RAID 0をWindows10で組む方法&その効果も紹介【簡単】

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SSDがHDDよりも速いことは誰もが知っていると思います。そういうわけでHDDからSSDに乗り換える人が続出しているわけですが、SSDに乗り換えてしまうとどうしても古いHDDが余ってしまいます。実際に私もこの記事SSDに乗り換えた時、HDDが一台余ってしまいました。そのため、それを何とか活用できないかと、HDDを二台使って「RAID0」を組んでみましたので、その方法や効果について紹介していきます。

 

 

この記事を2文で説明すると

  • HDDでRAID 0を組んでもSSDにかなうことはない
  • RAID 0を組むならM.2 SSD(NVMe)がおすすめ

RAID0 とは?

冒頭でRAID0とさらっと言いましたが、そもそもRAID0とは何なのでしょうか。効果はあるものの、同じ容量のHDDが二台必要になってくるということでよっぽどこだわらない限り誰もやりません。そのため、意外と認知度が低かったりします。

 

そしてRAID0についてですが、下の図のようにHDD二台(以上)をRAIDコントローラーに接続します。

 

RAID 0 イメージ

 

この図では「Bable」というデータを保存しようとしているわけですが、RAID0の場合、そのデータが複数のHDDに分散されます

しかも「Bab」と「le」のようにキリが良い感じで分散するのではなく、接合部分がとても複雑になっているパズルのように分散します

なので仮にどちらかのHDDが壊れたとしたら、データの復元は不可能です。例えば上の図で、「Bable」という文字列を知らなかったらHDD 1を見ただけではなんて書いているのか全くわからないですよね。

つまりはHDD 1、HDD 2の二つでセットとなります。 一つのHDDだけですべてのデータを書き込まず、二つのHDDに分散して同時に書き込みを行うことによって、データの書き込み速度が向上します。これがRAID 0の唯一の利点です。

ちなみにRAID 0は「ストライピング(縞?)」とも呼ばれます。

 

そしてRAID 0の残念なポイントですが、先ほど説明したように、片方のHDDが破壊されたらデータの復元が不可能になります。

ここで重要なのは、「どちらが壊れても」ということです。そのためデータを破壊してしまう確率は単純計算で、使っているHDDの台数に比例します。

このことから、他の「RAID 1」等と組み合わせて使われることが多いです。ただ、RAID1と組みあせた「RAID 10」を利用するには最低4台のドライブが必要になってくるので、結局のところ一般用途ではRAID自体使われないというのも事実ですね。

 

 

RAID 0を組んでみる

そしてHDDからSSDに乗り換える方法を紹介した記事で、これまで使っていたHDDが一台余ってしまったのでもともと使っていたHDDとRAID 0を組むことにしました。メーカーは違うのですが、容量はちょうど同じ「250GB」で、どちらもSATA 2(最大3Gbps)接続です。

ここでは専用のRAIDコントローラーを使うのではなく、Windows上でできるお手軽RAID 0を組んでいきます。

 

 

1.ディスクの管理を起動

ウィンドウズキーを押して「ディスクの管理」と検索した出てきたWindows標準のアプリを起動します。

 

ディスクの管理画面 250GB HDDが二台空になっている

 

画像ではあらかじめボリュームが削除されていて、完全に空の状態になっています。

ここでどちらでもいいので右クリックし、「新しいストライプボリューム」をクリックします。ちなみにシンプルボリュームは普通のボリュームで、スパンボリュームは二台以上のHDDを連結して一つの大きなHDDとして認識させる方式です。

ストライプボリュームは「RAID 0」、ミラーボリュームは「RAID 1」です。ミラーボリュームでは文字通り複数のHDDに全く同じデータを書き込むので、片方が破壊されてもデータが消失しないようになっています

 

 

2.フォーマット

それでは普通にHDDをフォーマットするノリでRAID 0を組んでみます。

 

RAID 0構成中

RAID 0を構成するとドライブが「ダイナミック・ボリューム」になりますが、最近のパソコンでは特に影響等はありませんので全く気にする必要はありません。ただ、普通のボリュームよりもカラフルな表示になってなんだか新鮮です。

上の画像では実際にRAID 0を構成しています。クイックフォーマットを使えばすぐに終わったかと思いますが、通常のフォーマットでは1時間くらいかかりました

そしてフォーマットが完了したら後は通常のボリュームのようにパーティションを作成するのみです。

 

 

 

その効果とは?

