自作パソコンの廃棄方法を徹底解説

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高性能なパソコンを安く、楽しく組み立てることができる、そんな「自作パソコン」ですが、もう必要なくなって廃棄したくなったらどうすればいいのでしょうか。紙皿のように薄くも軽くもないですし、そう簡単に燃えそうにもありません。もちろん道端に捨てて良いはずなどありません。

自作パソコンには正しい廃棄の方法があります。この記事ではいくつかの方法とその手順について解説していきます。

自作パソコンの罠

そもそもなぜこの記事は「自作パソコン」に絞っているのでしょうか。パソコンと言ったらメーカーが製造している「メーカー製パソコン」等も存在するはずです。

 

メーカー製パソコンの廃棄は簡単

平成15年(2003年)10月以降に販売された家庭向けパソコンには「PCリサイクルマーク」と呼ばれるものが貼り付けてあります。

もちろんすべてのパソコンに貼り付けてあるとは限りませんが、一度お使いのパソコンを確認してみてください。

PCリサイクルマーク(パソコン3R推進協会)

このマークがついている家庭向けパソコンは製造したメーカーが引き取ってくれるため、お金を払わずに廃棄することができます。が、これは家庭向けのメーカー製パソコンの話で、事業所で使っているパソコンについてはこのマークの有無にかかわらず回収料金がかかります。

しかし自作パソコンはもう少し特殊です。加えて、すでにメーカーが倒産してしまったパソコンはメーカー無し扱いされますので、自作パソコンと同様の方法にて廃棄を行います

 

メーカーが存在しない「自作パソコン」

自作パソコンを組み立てるときは様々なパーツが必要になってきます。それぞれのパーツを様々な会社が製造しているわけですが、では完成したパソコンはどのメーカーが製造したのでしょうか。

自分です。法人ではありません。パソコンケースが外観を司るのでケースのメーカーがパソコンメーカーである、というのももちろん間違っています。

また、当然ながら自作パソコンにはPCリサイクルマークが付与されていません。もちろん自分で付けても無駄です。そのため、各自で処理するしかないのです。

 

 

自作パソコンの廃棄方法3つ

自作パソコンの廃棄には大きく分けて3つの方法が存在します。大まかに言うと

 

  • 回収サービスの利用
  • 分解して捨てる
  • 売却

 

それぞれの方法を紹介していきます。

 

 

回収サービスの利用

もう要らなくなった自作パソコンはもはや手のかかる粗大ゴミです。他の一般ごみと同様に近所のクリーンステーションに届けることはできません。そのため本来なら処理するのに面倒な手続きを踏むことになってしまいます。 しかしそんな自作パソコンを引き取ってくれる団体が多数存在します

もちろんパソコンのサイズや重さによりますが、大体数千円程度で引き取ってもらうことができます。 詳しい団体について後程説明しますが、この手法の主な特徴は以下の通りです。

 

  • メリット
    • パソコンの仕様・状態に関係なく引き取ってもらえる
    • 比較的手続きが簡単
  • デメリット
    • お金がかかる場合が多い

 

もちろん団体にもよりますが、この方法の最大のメリットとしてはパソコンの状態に関係なく引き取ってもらえることでしょう。お金を払って引き取ってもらう手法においてはほとんどの場合で、パソコンの状態を問わずに引き取ってもらえます。

ただ、無料で引き取ってくれる団体など一部の団体ではパソコンの状態に条件がかけられていることがあります。

引き取ってくれる相手はプロですので、古いパソコンで分からないことがあっても安心・安全に手続きを完了させることができるでしょう。最もスタンダードな方法になります。

 

分解して捨てる

自分で作ったパソコンなのですから、分解してはいけないというルールはありません。それに、自作パソコンはパーツを組み立てて作った分分解もしやすくなっている傾向にあります

そのため、分解してそれぞれのパーツを取り出して、各自治体で処理してもらうという手があります。この場合は不燃ごみとして扱ってもらえる場合が多く、お金がかかることも少ないです。

