パソコンを操作するにはモニター(画面)が必要になってきます。ノートパソコンなら本体に付属しているのであまり気にしなくてもいいかもしれませんが、デスクトップパソコンの場合はモニターを揃える必要があります。
でもモニターには様々な種類があり、それぞれ特徴が異なれば価格も全く違いますので選ぶのが難しいものです。 そこでこの記事では正しい、パソコン用モニターの選び方について説明していきます。
モニター選びのポイント
まずはモニター選びのポイントについて紹介します。ポイントは大きく分けて以下の四つになります。
- ディスプレイの方式
- 解像度・サイズ・リフレッシュレート
- 映像入力端子
- デザイン
少し専門用語っぽいものも含まれていますが、順を追って丁寧に説明しますのでご安心ください。
それではそれぞれの項目を確認していきます。
ディスプレイの方式
まずはディスプレイの方式についてです。モニターの仕様といったら解像度(1920 x 1080など)で表すのが一般的かもしれませんが、実は解像度の他にもたくさんのポイントがあります。そのうちの一つにこの「ディスプレイの方式」があるわけですが、ディスプレイの方式が異なると鮮やかさや明るさなどが異なってきます。
また、用途に合った方式というものがありますので是非確認しておくべきです。
最近主流になっているのは主に
- 液晶ディスプレイ
- VA方式
- TN方式
- IPS方式
- 有機ELディスプレイ
以上の4つとなっていて、それぞれの仕組みや特徴については以下の記事で説明しています。
TN・IPS・VA・有機EL方式ディスプレイの違いを解説【図解】
VAディスプレイや有機ELディスプレイは比較的少ない方で、一般的にはIPS液晶とTN液晶のディスプレイが市場に出回っています。
また、正直有機ELディスプレイをパソコン用に使うのは高すぎますし、ラインナップもあまり揃っていないので基本的にはIPSかTNか、どちらかを選ぶ形の方が良いかと思います。
そしてそれぞれの特徴とおすすめの用途としては以下の通りです。
IPS方式
- 特徴:視野角が非常に広く、全体的に良い色合いに見える
- おすすめの用途:動画鑑賞・Web閲覧・動画編集
[dic term=”視野角”]
IPS液晶は現在最も人気のあるディスプレイです。視野角が非常に広く、全体的に良い色合いに見えます。真の黒を出すのはあまり得意ではないのですが、視野角が広いおかげでそこまで気にならないです。
一方でコストが高いというのが主なデメリットになっていましたが、最近では安いものも増えてきて、この後紹介するTNモニターと同じような値段で販売されるようになりました。
TN方式
- 特徴:応答速度が速く、残像が少ない
- おすすめの用途:ゲーミング
[dic term=”ディスプレイの応答速度”]
TN方式の主な特徴は応答速度が速いことです。応答速度が速いと残像が残りにくいですので、ゲーミング用途に向いています。しかし速いといっても最近ではかなりこだわっている人でないとIPS方式等との差が体感できないくらいになっています。
また、比較的低コストなのもメリットですが、最近ではIPS方式のものとほぼ同じ値段で売られている印象です。
ディスプレイ方式の詳しい説明についてはこちらの記事をご覧下さい。
TN・IPS・VA・有機EL方式ディスプレイの違いを解説【図解】
解像度・サイズ・リフレッシュレート
続いては解像度・サイズ・リフレッシュレートについてです。
この三大要素が最もわかりやすいモニターの仕様になります。
解像度
[dic term=”解像度”]
解像度はドットの密度を表すこともありますが、パソコンのモニター界では基本的にドットの数を表します。

例えばフルHD(1920 x 1080)のモニターだと、縦に1080個のドットがあり、横に1920個のドットがあるということになります。このドット数が多いほどより繊細に画像等を表すことができるので作業もしやすくなるでしょう。

極端な話、上の画像だと解像度の違いでいかに見やすさが変わるかがわかるでしょう。右の「あ」は左の「あ」よりも横縦それぞれの方向に5倍程度解像度が高くなっています。
サイズ
しかし解像度がそこそこ高いからといって必ずしも上のようにぼやけて見えなくなるとは限りません。
解像度が高い、つまり全体としてドットの数が多くたとしても、画面のサイズが大きければ1ドット当たりの大きさは大きくなってしまいます。すると結果として粗く見えてしまうのです。
そこでサイズ・解像度を合わせて「ドット密度」についても考えるべきです。
ドット密度は1インチ(2.5cm程度)の長さにどれくらいドットが詰まっているかを表す値で、例えば以下のようになります。

