最新のゲームを快適にプレイしたい、そんなときに必須になってくるのがやはり「グラフィックボード」というパーツです。
グラフィックボードは、いわゆる「ゲーミングパソコン」に高性能なものが搭載されていることが多いですが、通常のパソコンには搭載されていないことが多いです。そこで大きなデスクトップパソコンなら内部に後からグラフィックボードを取り付けることもできるわけですが、ノートパソコンだと取り付ける場所がありません。
そこでノートパソコンにもある「USB端子」を使ってグラフィックボードを接続することはできないかと思いを巡らせる人は少なくないでしょう。
この記事ではグラフィックボードをUSB端子に接続できるか説明していきます。
そもそもグラフィックボードってなんだって人は以下の記事をご覧ください。
この記事を2文で説明すると
- USB接続でも、内部でThunderboltに接続できるなら多くの場合で外付けグラフィックボードを取り付けることが可能
- USB Type-A端子では基本無理
USB端子にグラフィックボードは接続できるの?
それでは早速USB端子にグラフィックボードを接続することはできるのか説明していきますが、まず最初にその答えを発表します。
A. できる場合とできない場合がある
それではそれぞれの場合を説明していきます。
できる場合
たぶんほとんどの人は「どうせできないんだろう」と思ってこの記事を見に来ていると思いますが、実はできる場合もあります。 それはUSB端子はUSB端子でも、内部で「Thunderbolt」と接続できる場合です。
つまり最近流行りのUSB Type-C端子接続で、Thunderbolt(3)を利用することができるならば、基本的にはいわゆる「外付けグラフィックボード」というものを取り付けることができます。
外付けグラフィックボードとは?
外付けグラフィックボードとは何なのか? については以前の投稿で説明しました。
ここでも軽く説明していきます。

右の図が通常のデスクトップパソコンにグラフィックボードを接続したときの様子を表しています。 この場合はCPUに直接つながっている「PCI-Express」というスロットにグラフィックボードが直接つながっています。そのため、グラフィックボードはCPUに直接つながっています。
かなり簡略化した説明ですが、グラフィックボードを利用するには基本的にはPCI-Expressに直接つながらないといけません。
そして外付けグラフィックボード、つまりノートパソコンにグラフィックボードを搭載する場合においては、ノートパソコン本体に大きなPCI-Expressのスロットが存在しません。ですがパソコン内部にPCI-Expressを利用することができる機能は備わっています。 そこで、そのパソコン内部の「PCI-Express」をThunderbolt 3(USB Type-C) の通信で外部から利用することができます。
そして接続先のGPUボックスにはPCI-Expressのスロットがありますので、このスロットを通してデスクトップパソコンのようにグラフィックボードを使うことができます。
この場合は「USB端子」であっても「USB接続」ではなく「Thunderbolt 3接続」である点に注意が必要です。
USB to HDMI
また、もう一つ例があります。
こちらは「USB to HDMI」つまりUSB Type-A端子をHDMI端子(映像出力端子)に変換する優秀なケーブルとなっています。
こちらはUSB Type-A接続なのでThunderbolt通信ではなく、PCI-Expressとつながっているわけでもありません。 そのため、USBコントローラーに接続されています。
実はこの変換ケーブルを使った時、映像処理自体はGPU内で行われるのですが、そこから一度CPUに情報を送り、CPUで圧縮します。そしてそこからUSBコントローラーを通じてこのアダプタのチップに圧縮情報が送られ、チップで映像信号に変換します。 そのため一応処理性能はGPU性能に依存するわけですが、CPUでの圧縮作業等が入ることによって遅延が生じますし、CPU性能も重要になってきます。 そのため、ゲーム等には向いていません。
あくまでも補助的なグラフィックアダプタですね。
できない場合
USB端子Thunderbolt 3接続であれば基本的に外付けグラフィックボードを接続できると説明しましたが、USB端子でUSBコントローラーに接続しても基本的にはグラフィックボードを利用することはできません。

USBコントローラーに接続された場合、PCI-Expressと直接接続することができませんのでグラフィックボードを利用することはできません。
USB Type-Cはまだしも、USB Type-AにおいてはThunderbolt 3に接続する機能は無いので確実に無理です。
ライザーケーブル
ですがUSB Type-A接続でもできる場合があります。 それはライザーケーブルです。
この装置の存在が余計に人を混乱させているのかもしれませんね。この装置は一時期流行った「マイニング」用にとにかく多くパソコンにグラフィックボードを積むために登場したものです。
多くのものはPCI-Express x1スロットのコネクタとライザーカードがUSB Type-Aコネクタでつながっています。
そのため、見た目ではUSB Type-A接続でグラフィックボードが使えてるように思えます。 ですがこのUSB Type-Aケーブルというのはつなぐためだけにあるものです。 つまり、PCI-Expressスロットとグラフィックボードを取り付けるカード部をつなぐのに都合が良いから使われているだけです。
そしてよく「USB 3.0」と書いてありますが、これはUSB 3.0端子のピンの数がちょうど良いからです。ただしピンの都合上電力供給は行われません。
そういうわけで、このカードを通常のUSB Type-A端子に挿してもPCI-Expressに接続できないのでびくともしませんし、むしろ壊れる危険性すらあります。
結論
つまり結論はこうです。
USB Type-C 接続でも内部でThunderboltに接続していれば多くの場合で外付けグラフィックボードを取り付けることができるが、Thunderboltに接続できないUSB Type-CやType-A端子では基本的には無理。
そのため最初から内部にグラフィックボードが埋め込まれている「ゲーミングノートPC」を購入するか、デスクトップパソコンを購入するかのどちらかが良いと思います。