無事パーティションを作成することができたのでその効果を数値で確かめたいと思います。ここで用いたのはHDDやSSDの速度を測るときに最もよく使われるであろう「Crystal Disk Mark」です。

このソフトは大きなファイルの転送速度からランダムアクセスの性能までくまなく測ってくれるので非常に便利です。

 

1.HDD vs RAID0 HDD

まず最初に検証していくのはRAID 0を組んでいるHDD組んでいないHDDのベンチマークの差です。

ここでは以下の条件を用います。

 

比較項目 HDD HDD (RAID 0)
容量 250GB 500GB(2台分)
接続 SATA 2 (3Gbps) SATA 2 (3Gbps)

 

一応SATA 3接続をサポートしているHDDだったと思うのですが、HDDは実際SATA 2程度の速度しか出ないのでここではあえてSATA 2接続です。

まぁ、あえてもなにもSATA 3端子が無いだけですが…

 

RAID 0 HDD vs HDD

どうでしょうか。わかりやすいくらい速くなっています。

シーケンシャルリード(一番上)では二倍以上の速度になっていて、SATA 2 (300MB/s程度)を有効活用できている感がありますね。

ランダムリード(三番目)においても二倍以上の速度を実現することができていますので、動作が機敏になることが期待されます。

また、書き込み速度も2倍くらい速くなっています。

ただ、実際に使っているとこの数値ほどの速度差は感じられません。

 

 

2.HDD (RAID 0) vs SSD

続いては禁断のHDD vs SSDです。HDDがSSDに勝るわけがありませんが、RAID 0を組んでいるならいけるかも、と淡い期待に胸を膨らませました。

 

比較項目 SSD HDD (RAID 0)
容量 240GB 500GB(2台分)
接続 SATA 2 (3Gbps) SATA 2 (3Gbps)

 

なお、SSDをSATA 3に接続してしまうとあまりにも覚醒してしまうので、ここではHDDと条件を合わせるためにSATA 2接続にしました。

まぁ、SATA 3端子がないだけなんですが… (二回目)

 

 

RAID 0 HDD vs SSD

どうでしょうか。SATA 2接続なのでSSDについてもだいぶ速度が落ちている感じはしますが、結局のところRAID 0のHDDよりも圧倒的に速いですね。

シーケンシャルリードでは割と良い勝負ですが、ランダムリードについてはぼろ負けです。

やはりSSDはディスクを回さない分、非常に機敏にデータの読み書きを行うことができるのでしょう。SSDの方が容量当たりの価格が圧倒的に高いですが、その分HDDには負ける気配すら感じさせませんね。

もちろん体感でも、SSDを使ったときの方が動作が機敏に感じられました。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。結局のところ、たとえ同じSATA 2接続であってもRAID 0を組んだHDDがSSDに勝るということはまずないようですね。

そのため、ドライブを高速にしたい方は素直にSSDに乗り換えるべきです。

なお、すでにOSはSSDにインストールされていて、データ保存用のHDDでRAID 0を組みたいのであればそれはおすすめかもしれません。やはりシーケンシャルリードが高い分、大きなデータの読み書きをよりスムーズに行うことができます

可能なのであればSATA SSDよりもM.2 SSD (PCIe接続)でRAID 0を組んだ方が圧倒的に効果的です。

 

ただ、RAID 0を組んだからといった倍以上の速度を体感できるかといわれたらそうでもないので、あまり期待しないようにしましょう。ぶっちゃけいざ組んでみると、速度よりもデータ破損への心配が募りますね。また、長い時間HDDを回していない時、急に使おうとするとHDDはスピンアップ(回転)を始めます。この時にRAID 0を組んでいるとスピンアップに二倍くらい時間がかかるので鈍臭いです。

 

HDDからSSDに乗り換えたい方はこちらの記事をどうぞ↓

HDDからSSDに乗り換える方法【簡単&爆速】


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