このように、同じフルHD(1920 x 1080)でもディスプレイのサイズによってドットの密度が変わっているのがわかります。左の方は今私が使っているモニターで、1インチの長さにおよそ100個程度ドットが詰まっています。
ディスプレイまでの距離や作業の種類にも寄りますが、おおむねこのドット密度が100 ppi以上あるのが好ましいです。 そしてこの値が200 ppi程度を超えると「Retinaディスプレイ」と呼ばれたりもします。Appleの製品についているディスプレイのほとんどはRetinaディスプレイです。
解像度: ×
サイズ: インチ
計算機を作ってみたので是非確認してみてください。
この計算機で計算すればわかるのですが、ある程度大きなディスプレイを求めている人はそれなりに解像度が高いものを選んだ方が良いということになります。でも逆に、小さいディスプレイでいいのならばあまり解像度が高くなくても大丈夫そうです(ただ、解像度が低すぎると作業性が悪くなります)
リフレッシュレート
[dic term=”リフレッシュレート”]
続いてリフレッシュレートについてですが、ゲームなどをプレイしない人は基本的に「60Hz」でいいと思います。というのも、ほとんどのメディアが60Hzまでしか対応していないためです。 Youtube動画も60fpsとなっているので、60Hzモニターで見るのが一番良いです。
ただ、多くのパソコンゲームでは60fps以上、例えば144fpsをサポートしていたりしますので、ゲームを快適に行いたいと思っている人のみ高リフレッシュレートモニターを購入するべきです。
ちなみに、基本的に高リフレッシュレートの方が、表示するのにパソコンに高い性能が求められます。そのため、不必要に高リフレッシュレートモニターを購入するのは避けておくべきです。
映像入力端子
続いては映像入力端子についてです。映像入力端子とは、パソコンからの映像信号を受け取るための端子になります。
主に使われているものとして「HDMI」と「DP」それから「USB Type-C」があります。 この三者の違いについては以下の記事で説明しました。
HDMI・DP・USB Type-Cの違いを解説【映像端子】
また、これらに加えて「DVI」と呼ばれる端子もまだ使われています。HDMI端子やDP端子等では映像と同時に音声情報まで送れますが、DVI端子では音声を出力することができません。これが主な違いになります。

基本的にはパソコン側についている端子と同じものが搭載されているモニターを選びましょう。 パソコン側にHDMI端子があるなら、モニター側にもHDMI端子があると接続がしやすくなります。
ただ、最近のモニターには複数の端子が搭載されている場合が多いので、あまり気にする必要もないかもしれません。
また、万が一端子が合わない時でも多くの場合は変換ケーブルを使うことができますので大丈夫です。
Amazon
Rakuten
この商品なんかはDisplay PortからHDMIに変換してくれる優れものです。
デザイン
同じ解像度・同じサイズ・同じリフレッシュレートのモニターでも様々なメーカーが製造していて、様々なデザインが存在します。
基本的な外観は完全に好みの問題になってきますが、とりわけ気にすることとして以下の二つがあるでしょう。
- VESAマウントをサポートしているか
- 光沢/非光沢
①VESAマウントをサポートしているか
[dic term=”VESAマウント”]
つまり、モニターを壁にかけたかったり、モニターアームに取り付けたいと考えている人は、VESA規格に対応しているかを確認する必要があります。
例えば私が今使っているモニターはVESAマウントによってモニターアームに取り付けています。

このように背面にVESAマウントのネジ穴が無いとモニターアーム等に取り付けることができません。最近ではVESAマウントに対応していないモニターも多いのでご注意ください。
②光沢/非光沢
表面に自分の顔が反射するようなディスプレイを「光沢ディスプレイ」といい、反射しないものを「非光沢ディスプレイ」と言います。

私の持っているiMacとBenQのモニターを比べるとこのような感じになります。iMacの方は光沢なので後ろの光が映りこんでしまっていますが、その分全体的にキリっとしています。
BenQの方は非光沢で、後ろの光は映り込みにくくなっていますが、ちょっとだけぼやっとした印象です。
どっちもどっちで良いところがあるので、状況次第でどちらが良いのかは変わると思います。 ただ、販売されているほとんどのモニターが非光沢仕様です。
以上でパソコン用モニターの選び方講座は終わりです。