに特化しているかどうかです。では今回噂されているRyzen XTシリーズとはどのような特徴があるのでしょうか。ちなみにこの第3世代Ryzen XTシリーズは「Matisse Refresh」と呼ばれ、アーキテクチャが変更されるほどの進化ではないことを示しています。
クロック数が高い
現在噂されている情報によると、XTシリーズはXモデルをベースに、動作周波数が引き上げられているとのこと。特にそれ以外の違いは見当たらず、正直今更登場する意味があるかどうか疑問にも思います。
ラインナップ
続いては現在噂されている第3世代Ryzen-XTシリーズのラインナップについて紹介します。
モデル | コア/スレッド | ベース/ターボクロック |
---|---|---|
Ryzen 5-3600X | 6/12 | 3.8 / 4.4 |
Ryzen 5-3600XT | 6/12 | 4.0 / 4.7 |
Ryzen 7-3800X | 8/16 | 3.9 / 4.5 |
Ryzen 7-3800XT | 8/16 | 4.2 / 4.7 |
Ryzen 9-3900X | 12/24 | 3.8 / 4.6 |
Ryzen 9-3900XT | 12/24 | 4.1 / 4.8 |
上の情報はあくまでも現時点で噂されているものになります。通常のXシリーズは既存のものです。
見たところ、コア数は変わらずベース・ターボクロックがともに上昇しています。各シリーズの上位モデルにXTモデルが追加される形になりますが、Ryzen 9についてはRyzen 9-3950XTは存在しないようです。
こうして見てみるとただクロック数が上がっているだけのように思えますが、情報によるとオーバークロック性能が向上するとのことです。既存の第3世代Ryzen CPUはXモデルであってもオーバークロックがまともにできないことがしばしばありますが、このXTモデルではその辺の問題が修正されるのではないかとのことです。というか修正されないと上の動作周波数を安定して実現することはできないと考えられます。
第3世代Ryzen CPUのオーバークロック性能があまり高くないことは以下の記事でも触れてきました。
【徹底比較】Core i5-10600K vs Ryzen 5-3600X【ミドルレンジ対決】
そしてXTシリーズにて上の数値通りの動作周波数を発揮することができるならばその性能は最大で10%程度向上するだろうと言われています。
発売日
続いて発売日についてですが、噂では2020年の6月16日に発表され、7月7日に解禁されるとのことです。7月7日といったらちょうど第3世代Ryzen CPUが登場した日になりますね。 価格についてはあまり言及されていませんが、ベースとなるモデルが登場したのは1年も前の事ですので同価格かあるいは少し安いかくらいの値段になるでしょう。
そして同時期に第3世代Ryzen APU(デスクトップ向け)も登場すると言われています。