AMDから第三世代Ryzen APU(Ryzen 4000)シリーズが発表されたのはもう結構前の事でしょうか。 既に次世代のアーキテクチャ「Zen3」を用いたCPUと、そのアーキテクチャを採用したAPUの噂情報が出回っています。
今回はそのうちの、第四世代Ryzen APU(Ryzen 5000)シリーズの噂情報をまとめていきます。
この記事を1文で説明すると
- Ryzen 5000 APUではZen3アーキテクチャが採用され、内蔵グラフィックスについてはRDNA2世代のNaviグラフィックスが搭載されると期待されている
Ryzen APUとは?
先ほどからCPUとAPUという単語が出ていますが、そもそもAPUとは何者なのでしょうか?
要はAPUというのはCPUに加えて、グラフィック処理を行うGPUまでもプロセッサに統合することで万能なCPUにしようという考えですね。 Intel製のCPUは大体内蔵グラフィックスが統合されていますので、そういう意味ではAPUとみなすこともできます(APUはAMDオリジナルの言い方ですが)
ただ、AMD製のAPUの方が「Accelereated」が付いているだけに内蔵グラフィックス性能が良い傾向にあります。そのためAMDのAPUでは最新のゲームでも比較的軽いものならグラフィックボードを外付けすることなく案外快適にプレイできるなんてこともあったりします。
そしてこのRyzen APUには「デスクトップ向け」と「モバイル向け」の二種類があります。今回紹介するのは新しい第四世代APUのデスクトップ向けになります。
Ryzen 5000 APUの特徴
まだ出回っている噂が少ないですので箇条書き形式でその特徴について紹介していきます。
コードネームは「Cezanne」
コードネームについては「Cezanne」になるそうです。フランスの画家の名前ですね。Ryzen 4000 APUでは「Renior」となっていて、こちらについてもフランスの画家の名前です。 絵とか詳しくないんでよくわからないですが、なんか深い意味があるのかもしれませんね。
Zen3アーキテクチャ採用
CPUと比べると型番が1000高くなっているのでややこしいですが、Ryzen 5000 APUはRyzen 4000 CPUのアーキテクチャを用いります。Ryzen 4000 CPUのアーキテクチャ「Zen3」については以下の記事をご覧ください。
このアーキテクチャの主な特徴としては、第三世代Ryzen(Ryzen 3000 CPU)の時の「Zen2」アーキテクチャで採用された7nmプロセスを改良し、7nm +を採用することですね。+が付いて世代を重ねただけですのでそこまで進化が見られないかと思いきや、アーキテクチャ全体を刷新するとのことですので生まれ変わった性能が期待されています。
内蔵グラフィックス
そしてAPUの見どころと言ったらやはり内蔵グラフィックスです。Ryzen 4000 APUにはより進化したVegaアーキテクチャのものが搭載されましたが、VegaはVegaですのでそこそこ古いものになりました。 そしてついにRyzen 5000 APUではGCN世代から抜け、RDNA世代に入って「Naviアーキテクチャ」ベースのGPUが内蔵されるとのことです。
具体的にはRDNAの後継「RDNA2」世代のアーキテクチャですね。RDNA2といったらBig Naviでしょう。このアーキテクチャからは次のウルトラハイエンドGPUも誕生すると言われています。 Naviシリーズでは電力効率がより高くなり、同じコア数でもより高い性能が発揮できることが期待されています。また、もしかするとハードウェア単位でのレイトレーシングもサポートするかもしれませんね。
IntelもIntelで「Xe」グラフィックスなど、進化した内蔵グラフィックスを開発しているわけなのでどちらが優秀になるかはわかりませんが、少なくともCPU内蔵グラフィックスが発達していくのは間違いありませんね。 もしかするとNvidiaのGeForce Nowなどのクラウド型サービスも流行りつつある中ですから、将来的には外付けのグラフィックボードがあまり流行らなくなるかもしれません。
なお、最新の噂情報によると、Cezanne APUではまたしてもVega GPUが採用されるかもしれないと言われていたりします。そうなると、採用されるのは7nmプロセスに基づいた、Vega 20アーキテクチャのものになるでしょう。
ラインナップ
ラインナップについてはあまり言及されていませんが、内蔵グラフィックスがかなり進化して、もはや割と重めのゲームでも内蔵グラフィックスで間に合うなんて状況になるかもしれませんので、もしかするとRyzen 9シリーズなどのハイエンドシリーズも登場するかもしれません。
恐らく従来のグラフィック性能ではRyzen 9シリーズCPUに見合った性能は保有していませんでしたが、より進化してRyzen 9シリーズAPUなんてものができるかもしれないということですね。