正しいパソコン用HDDの選び方講座【2021年最新】

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たくさんの写真や動画などをパソコンに保存したいと考えている人は多いと思います。そこで必要になってくるのは「ストレージ」です。

ストレージには大きく分けてHDDとSSDの二種類がありますが、大きなデータを保存するならHDDの方が圧倒的に効率的です。そのため、HDDも用途によってはまだまだ活躍できる場面があります

そこでこの記事では正しいHDDの選び方について解説していきます。

 

 

HDDが活躍する場面

冒頭でも説明しましたが、写真などのデータを保存するストレージには大きく分けてHDDSSDの二種類があります。

 

[dic term=”ストレージ”]

それぞれに特徴があり、それぞれ場面によって活躍するところがあります。詳しくは以下の記事を参考にしてください。

SSDとHDDの違いを徹底解説【図解】

 

主にHDDの特徴としては

  • 体積・価格当たりの容量が大きい
  • 比較的寿命が長い

 

などが挙げられますが、その一方で熱や外部からの衝撃に弱かったり、動作音がうるさかったり重かったりなどの欠点も持ち合わせています。

そのため、ノートパソコンのように、頻繁に外に持って行ったり動かして使うようなデバイスよりも、デスクトップパソコンのようにずっと固定して使うデバイスの方が向いていると言えます。

また、動画などのデータを大量に保存したい人にとって、HDDの方が価格・体積当たりの容量が大きいので、理にかなっていると言えるでしょう。それでも多少高くてもSSDを使うに越したことはないと考える人はいるかもしれませんが、動画などの大きなサイズのデータを頻繁に保存(書き込み) しているとすぐにSSDの寿命がきてしまいます。

先ほど紹介した記事でも説明していますが、SSDは基本的に書き込みできる容量に制限があるため、あまり大きなデータのファイルを頻繁に書き込むことは好ましくないです。

その点、HDDの方が優れていると言えます。

HDDの正しい選び方

HDDを購入する時は、主に以下の点について考えましょう。

 

  • サイズ・形状(2.5インチ / 3.5インチ)
  • 用途・容量・回転数
  • メーカー・保証

 

 

サイズ・形状

まず最初に考えるのはサイズと形状についてです。

 

2.5インチ 3.5インチ

現在使われているHDDには主に2.5インチと3.5インチの二種類のサイズが存在します。

 

2.5インチHDDと3.5インチHDD

文字通りサイズの事を表していて、2.5インチHDDの方が小型になっています。もちろん内部の仕組みはほとんど同じです。

2.5インチHDDの方が小型なので、ノートパソコンなどに主に使われてきました。しかし最近では2.5インチSSDが主流になってきているので、あまり使われません。

でも接続方式自体は3.5インチHDDと全く同じ「SATA」ですので、ノートパソコンでしか使えないということはありません

二つの違いを簡単にまとめると

 

  2.5インチHDD 3.5インチHDD
主な用途 ノートパソコン デスクトップパソコン
容量 ~2TB(主に) ~8TB(主に)
回転数 5,400rpm 5,400rpm~7,200rpm
小さい うるさい
振動 かなり少ない 大きい
容量当たりの値段 高め 安め

※主にの話です

 

2.5インチHDDは小型な分「プラッター」というパーツが小さく、枚数も増やすことができないので比較的容量は少なめです。中には4TBのものもあるみたいですが、3.5インチのものと比べるとかなり高めです。 そして回転数も5,400rpmのものがほとんどです。でも、ディスクの半径も小さい上に回転数も比較的少ないためか、動作音や振動はかなり抑えられています

私が前自作パソコンを作ったときに、最初3.5インチのHDDを取り付けていたのですが振動がひどくてあまりに響くので、2.5インチHDDに乗り換えてみたところ無音になった覚えがあります。デスクトップパソコンで使ったらもはやSSD並みの静けさといっても過言ではありません。 ですが比較的容量当たりの値段が高いのが難点となっています。

対して3.5インチHDDはかなり大容量なものまであります。最近では10TBを超える容量のものもそこそこ安価で販売されるようになってきています。

回転数については5,400rpmと7,200rpmのものが主にみられます。これらの違いについては後程説明します。

そして2.5インチHDDやSSDと比べると動作音が結構気になります。デスクトップパソコンで使っていても音は結構聞こえてくる印象です。また、高速で円盤が回転してる分かなり振動するので、パソコン側で(マウントを付けるなどの)対策を行わないとケースが共振したり音が更にひどくなったりしてしまいます

容量当たりの値段は2.5インチHDDに比べて安めなので、より大きいデータを保存したい人にはお勧めです。 ちなみに寿命については2.5インチHDDの方が短めだと言われていますが、さほど変わらないのが現状です。