具体的な方法については後程解説していきます。

 

 

  • メリット
    • 安価で済む
    • 動作するパーツを取り出すことができる
    • パーツが不十分でも大丈夫
  • デメリット
    • 手がかかる
    • 知識が必要
    • 危ない

 

一見壊れているパソコンでも、中にはまだ動作するパーツが入っているかもしれません。そんな時に分解すればそのパーツを取り出すことができます。そしてそのパーツをこの後紹介する「売る」という方法で処理することができるかもしれません。

ただし、手がかかる上に知識が必要なので怪我してしまう場合もあります。 また、一度分解してしまうとあきらめたとしても「パソコン」として引き取ってもらうのは難しくなるので注意が必要です。

 

売却

一見粗大ごみで処理にお金がかかりそうな自作パソコンですが、場合によっては引き取ってもらえる上にお金までもらえることもあります。

それは「売る」という方法です。多くの中古品店はパソコンやパソコンパーツを引き取ってくれますので、お金に変えるチャンスがあります。

また、最近では個人で取引を行うことができるオンライン上のフリーマーケットなども流行ってきていますので、そちらもおすすめの方法です。

 

 

  • メリット
    • お金がもらえる
    • 環境にやさしい
  • デメリット
    • 手がかかる
    • 知識が必要なことが多い
    • トラブルが発生し得る
    • 動作しないものは基本処理できない

この方法のメリットは何といってもお金がもらえることです。明らかに動作しないものだったらお金に変えるのは難しいですが、基本的には多少たりともお金に変えることができます。 また、売れた場合は「不燃ごみ」にはならないので環境にやさしい方法ともいえるでしょう。再利用です。

ですが、手がかかる上に知識が必要な場合が多いです。また、パソコンの仕様や状態についてしっかりと把握できている必要がある場合が多いです。また、メルカリなどのフリマサービスでは取引トラブルが発生することがあります

そのため、慎重に手続きを行う必要があります。 加えて、動作しない場合は基本処理することができません。中には動作しないものでも価値を見出して購入してくれる人もいますが、基本的にコンピュータ系の中古品において動作しなかったらほぼ価値はありません

ただ、一見動作しないパソコンでも分解してみるとしっかりと動作するパーツが含まれている場合が多いですので、その時は分解して一部のパーツを売却するというのも一つの手です。 なお、その時は更に知識が必要になってくるでしょう。

売却方法についても後程解説します。

 

 

回収サービス利用

まず最初は、回収サービスの利用についてです。一口に回収サービスと言っても色々なサービスが存在しますが、最もスタンダードなのは一般社団法人「パソコン3R推進協会」を利用する方法です。

 

 

パソコン3R推進協会

 

パソコン3R推進協会

「資源の有効な利用の促進に関する法律」に基づき、パソコンおよびパソコン用ディスプレイの3R(リデュース・リユース・リサイクル)を促進している一般社団法人。

パソコンの主要メーカーはほぼ全部と言っていいほどこの教会に加盟していますので、サポート等も大変手厚くなっています。 また、一般社団法人ということで従業員の利益を目指しているわけでもないため、良心的な価格で引き取ってもらうことができます

 

受付品目と料金体勢

 

パソコン3R推進協会 より

受付品目と料金体勢としては以上の通りです。

CRTディスプレイ(ブラウン管)なんて最近は聞きませんが、こんなにも古いものでさえも引き取ってもらうことができます。

しかも、パソコンであればかなり大型のものまで同じ料金で引き取ってもらうことができますので、大型のものも心配いりません。

 

回収手続き

詳しい手続きについては公式ホームページを参照してください。主な流れとしては以下の通りです。

 

パソコン3R推進協会 より

書類の受け渡し等が多くなっているので、一か月程度時間がかかると思ってください。

梱包は個人作業になりますが、集荷を選ぶことで郵便局等が自宅に引き取りに来てくれます。

 

 

