ChatGPTが登場してからというもの、まるで何でも知っている人間と話した気になれるような「対話型AI」が流行っていますよね。 そしてChatGPTを追いかけるようにしてGoogleから「Bard」というシステムが発表されました。
2023年5月に発表されたばかりで、ChatGPTに比べたらまだ世の中に浸透していない気はしますが、あのGoogleが作ったということで大変注目を浴びているところです。
ということでこのAIを早速活用したいと考えたので、いかにブログ運営で活かすことができるかという検証をしていきたいと思います。
この記事の要点
- Google BardはGoogleによって開発されたChatGPTみたいな対話式AIシステムで、5月から利用可能になった
- しっかり条件を指定することで、テーマに沿ったブログ記事を良い感じに作ってくれる
- とはいえ完全に記事作成等を任せることはできず、記事作成の手助け程度に使うのが一番
Google Bardとは?
こないだ、ChatGPTはどこまでブログ運営に役立てることができるのかという検証をしました。ChatGPTについてはもう既に知っている人が多いかと思いましたので詳しい説明はしませんでしたが、Google Bardについてはそもそも知らない人も結構多そうなので、ちゃんと説明しておきます。
Googleが開発した対話型AI
何度か説明している通り、Google BardはGoogleによって開発されたものです。 対話型AIというのはチャット機能によってリアルタイムでAIとメッセージによってやり取りをできるようなシステムで、まるで物知りの人間に直接チャットで質問しているかのような感覚を味わうことができます。
10年前くらいでは、情報を探すときにはGoogle検索などでキーワードをスペース区切りにして入力しないと適切な検索結果にたどり着けませんでしたが、Googleが開発したBERTなどの言語モデルによって文章をそのまま検索ボックスに入力しても検索エンジンが文脈を理解してくれて適切な検索結果を出せるようになりました。
しかしこの時点では検索エンジンへの入力に自然言語処理が使われているだけで、出力自体はサイト記事の一覧なので、結果が表示されてから利用者が自分でサイトに飛ぶしかありませんでした。
そこで登場したのがChatGPTのような対話型AIで、利用者からのクエリの入力はもちろんのこと、情報の探索結果にも自然言語処理を用いることで、多くのサイトの情報をまとめたり組み合わせたりした一つの簡潔な文を利用者に提供することができ、情報探索や一部の自然言語タスクにおいて非常に楽になりました。
すべての情報探索においてこのような対話型AIが有能であるとは限りませんが、GoogleがBardを開発していることからも自然言語処理によって利用者の情報探索をフルアシストする世の中になってきていますよね。
「PaLM2」言語モデル採用
Google Bardというのはサービス名であって、AI本体ではありません。Google Bardを支えているAIモデルというものがあるわけですが、それが「PaLM2」というものになります。
当初はLaMDAという言語モデルを使用していましたが、いつの間にか「PaLM2」というモデルに変わっていました。
どちらもGoogleの研究者が発表した深層学習モデル「Transformer」を使用して作られているものです。このTransformerというアーキテクチャは非常に汎用性が高く、画像認識AIに採用されていたり、あの有名なChatGPTの学習にも用いられています。(GPTのTはTransformer)
Transformerというのは簡単に説明すると、文脈に合わせて文の続きを予測する技術です。
例えば「りんごの色は〇〇」という文章があったとして、〇〇は「赤い」という風に予測できるということですね。 このような仕組みとインターネット上の莫大なデータを組み合わせることで、知識量が膨大かつコミュ力の高い人間みたいなAIを作ることができるというわけです。
ちなみにPaLM2には
PaLM2のココがすごい
- 100言語以上を自由自在に使いこなせる
- 論理的思考力・数学力の向上
- プログラミングもできる
という強みがあり、このモデルが採用されたことでGoogle Bardの日本語対応を実現することができたというのもあります。
Google Bardの使い方
インターネット上における情報探索を司っているGoogleが作ったAIですから、ブログ運営に活かせれることは間違いないので早く使ってみたいですね! この後実際に検証を行いますが、皆さんにもぜひ実感してほしいので、Google Bardの使い方をおさえておいてください~
といってもめちゃくちゃ簡単。Googleのアカウントを作って以下のアドレスにアクセスするだけです。
Googleのアカウントは多分全員持っていると思うので、実質サイトにアクセスするだけのワンステップで終わります。とても楽ですね。
しかも、2023年6月現在では無料で利用することができます。 でも最初は無料にして後に有料化していく傾向が高い世の中なので、もしかしたらそのうち有料になるかもしれませんね。
とはいえ現在、API等を除いてGoogle検索は誰でも無制限に無料で行うことができているため、Google BardもAPIを除いてずっと無料で使えそうな気もします。
そして上のリンクを踏んでBardの画面に飛んだら、あとは質問文を入力するだけです。
しばらくすると回答が返ってきます。左下にあるグッドボタンとバッドボタンで直接フィードバックを行うことができ、自動的に改善されていくみたいですね。
また、その隣にあるボタンを押すことで回答結果をGメールやGoogleドキュメントにエクスポートできるそうです。素晴らしい機能です。
加えて、右上の「他の回答案を表示」というところを選択することでいくつかの回答候補を出すことができるみたいです。これで最も適切なものを選んでグッドボタンを押すことで、より良いサービスに改善していくことができるでしょう。

Google BardにBardの仕組みについて語ってもらった
Bardをブログ運営に活かしてみる
さていよいよ本題ですが、Google Bardはいったいどれほどブログ運営に活用することができるのでしょうか。 いろいろなことを頼んでみましょう。
iPhone 15の情報を教えて

