みなさんは自作パソコンを楽しんでいますか。
AMDから第三世代Ryzen CPUのデスクトップ向けが発売され始めたのは2019年の7月のことです。そしてついにRyzen9-3950Xや第三世代Ryzen-threadripperまで揃いました。
そういうわけで、この記事では正しいRyzen CPUの選び方を解説していきます。
目次
Ryzen CPU デスクトップ向けラインナップ一覧
まず適切なRyzen CPUを選ぶにあたって重要になってくるのは、今どんなRyzen CPUが存在しているかを知ることです。
第三世代Ryzen CPU等も登場して、少しややこしくなってきていると思いますので、一度整理してみましょう。
ここでは、筆者がおすすめしたいRyzen CPUのデスクトップ向けラインナップの一覧を載せます。なお、内蔵グラフィックスが搭載されている「G」付きモデルラインナップ(Ryzen APU)も紹介します
型番 | コア数/スレッド数 | 最大クロック | TDP | 市場価格 |
---|---|---|---|---|
第二世代 Ryzen CPU/APU (12nmプロセス) | ||||
Ryzen3-3200G | 4/8 | 4.0GHz | 65W | 約13,000円 |
Ryzen5-2600 | 6/12 | 3.9GHz | 65W | 約16,000円 |
Ryzen5-3400G | 4/8 | 4.2GHz | 65W | 約18,000円 |
第三世代 Ryzen CPU/APU (7nmプロセス) | ||||
Ryzen5-3600 | 6/12 | 4.2GHz | 65W | 約25,000円 |
Ryzen5-4400G | 未発表/未発売 | |||
Ryzen7-3700X | 8/16 | 4.4GHz | 65W | 約42,000円 |
Ryzen9-3900X | 12/24 | 4.6GHz | 105W | 約75,000円 |
Ryzen9-3950X | 16/32 | 4.7GHz | 105W | 未発売 |
Ryzen CPUというのはIntelのCoreシリーズのように、Ryzen3,5,7,9のモデルがあり、3が一番低性能、9が一番高性能となっています。
また、性能は必ずしも最大クロック数に比例するとは限りませんのでご注意ください。
参考記事:「CPUの周波数が高い=性能が高い」は間違えです。
性能の目安としては以下の通りです。
それでは目的別におすすめRyzen CPUを紹介していきます。
なお、あらかじめ言っておきますが、ここで説明していくのはあくまでも目的に応じたRyzen CPUですので、ただ単に「Ryzen7が使ってみたい」などの人はそれぞれ目的を無視して選ぶようにしてください。
目的別おすすめRyzen CPU
軽いゲームプレイ/初心者向け
まず最初は軽いゲームプレイ用途、あるいは自作パソコン初心者向けのRyzen CPUになります。
Ryzen5-3400G
私がおすすめするCPUは「Ryzen5-3400G」のみです。
3400Gは内蔵グラフィックスとして「AMD Radeon RX Vega 11」を搭載しています。VegaアーキテクチャはAMDの高性能グラフィックボード「Radeon RX Vega 64」等にも採用されているアーキテクチャで、非常に高性能なものになります。
Vega 11グラフィックスはVega 64と比べたら性能は低いですが、最新ゲームでも設定を少し落とせばそこそこ快適にプレイすることができます。
グラフィックボードを外付けしなくてもそこそこ高いゲーミング性能を発揮することができるので初心者にもかなりおすすめです。
また、性能比較表でのCPU性能はおよそ1万スコアとなっています。この数値が1万を超えてくると最新のゲームをプレイして性能が足りないということはあまりないでしょう。
※ゲーミング性能は主にグラフィックスの性能に左右されます
最新の重いゲーム向け
続いては、最新の重たいゲームでもサクサクとプレイすることができる、おすすめのCPUになります。
Ryzen5-3600
私がおすすめするのはRyzen5-3600だけです。
Ryzen7-3700Xの方がマルチ処理性能は良いですが、正直ゲーミング性能においてはほとんど変わりません。なのでゲームプレイのためのCPUを探している人はRyzen5-3600が一番良いと思います。
なお、このCPUは内蔵グラフィックスが搭載されていないモデルなので、別途GTX~等のグラフィックボードを取り付ける必要があります。
ゲーミング性能は、グラフィックボードの性能が一番重要ですのでご注意ください。
最新の重いゲーム向けと記載しましたが、実際のところほとんどの人がRyzen5-3600の処理性能で十分だと思います。
動画編集からエンコード、オフィスソフト、ゲーム、映画鑑賞… 何から何までRyzen5-3600の性能で十分だと思います。正直Ryzen7以上はあまり実用性がありません。
オーバークロック用途&さらなるゲーミング性能を求める人向け
続いては少し実用性に欠けてきますが、オーバークロックを楽しみたい人や更に高いゲーミング性能を求める人向けのRyzen CPUです。
Ryzen7-3700X
Ryzen CPUにおける「X」付きモデルは、よりオーバークロック性能が良いコアを積んでいます。
Ryzen5にも「Ryzen5-3600X」などのX付モデルはありますが、本格的にオーバークロックを楽しみたい人にはRyzen7-3700Xが最適です。
より多くの処理を一度に行う「マルチ処理」においてはRyzen5-3600よりも優秀ですが、ゲーミング性能としてはRyzen5-3600に毛が生えた程度となります。
ですがオーバークロックを行ったときのゲーミング性能はそこそこ優秀なものです。なので4K~解像度&144fps~フレーム・レートでのプレイを想定している人には最適のCPUとなるでしょう。
ただし、オーバークロックはかなり上級者向けですし、実際のところあまり実用性は無いのでご注意ください。
完全にマニア向けCPU
続いてはほとんど実用性のない、完全にマニア向けとなるCPUです。業務用として使うなら他のCPUと比べてかなり優秀な性能を発揮するかもしれませんが、一般の人が使う分には体感上他のCPUとあまり変わらない性能です。
Ryzen9-3900X
Ryzen9-3900Xはまさかの12コア24スレッドとなっていて、そのスレッド数を完全に使いこなせる人はあまりいないと思います。
ゲーミング性能としてはRyzen5-3600に毛が生えた程度ですが、より多くのスレッドを使う動画編集等においてはかなり優秀な性能を発揮することでしょう。
優秀すぎてあまり実用的ではないですが…
どうせなら最上位モデルのRyzen9-3950Xや、Ryzen Threadripper 3990X(未発売)や3970X(未発売)を購入するのも一つの手です。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
正しいRyzenの選び方というよりは目的別おすすめRyzen CPUみたいな記事になってしまいましたが、基本的に私がおすすめするRyzen CPUはこの記事で紹介したもののみです。
この記事で紹介したCPUはすべて「AM4ソケット」に取り付けることができ、マザーボードについてはB450などの400番台のものやX570などの500番台のものが対応しています。
※一部のマザーボードでは利用できない可能性もあります。
なお、最後に改めて説明しますが、ゲーミング性能において一番重要なのはCPU性能ではなくてグラフィック処理プロセッサの性能になります。
なのでCPUにはあまりお金をかけずに、グラフィックボードにたくさんのお金をかける方が良いです。