パソコン廃棄.com

次におすすめの方法としては、「パソコン廃棄.com」を利用する方法です。

この団体は、条件に合っているパソコンなら無料で回収してくれます。また、回収してもらう際に、パソコンを梱包した箱に要らない腕時計やゲーム機、スマートフォンなどを入れて送ってもすべて回収してくれます

ただし、先ほどのパソコン3R推進協会より条件がたくさんありますのでご注意ください。

 

受付品目と料金体勢

詳しくは公式ホームページにてご確認ください。主な受付品目としては以下の通りです。

 

  • 回収できるもの
    • 動作・故障しているパソコン(HDD無しでもOK)
  • 回収できないもの
    • パーツが足りないパソコン
    • パーツのみ
    • 分解されているパソコン
    • 大型のサーバー
    • CRTディスプレイ

 

動作しているものから、故障しているもの、古いものまで無料で回収してくれます。HDD以外のパーツが欠けていると回収してもらえませんが、HDDは抜き取っても大丈夫なので自分で個人情報を保護することができます

ただ、パーツ確認等を行おうとしてパソコンを分解し、そのままもとに戻せなくなってしまうと回収対象外となりますのでご注意ください。そのため、パソコン関係の知識が必要になってきます。

やたら大型なパソコンや、CRTディスプレイ、破壊したパソコンなどについては先ほど紹介した「パソコン3R推進協会」を利用することをお勧めします。

また、回収料金については無料です。

 

回収手続き

回収手続きは二つあります。

 

  • 直接東京に持ち込む
  • 宅急便による配送

 

持ち込みなら液晶モニターも回収してもらうことができるみたいですが、宅急便を選んだら送料は負担してくれるのでそちらをお勧めします。

手続きは、無料な分非常に簡単になっております。

 

パソコン廃棄.com 手続き

まず梱包しますが、この時に緩衝材は無くてOKです(むしろ詰めてはいけません)

そしてコンビニやドライバーからもらった送り状に、手順に沿って住所等を記入し、あとはコンビニに持ち込んだり集荷に来てもらうなどして宅急便に任せるだけです。 赤矢印が、利用者が行う手続きになります。 そして届いたら送料は着払いです。

詳しくはこちらの公式サイトをご覧ください。

 

 

分解して捨てる

二つ目の方法は「分解して捨てる」になります。回収業者に頼む方法では、ある程度形になっているパソコンでないと回収してもらえなかったりしましたが、分解して捨てる方法では跡形が無いパソコンでも大丈夫です。

自作パソコンは一般的な十字ねじでパーツが固定されていることが多いので、分解自体は容易に行うことができるでしょう。

 

主なパーツと廃棄方法

パソコンによって構成しているパーツは異なってきますが、ある程度共通のパーツがあります。 廃棄方法については自治体のルールに従う他無いですが、主な構成材料から以下のように廃棄することができる場合が多いです。

 

パーツサイズ主な原材料一般的な廃棄部類
CPU小型金属等金属ごみ・不燃ごみ
マザーボード比較的大きい金属等金属ごみ・不燃ごみ
メインメモリ小型金属等金属ごみ・不燃ごみ
拡張ボード
(グラフィックボード等)
比較的大きい金属等金属ごみ・不燃ごみ
ドライブ
(HDD,SSD,DVD等)
比較的大きい金属・プラスティック等金属ごみ・不燃ごみ
ケース大きい金属等粗大ごみ
冷却装置
(CPUクーラー
ケースファン等)
比較的大きい金属・プラスティック等金属ごみ・不燃ごみ・製品プラスチック

 

基本的には金属でできていますので、不燃ごみとして廃棄すれば問題ありません。ただ、ケースのように大型なものになると粗大ごみとしてしか扱われない場合があり、お金がかかってしまうこともありますのでご注意ください。

なお、HDD等の個人情報を保管していた記憶装置については中のデータをより確実に抹消することをお勧めします。先ほど紹介したパソコン回収業者においてはHDDデータの抹消を念入りに行ってくれる場合が多かったですが、分解してパーツ別に捨てる方法では完全に自分が処理しなければなりません