3.5インチHDDの方が大きい分、特に大容量のものは部品がぎっしりと詰まっていますし、振動も大きいです。

デスクトップパソコンに取り付けるなら基本的には「3.5インチHDD」になりますが、専用のマウントを使えば2.5インチHDDを取り付けることも可能ですので、静音なものを求めている人は2.5インチHDDを使ってみるのもありかもしれません。

 

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      このようなマウンタを使用すれば、更に静音になるでしょう。

       

      厚み

      3.5インチや2.5インチHDDは縦横の大きさやネジ穴の位置については規格で決まっていますが、厚みは割とバラバラです。

      同じ3.5インチでも厚みが2cmのものがあったり2.5cmのものがあったり、同じ2.5インチでも厚みが7mmのものがあったり9.5mmのものがあったりなど、厚みはバラバラです。

      基本的にはどんな厚みでも取り付けられるようになっていますが、この厚みのせいで何らかの相性問題が発生してしまうことも考えられますので、必ず確認しておくようにしましょう。

       

       

       

      用途・容量・回転数

       

      用途

      動画を保存したり、ゲームデータを保存したりなど人によって用途は様々だと思いますが、HDD側にも用途が考えられて設計されているものがあります

      例えばHDDで有名な会社「Western Digital」HDDには主にBlue、Black、Red、Purple、Goldの5種類のシリーズが存在し、それぞれ用途が異なります。

       

      シリーズ 用途
      Blue(青) 一般クライアント向け・スタンダード
      Black(黒) クライアント向け・高品質・高性能
      Red(赤) NAS
      Purple(紫) 監視カメラ向け・ストリーム書き込み
      Gold(金) データセンター向け・高耐久性

       

       

      [dic term=”NAS”]

      ちょっと何言ってるかわからないよって人は基本的にBlueを選ぶようにしましょう。価格としてもBlueが圧倒的に安いですし、ラインナップが豊富です。

       

      ここでは例としてWestern Digital社のものを取り上げましたが、他にもSeagate社等にも、特定の用途が想定されているHDDシリーズなどがありますので、しっかり確認するようにしましょう。

       

       

      容量

      容量については用途に合わせましょう。基本的に1TB~4TBくらいが一番コストパフォーマンスが高くなっていますのでお勧めです。

      大容量なものほど壊れやすいと考えられていますが、基本的に故障率はほとんど変わりません。ただ、大容量なものの方が書き込みするデータが多いと考えられますので、そういう点では故障しやすいかもしれません。

      また、故障率は一旦置いておいて、大容量なものが壊れたらその分損失するデータ量は多いですのでご注意ください。 故障に関して不安な点があれば、同じ容量のHDDを二台購入して、RAID 1を組んでみるのはありかもしれません。

      Windows10でRAID 1を組む方法&その効果も紹介【簡単&安全】

       

      回転数

      HDDにはディスクの回転数という概念もあります。先ほど説明した通り、2.5インチのものは5,400rpmが主流で、3.5インチのものは7,400rpmと5,400rpmの両方が主に販売されています。

       

        5,400rpm 7,200rpm
      データアクセス 遅め 速め
      発熱 少ない 多い
      静か うるさい
      振動 少ない 多い
      消費電力 少ない 多い
      価格 安い 高い

       

      主な違いとしては以上の通りですが、正直いってデータアクセス速度については体感ではほぼ変わりません。速さを求めているのならばSSDを使う方が良いかと思います。 また、音・振動や消費電力についても、事実上このような差は出ますが、使っている分にはあまり差は感じられないです。

      なので気にされやすいポイントではありますが、第一に気にすることではないと思います。

       

       

      メーカー・保証

      最後にメーカー・保証についてです。

       

      メーカー

      HDDを製造している会社はSSDに比べると非常に少ないです。様々な理由が考えられますが、おそらくHDDの製造には大規模な工場と高い技術力が要るからでしょう。 その分、会社によっても品質に違いが出てきます

       

      BACK BLAZEより

      2013年のものになりますが、以前BACK BRAZEで行われた調査ではSeagate社のHDDの故障率が比較的高いことが指摘されました。

       

      2019年のデータ

      そして2019年についてもまだSeagate製のものの故障率が高くなっています。考えすぎかもしれませんが、ここまで具体的な数値が出てると疑ってしまいますよね。 私は堂々とSeagateのHDDを使っていますが、気になる人はWestern DigitalやHitachi製のものを購入する方が良いかもしれません。

       

      保証

      HDDにおける保証は割と重要です。届いて早速使ってみようとデータをコピーしていたらエラーが発生したなどの初期不良から、数か月使っていたら急に不具合が発生したなどの、後に襲ってくる不具合もレビュー等で報告されています。

      そんな時にメーカーの保証の厚さや期間が長いと安心です。そのため、しっかりと確認しておくようにしましょう。

       

      以上、パソコン用HDDの正しい選び方講座でした。


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