はい、出ました。以前ChatGPTにブログ運営を任せてみようとしたときにも聞いてみた質問です。 2023年6月現在ではiPhone 15シリーズはまだ発表・発売もされていませんが、ChatGPTではまるでもう存在するかのように語ってしまっていましたね。
そしてGoogle Bardについてですが、上のようにしっかりと発売されていないことを認識しています。iPhone 15シリーズの噂情報に関する記事はたくさんあり、しかも機能が決定しているかのような口調で解説している記事が多いように感じるのでAIにとっては非常にややこしいと思うのですが、しっかりと判断ができています。
また、発売していないと解説したうえで、噂情報を簡潔に教えてくれていますね。
そして「iPhone 15の噂情報を教えて」と入力すると、さらに細かく箇条書き形式で教えてくれます。
iPhone 14の特徴を教えて

続いては実在する製品についての質問です。 ほとんどの情報は合っていますが、肝心な発表日を間違えてしまっています。実際は9月8日(日本時間)です。 なぜ間違えたのか考察してみましたが、やはりChatGPTの時と同じように、発表日に関する予想記事等が多かったことが原因っぽいです。そこで9月13日という文字をちらほら見かけました。
また、情報の提示の仕方もあまり適切であるとは言えないです。 というのも、「ワイヤレス充電に対応」や「5Gに対応」「Face IDに対応」「iOS 16に対応」についてはiPhone 14の特徴とはいえない(iPhone 13にも備わっている) です。
「特徴」をすべてのスマートフォンと比べたときの特徴と捉えたら確かにこのような説明の方が良いのかもしれませんが、iPhone 13と比べたときの特徴を知りたかったらこの回答はなんだかややこしいです。
また、「6GBのRAMを搭載」や「3,095mAhのバッテリーを搭載」に関しては初心者には「それがどれだけすごいのか」とか伝わりにくい表現なので、あまり適切ではありません。
とはいえ、「iPhone 14の特徴について初心者にわかるように解説して」とお願いしたら、iPhone 13とわかりやすく、かつ簡単な言葉で説明してくれました。

急にiPhone 13と比較しだしたのは謎ですが、明らかに簡単な言葉を使ってくれているのは「初心者にわかるように解説して」と付け加えたおかげと言えるでしょう。
そのため、なるべく簡潔なワードを入力することで検索結果の幅を広げることが良しとされていた通常のGoogle検索とは違い、Google Bardにおいてはなるべく複雑にお願いしてみることでよりお目当ての情報にありつくことができそうです。
確かに人間についても「iPhone 14の特徴を教えて」とだけ言われたら誰に向けてなのか、何と比べての特徴なのかわからず、答えにくいですよね。
iPhone 14の特徴を初心者にわかりやすく解説するような記事をHTMLコードで作って
この回答については、実際にGoogle Bardから出力されたコードをHTMLファイルに記述してみましたので、下のサンプルページからご覧ください。
相変わらず内容は薄くてiPhone 14にしかない何かというものが伝わってこないですが、それでも割と自然な感じで記事を作ることはできています。 それにHTMLの文法にも問題はないので、かなり優秀です。
でもやはりこのまま実際に投稿するというのは厳しいですね。 かなり惜しいところまでは来ている気がするのですが、相当凝っているプロンプト(質問文)を入力しない限り、さらに高品質な記事を出力させることは難しそうです。
というのも、Google Bardには膨大な知識が詰め込まれているので、細かい条件を指定しないと適切な答えを出してくれない可能性が高いのです。
多分イメージ的には、Google検索において検索結果が1つだけしか表示されないくらい細かすぎる質問文くらいの方が良いのだと思います。
記事作りを完全に任せず、情報を探すためにGoogle Bardを用いるというのであればそこまでプロンプトにこだわらなくても簡単に目的が果たせそうです。
結局AIに任せるにしてもテクニックが必要になるということですね。
SEO的に最も適切だと思われるようなタイトルを考えて
例によってiPhone 14の特徴を紹介する記事について、上の質問を投げかけてみました。

別にiPhone 14の特徴を端的に伝えるようなタイトルにはなっていないと思いますが、まぁ確かにそこそこ良いタイトルですね。
なお、この回答はGoogle自身の考えを述べるものではありませんので、別にGoogleの検索エンジンにおいてこのタイトルが実際に効力を発揮するのかは別問題でしょう。 とはいえ、参考にはなりそうです。
ブログ運営に使えそうか
他にも様々な検証をやってみましたが、結果から言うと
ブログ運営に非常に活かせそう
です。 とはいえ、さすがに完全に記事づくりを任せることはできないです。
- 情報の正確さ
- 独自性
- 情報のソースの提示
などを追究しようとしたときにGoogle Bardに完全に任せるだけでは難しくなってくるでしょう。 とはいえ、答えが一つしかないような情報を探したいときや、様々なサイトの情報をまとめてほしい時等に手軽に使えるツールとしては非常に便利です。
ちなみにBableTechのことを聞いてみました。

8割くらいあっていますね。恐らくサイト内のカテゴリ情報やAbout-usなどを参考にしてくれたのでしょう。 ただ、別に読者からの質問に答えるコーナーはありませんし、ユーザー同士の交流ができるフォーラムもないです。
どういう勘違いなのかはよくわかりません。
BableTechでは今後も、AIの情報等をたくさん発信していきますので、よろしくお願いします。