以下の記事を参考にしてください。

HDDのデータを確実に削除する方法【無料&簡単】

また、動作するパーツについては割と良い値で売却できる場合がありますので、是非この後の項目もご覧ください。

 

 

売却

最後は売却する方法です。この方法では主に以下の二通りがあります。

 

  • パソコンごと売却
  • パーツ別に売却

 

動作しないパーツがわかっているのならばパーツ別に売却するのが良いかもしれませんが、パソコン全体がしっかり動作することがわかっているのならパソコン事売却する方が比較的高値で売れます

また、ある程度パソコンの知識が必要になってきます。

 

パソコン工房

パソコン工房はかなりコストパフォーマンスが高いパソコンを多く出品しているパソコン専門店です。 実は売っているだけではなく、買取サービスもしています

 

買取手続き

 

パソコン工房 買取手続き

パソコン工房では、パソコンの性能を査定してから買取価格を決めています。基本的には着払いで配送することができますが、参考買取上限価格が12,000円を満たない場合や、欠品・状態不良等で査定額が大きく減額されてしまった場合等は送料負担となります。(買取価格からの天引きです)

そのため、基本的に動作し、パーツが揃っているパソコンが対象になります。

ただ、パソコン工房曰く、Windows XP搭載などのかなり古いパソコンでもそこそこの値で買い取ってもらえることがあるかもしれないとのことなので、一度査定に出してみるのもアリだと思います。

詳しくはこちらの公式ホームページをご確認ください。

 

 

店頭買取

パソコンは重たくて大きいので梱包・配送の手続きが大変になってきます。そのため、近所にある中古品店に直接出しに行くのが一番手っ取り早いでしょう。

有名どころとしては、「ハードオフ」などがあるかと思います。

こういった店は、基本的に持っていてその場で査定をしてくれるため、スピーディーかつ楽に買取を終わらせることができるでしょう。

なお、パソコン工房などと比べて専門の人が少ないため、そこそこ価値の高いものであってもかなり低値をつけられたりしますのでご注意ください。

 

 

メルカリ

パソコン工房や中古品買取専門店等はスタッフが査定をしてくれますが、メルカリなどのフリーマーケットにおいては自分で価格を決めることができます

もちろんパーツ単位で販売することも可能ですし、壊れているものでも価値を見出してくれる人が居たりします。そのため、パソコン全体の仕様をしっかりと把握できている人であれば、通常の買取サービスよりもはるかに高い値で売ることができる傾向にあります

なお、個人間での取引ということでトラブルもつきものです。

 

手続き

 

メルカリ 手続き

50,000円のパソコンを出品し、売れてからヤマト宅急便に集荷に来てもらう場合は上のような手続きを踏むことになります。

配送は送料込みか着払いにするかを選ぶことができますが、送料込み(出品者負担)にする方が圧倒的に売れやすくなります。おそらく着払いの方が損します。

また、売り上げの10%はメルカリの分になりますので、出品者がもらえるのは90%です。しかし仲介業者が一部の売り上げをもらうというのは先ほど紹介したパソコン買い取り業者についても同じことが言えますので、メルカリだから損しているというわけでもないです。

時には積極的な情報開示&値下げを行っていくことが必要になってきますが、一般的には一か月程度ですべての手続きは完了するでしょう。また、メルカリポイントを指定の銀行口座に振り込んでもらうことも可能です。

 

メルカリでパソコンを出品する詳しい手順については以下の記事をご覧ください。

メルカリでWindowsパソコンを出品する方法
メルカリでパソコンを発送する方法
【そのパソコン売れるかも?】 動かなそうなパソコンをメルカリに出品する方法
メルカリで買われやすいパソコンの特徴
メルカリで出品したパソコンが早く売れるテクニック紹介

 

 

いかがでしたでしょうか。自作パソコンの廃棄には様々な方法があることが分かったと思います。それぞれ自分に合った方法で廃棄を行ってください。







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最近大学でようやく本格的にコンピュータのことを学び始めました

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