IntelのCPUの型番を見ればどのようなCPUなのかが一目でわかりますが、意外とその読み方は知られていません。 そこでこの記事ではIntel CPU 型番の読み方を伝授していきます。
目次:
デスクトップ向けCPU
まず最初に、デスクトップ向けCPUの型番の読み方講座についてです。
①Core2 duo Exxxx / Core2 quad Qxxxx / Core2 extreme QXxxxx
もう十年以上も前のCPUになるので今ではほとんど使われていませんがかつてCore2というCPUが使われていた時代では「E~」とか「Q~」とか「QX~(X~)」という型番が目立ちました。
ただ、このアルファベットに特別な意味はありません。単に、duoであれば「E」が付き、quadであれば「Q」が付くっていうだけの話です。
ちなみにduoとquadの違いは「コアの数」にあります。名のごとくduoでは2コアとなっていますがquadでは4コアとなっています。
②Coreix yyyy(z)
Core2ではなく、Coreiから始まるCPUは「Coreiシリーズ」と呼ばれます。
およそ2010年から現行品までデスクトップ用のメインストリームCPUはこのCoreiシリーズとなっています。 Coreiシリーズの型番構成は見出しの様になっています。それぞれ解説していきましょう。
1.「x」の部分
まず最初は「x」の部分です。xには「3/5/7/9」が入ります。
グレードとしては3→5→7→9の順に高くなっていて、Corei9 が最上位のCPUモデルになります。
ただしこの「x」の数字が高いと必ずしも性能が高くなるわけではないことに注意してください。大切なのはxの後の数字になります。
2.「yyyy」の部分
yyyyの部分には3/4桁の数字が入ります。
第10世代CPUの登場で5桁になるかもしれませんが、とりあえず第9世代CPUまでは4桁で収まっています。
一番最初の数字は「世代」を表します。
例えば Corei5 2400 というCPUの場合は一番最初の数字は「2」ですので、第2世代のCPUであることがわかります。
この「世代」というものは簡単に言えば発売された時代のことを指しているものであり、世代数が高い方が性能が高くなります。
例えば、Corei5 2400 よりもCorei5 9400の方が性能が断然高いです。
CPUのモデルが違っても世代数が高ければ性能が高いという場合もあります。
例えばCorei5 2400 よりも Corei3 8100の方が性能が高いです。ここを見極めるのは難しいです。
yの部分が3桁の場合は「新世代」を表し、第二世代の一つ前の世代ということになります。 全体的にあまり性能が良くないのが特徴です。
そしてyの部分の二文字目はCPUのモデルによっておおよそ決まっています。
Corei3 でしたら二文字目は1~3の数字になることが多く、
Corei5でしたら二文字目は4~5の数字になることが多く、
Corei7でしたら二文字目は6~9などがあり、Corei9では8~9の数字が使われることが多いです。
そのため、各世代に二文字目が変わらないCPUが存在している場合が多く見受けられます。
Corei5 2400があれば、Corei5 9400もありました。
ただ、この二文字目の数字はあまり性能とは関係がありません。
そしてyの部分の三文字目はCPUの細かい型番です。三文字目が変わってもそこまで性能は変わらないですが、クロック数(周波数)が高く設定されています。
例外はあるかもしれませんが、例えばCorei7の4世代の場合
Corei7 4770 3.40GHz
Corei7 4790 3.60GHz
というようにクロックアップされています。ただ基本的な構造は変わらないため、そこまで性能差はありません。
そしてyの部分の四文字目は基本「0」です。(3桁の場合は除きます)
特に意味はありません。
3.zの部分
zの部分には、デスクトップ向けCPUでは何も入らないか、もしくは「K,S,T,X,F,C,P,R」のいずれかが付きます。
文字 | 例 | 説明 |
---|---|---|
なし | Core i7-7700 Core i5-6500 | 通常 |
X | Core i7-5960X Core i7-4960X | オーバークロックが可能 Core i7 Extreme Editionの上位モデル ソケットがXeon CPUと共通のものが多い |
K | Core i7-4930K Core i7-4820K | オーバークロックが可能 Corei7 Extreme Edition ソケットがXeon CPUと共通のものが多い |
K | Corei9-9900K Core i7-8700K Core i5-6500K Core i7-4790K | オーバークロックが可能 通常のものよりも動作周波数が高く、オーバークロックしなくても比較的性能が高い、選別モデル。 |
F | Core i3-9100F Core i5-9400F | 内臓グラフィックス非搭載モデル 通常のものに比べて比較的安い |
C | Core i7-5775C | オーバークロックが可能 第五世代CPUのみ |
S | Core i7-4770S | 省電力版CPU。動作周波数が通常より低い TDP65W程度 |
T | Core i7-4770T | 超省電力版CPU TDP35W程度 |
P | Core i5-2450P Core i5-2380P | 内臓グラフィックス非搭載モデル |
R | Core i7-5775R Core i7-4770R | 一部会社の小型PCに搭載されている |
ただ省電力モデル、K付きモデル等については、普通に使用している分には通常のものにあまり変わりない感じがします。
③Celeron Gxxxx(T) / Pentium Gxxxx(T)
※この節では2010年以降のCeleron,PentiumCPUについて説明します。
この時代のCeleron / PentiumはCoreiシリーズと互換性があり、同じソケットに対応しています。
しかし性能としては
Celeron < Pentium < Corei
となっており、この二つのCPUは廉価モデルとして登場しています。
Coreiシリーズ世代 | Celeron | Pentium |
---|---|---|
1世代(Nehalem) | なし | G69xx |
2世代(SandyBridge) | G4xx / G5xx | G620~G870 |
3世代(IvyBridge) | G16xx | G2xxx |
4世代(Haswell) | G18xx | G3xxx |
5世代(Broadwell) | なし | なし |
6世代(Skylake) | G3900~G3920 | G4400~G4520 |
7世代(Kabylake) | G3930~G3950 | G4560~G4620 |
8世代(Coffeelake) | G4900~G4920 | G5500~G5600 |
9世代(Coffeelake-Refresh) | なし | G5420 / G5600T / G5620 |
難しいですがおおよそこのようなナンバリングになっています。また、CeleronやPentiumにも「T」付きモデルが存在し、TDPが35W程度に抑えられています。
続いてはモバイル向けCPUです。