Nvidiaが提供する新時代に向けたクラウド型ゲームサービスである「GeForce Now」は日本で無事に2020年の6月にサービスが開始されました。 そして既にWindows,MacパソコンやAndroidスマートフォンなどで利用可能になっているわけですが、Googleの「Chrome OS」を搭載している通称「Chromebook」についてはまだサポートされていませんでした。 しかしChromebookについてもサポートされるという旨が先日Nvidiaから発表されました。
この記事を1文で説明すると
- Nvidiaのクラウド型ゲームサービス「GeForce Now」が、Chromeブラウザを通してGoogleのChromebookでも利用可能になった
GeForce Nowとは?
GeForce Nowとは具体的にどのようなサービスなのでしょうか? そちらについては以前投稿した記事で詳しく説明しました。
GeForce NOWとは? 事前登録の方法まで徹底解説【クラウドゲーミング】

もう何度も何度も同じ説明をあらゆる記事で行ってきましたが、GeForce Nowのシステムのイメージとしては以上の通りです。ゲーム自体はどこか遠くにある高性能なパソコン上で実行され、そのパソコンの映像がそのまま利用者のパソコンに転送されているイメージです。 そして利用者のパソコンで行われたコントロール情報をそのまま高性能パソコン上に適用します。
つまり言い換えると、GeForce Nowではどこか遠くにある高性能なパソコンを、インターネットを通じて遠隔操作しているということです。
パソコンゲームにおいて最も重要になってくるのはグラフィック系処理装置である「グラフィックボード」の性能ですので、GeForce Nowではグラフィックボードの性能だけ利用者に提供していると考えがちですが、実際のところはゲームの処理はすべてサーバー上で行われているということになります。つまり利用者のパソコンでは送られてきたライブ映像をそのまま表示するという処理のみ行われています。
そのため、高性能な処理装置を搭載していないノートパソコンやスマートフォンでさえも、あたかも高性能なゲーミングパソコンであるかのようにゲームをプレイすることができるのです。
GeForce Nowのレビューについては以下の記事をご覧ください。以前にたっぷりと検証しました。
Chromebookとは?
恐らくこの記事をご覧くださっている方はChromebookを利用している、あるいは知っているから読んでくださっているのでしょうけど、一応Chromebookについても説明しておきましょう。 こちらについても詳しくは以下の記事で説明しました。
最近話題のChromebookとは? その特徴を徹底解説【激安】
パソコンと言えばMicrosoftのWindows OSを搭載したものや、AppleのMacパソコンなどが主流ですが、最近、一般的な消費者向けのOSとしてもう一つ、Googleの「Chrome OS」が注目されてきています。 比較的コストが低い上に、他のOSに比べると若干動作が軽いというメリットがあります。また、主な機能はChromeブラウザを通して利用することができ、一部のChromebookではAndroidスマートフォンのようにアプリを入れることができるため、今の時代に似つかわしいモバイル感あふれる使い心地となっています。
Chromebookでは既に、Googleが提供するGeForce Nowに似たクラウドゲームサービス「Google Stadia」などが一部製品で利用可能になっていますが、今後GeForce Nowについてもサポートされるようになるとのことです。
GeForce Now For Chromebook
ChromebookというとChrome OSを搭載したノートパソコンの通称ですので、「GeForce Now For Chrome OS」の方がしっくりきますが、なんだかんだでChromebookという名前の方が親しまれていますね。
事の発端
そして今回の話は、Nvidia GeForce Nowの公式Twitterアカウントのツイートが主なトリガーとなっているようです。
最初はこの意味深なツイートが発端となり、多くのメディアが「GeForce NowがChrome OSでも利用可能になるかもしれない」と報道しました。背景はGeForce系のイメージ画像で、真ん中にある四つのハートの並び方、配色はGoogleのいくつかのサービスでみられるマーク等の配色と全く同じです。 そしてハートは「仲良くなる」という意味を持っているようにも思えます。 そして実際に先日、NvidiaからGeForce NowがChromebookで利用可能になる旨が発表されました。
ChromebookにおけるGeForce Now
現在、GeForce NowはWindows、MacパソコンやAndroidスマートフォンなどで利用可能になっていますが、いずれも専用のアプリ、ソフトを直接コンピュータにインストールすることで利用できるようになっています。
しかしChromebookではWindowsのようにネイティブアプリを思うようにインストールすることができないため、そのようなサービスを動作させることは困難であり、そのような点がChromebookのデメリットであると考えられています。そうなるとどのようにしてGeForce Nowを動作させるかという問題ですが、ブラウザーベースで動作させることを可能にしたことが解決の糸口になったようです。

こちらはGeForce Nowの必要環境がまとめられているページの様子になりますが、新たにChromebookタブが設置されています。そして必要環境として「Chrome browser 77 or later」(Chromeブラウザー77以降)と記載されていますので、パソコン自体の性能は置いておいて、動作させるのに必要である条件としてはブラウザーのみとなっています。 つまりGeForce Nowがブラウザで動作するのです。そしてその下に処理装置系の必要環境が記載されていますが、サーバー上でゲームの処理を行っているため、やはり必要環境の敷居はそこまで高くありません。
先ほど説明したように、GeForce Nowでは結局のところ利用者のパソコンにゲームのプレイ動画がダウンロードされているようなイメージですので、わかりやすく言うとYoutube動画を見ているのとほとんど同じ状況と言えます。そのため、従来のゲームに比べてブラウザとの相性が非常に良いと言えるでしょう。
そしてブラウザ上でGeForce Nowが動作するようになった今、今後WindowsなどでもChrome上で利用可能になり、他のあらゆるデバイスでもブラウザを通してフレキシブルに利用することができるようになっていくかもしれません。このように、利用者側のデバイスでは割と単純に、OSにあまり依存することなく動作させることができるというのはGeForce Nowの大きな利点と言えるでしょう。 そして今後もぐんぐんと成長していくことが見込まれます。