チーズのおろし金こと「MacPro2019年モデル」ですが、例によって「Intel Xeon CPU」が使われることはすでに発表されました。ですがその具体的な性能は意外とまだ知られていません。そこでこの記事では、Geekbenchサイトにて見つけた、MacPro2019の最上位モデルに搭載されているCPUの性能を紹介していきます。
目次
MacPro2019年モデルのCPUオプション
まず最初に、MacPro2019年モデルのCPUオプションについて紹介します。
CPUのオプションについては5種類あり、以下の通りです。
CPU | コア数 | キャッシュ | ブーストクロック | TDP |
---|---|---|---|---|
Xeon W-3223 | 8 | 16.5MB | 4.0GHz | 160W |
Xeon W-3235 | 12 | 19.25MB | 4.4GHz | 180W |
Xeon W-3245 | 16 | 22MB | 4.4GHz | 205W |
Xeon W-3265M | 24 | 33MB | 4.4GHz | 205W |
Xeon W-3275M | 28 | 38.5MB | 4.4GHz | 205W |
以上のようになっていて、上から順に性能が上がっています。そして最高構成ではXeon W-3275Mを選ぶことができます。衝撃の28コア56スレッドです。
サーバー向けCPUならわかりますが、これはあくまでハイエンドデスクトップ(ワークステーション)向けのプロセッサです。いくら何でも多コアすぎますよね。
そしてXeon W-3275Mは前世代の「Xeon W-3175X」の後継にあたるので素晴らしいパフォーマンスを発揮します。
開発コードはSkylakeからCascade lakeに代わり、第2世代Xeon Scalableプロセッサとなりました。
という難しい話はおいといて、早速全世代のMacProとCPU性能を比較していきましょう。
Xeon-W-3275Mの性能を全世代と比較
そもそもMacProにはどのような製品があったのでしょうか。
- Mac Pro (1st Generation)
- Mac Pro (Early 2008)
- Mac Pro (Early 2009)
- Mac Pro (Mid 2010)
- Mac Pro (Mid 2012)
- Mac Pro (Late 2013)
- Mac Pro(Late 2019)
以上のような製品がありました。
そしてそれぞれの最高構成CPUについては
モデル | CPU | コア数/スレッド数 |
---|---|---|
Mac Pro (1st Generation) | Intel Xeon X5365 x 2 (PLGA771) | 8/8 |
Mac Pro (Early 2008) | Intel Xeon X5482 x 2 (LGA771) | 8/8 |
Mac Pro (Early 2009) | Intel Xeon X5570 x 2 (FCLGA1366) | 8/16 |
Mac Pro (Mid 2010) | Intel Xeon X5675 x 2 (FCLGA1366) | 12/24 |
Mac Pro (Mid 2012) | Intel Xeon X5675 x 2 (FCLGA1366) | 12/24 |
Mac Pro (Late 2013) | Intel Xeon E5-2697v2 (FCLGA2011) | 12/24 |
Mac Pro (Late 2019) | Intel Xeon W-3275M (FCLGA3647) | 28/56 |
こんな感じです。本当にXeon CPUしか使っていないのがわかると思います。
そして、2012年まではデュアルCPU構成だったのに対して2013年モデルからはシングルCPUとなっています。1つのCPUでも十分に高いパフォーマンスを発揮できるようになったのでしょう。
それでは各モデルの最高構成時の性能をグラフで比較してみます。
2019年モデルについては、まだ発売されたわけではないですが同じCPUの情報がGeekbenchにて公開されているのでそちらを参考にしました。
他は、基本的にPassmarkの値を用いりました。
自分でもこのグラフを作ってて驚いたのですが、2008年モデルの時点で既にかなりのハイエンド仕様になっていて、ぶっちゃけ現在でもまだまだ使えるくらいの性能はあるんです。
この値が1万程度であれば現役でバリバリ活躍できるでしょう。
そして2019年モデルに関してはほぼ37000となっていて、もはや謎です。
2013年モデルから5年間発売していないだけの性能上昇はありますね。かなりの上昇具合です。
CPU的にはMacProは買いなのか?
値段が高いのはもうわかりきっていることですが、もしもこのXeon W-3275Mを搭載したMac Proを買おうものならば、CPU的には5年間はずっとハイエンドの立ち位置に居座り続けることができるので意外と買いかもしれません。
しかし、今すぐには全く役に立たないくらいの高性能さです。
次のMac Proが発売されたらそっちに移行するという人は、一番下のグレードのCPU(Xeon W-3223)でも十分すぎるくらいの性能はあります。
なのでそちらを選ぶようにしましょう。
この見出しでは「Mac Pro 2019年モデルは買いなのか?」というテーマですが、正直Mac Proに買いも買いじゃないもなくて、もはや最初から実用性においては”買い”じゃないので完全に趣味の範囲でほしいと思うかそうでないかですね。
2013年モデルから今まで発売されていないことを考えると、6年ぶりということでAppleファンの方は是非購入を検討しましょう。
ちなみにこの記事では「CPU」という、パソコンの頭脳のパーツに注目しましたが新型Mac Proには他にもグラフィックボードなど、注目すべきパーツがたくさんあるので、いろんなことを考慮して購入するようにしましょう。
今度はグラフィックボードについて触れたいと思います。