自作パソコンを作っている人ならわかると思いますが、パソコンには「CPU」というパーツが搭載されています。CPUがパソコン全体の処理を行うわけですから、当然多くの電力を必要とし、その分発熱します。
そこでCPU温度をしっかりと監視しないとパソコン全体のパフォーマンスを下げてしまったり、パーツを破壊してしまうことにつながりかねません。
この記事では、特に自作パソコンに必須な「CPU温度の監視の方法」について紹介していきます。
この記事を2文で説明すると
- CPUの過熱はパフォーマンス低下や寿命縮小につながる可能性が高い
- 「Core Temp」というソフトを使えば簡単にCPU温度を監視することができる
なぜCPU温度の監視が必要なのか?
CPU温度の監視を行うソフトはいくつかありますが、そもそもなぜCPU温度の監視を行う必要があるのでしょうか?
冒頭でも説明したように、CPUはパソコン全体の処理を行う装置ですので多量の電力を必要とします。すなわち、その分高く発熱するとも言えます。
また、一般的なCPUのパッケージサイズは数センチ四方と、小さくなっているため余計に発熱しやすい構造になっています。そこでCPUを冷やすための「CPUクーラー」という装置がど多くのパソコンで搭載されているわけですが、このCPUクーラーの性能が足りていないとCPU温度が過度に上昇してしまいます。
CPU温度の上昇が招くこと
CPUの温度が上昇してしまうとそれだけパフォーマンスが下がる傾向にあります。これは処理装置全般にいえることですが、基本的には高熱環境での処理性能は下がります。また、ある温度(90度程度)に達すると多くのCPUはクロック数(動作周波数)を自動で下げ始め、過熱を防ぎます。
クロック数が下がるとき、CPUのパフォーマンスは激減してしまいます。そのため、クロック数を常に最大値で維持するためにもCPU温度の管理が大切なのです。
また、CPU温度が過度に高いとCPU自身や周りのパーツにも影響を与える可能性があります。CPUを設置しているマザーボードが傷んでしまったりケースが変形してしまったり… 高熱というのはあらゆるパーツに様々な影響を与えます。
特に自作パソコンで重要なワケ
CPU温度の監視は大切だということを話しましたが、特に「自作パソコン」において大切なってきます。というのも、メーカー製のパソコンであればメーカーがCPUに対する適切なCPUクーラーやその回転数制御等を事前に設計していますので、消費者が気にする必要は何もありません。
ただ、長年の使用により冷却装置との接触部(CPUグリス)が劣化してしまったり、換気口がホコリ等で塞がれてしまっている場合は要注意です。
そして自作パソコンだと、多くの人はCPUクーラーまで自分で選ぶと思います。ただ、CPUによって発熱量は異なってきますので適切なCPUクーラーを選ばないとどんなにうまく設置してもCPUが過熱してしまいます。
しかも、CPUクーラーが適切でないことは、実際に組み立てて使ってもわからない可能性があります。 というのも、先ほど説明したようにCPUは過熱しないように自動でクロック数を下げるなどの対策を行うため、クロック数等を監視しない限りその温度の高さには気づけない場合がほとんどです。
つまり何気なく使っているパソコンでも実はCPU温度が異常な値になってたなんてこともあり得るわけですね。 ということでサクっとできるCPU温度の監視の仕方を説明していきます。
CPU温度を監視する方法
それではCPU温度を監視する方法を紹介していきます。ここでは、ダウンロードし、インストールするだけで監視を行うことができる「ソフトウェア」を紹介します。
温度の監視というと、直接CPUに温度センサを取り付けないと行えないイメージですが、実はどのCPUにももともと温度センサが搭載されています。BIOSの不具合等でうまく確認できない場合はありますが、多くの場合ではソフトウェアをインストールするだけで確認することができるでしょう。
以下のソフトが非常におすすめです。
Core Temp
Core Temp(Core temperature:コア温度)はCPU温度を確認する最も有名なツールです。
導入方法
導入方法としては、まずこのページにアクセスしてください。
そしたら「ダウンロード」をクリックし、任意の場所にインストーラーをダウンロードします。
そしてセットアップを実行します。

最初の言語選択についてはそのまま英語でいきましょう。
そしたら「OK」をクリックし、そのあとの画面で「Next」をクリックします。
次の画面で「I accept the agreement」をクリックし、「Next」をクリックします。

次のこの画面にきますが、ここでは「Create a desktop shortcut」のみチェックして、「Next」をクリックします。

そして無事インストールが終わったら上のような画面が表示されますので、「Launch Core Temp」のみをチェックして「Finish」をクリックします。
これで導入は完了、自動でソフトが起動します。
見方
ただの管理ツールですので、ソフトを起動したら基本的には操作はいりません。見方を習得するのみです。

非常にシンプルです。
①CPUの情報
CPUの型番、ソケット、現在のクロック数やプロセスルール、TDPなどの情報を確認することができます。一般的にTDPの値が高いほど発熱量が多いです。
②サーマルスロットリング発動温度
つまり温度を下げるためにクロックダウン等が自動で行われる機能(サーマルスロットリング)が発動する温度です。
CPUクーラーやそれを取り巻く環境がしっかりと整備されていればこの温度には達しませんので、もしもこの温度に達していたらCPUクーラーを交換する、CPUグリスを塗布しなおすなど何らかの対策を行いましょう。
③CPU温度、使用率
このフィールドではCPUのコア単位で温度、使用率を確認することができます。Min.はソフトを起動してから記録した中で最も低い温度で、Max.は最も高い温度です。
行っている作業にもよりますが、Min.とMax.の値の差があまりに大きいとCPU温度が不安定ということになり、それはそれで問題です。
また、このソフトはデフォルトでタスクバーに温度が表示されるようにもなっています。

明らかに温度らしき数字が並んでいると思います。左からコア#0 , コア#1… となっていて、デフォルトでは1秒に1回程度数値が更新されます。
また、「F3」キーを押せば更に詳しいCPUの情報を知ることができます。

最後に
いかがでしたでしょうか。ほんの1分程度のセットアップを交わすだけでいとも簡単にCPU温度を監視することができるようになりましたね。
あとはゲームプレイ時や安静時等にどれくらいのCPU温度になるのか監視し、状況に合わせて対処を行うのみです。
オーバークロック等を行っている場合は温度が高くなりすぎたらクロック数を落とせばいい話ですが、特にオーバークロック等を行っていないのにもかかわらずCPU温度が異常に高いという人はCPUクーラーから見直す必要があります。
こうならないためにも事前にCPUとの相性を考えてCPUクーラー選びを行うことが非常に大切です。
CPUを含めた他のパーツの温度等もまとめて監視したい方は「HardWare Monitor」もおすすめです。ただ、こちらは少しだけ重たいです。