みなさんは日常生活でUSBを多用していますか。おそらくほとんどの人が1日に1回は使っているのではないかと思います。
そんなUSBですが、最近USB 4という新規格が登場することが発表されました。
自分には関係ない、そう思っていませんか? もしかしたら数年後にはこの「USB 4」で統一されている世の中になっているかもしれません。絶対に知っておくべきということでこの記事ではUSB 4について紹介していきます。
目次
USB 4の仕様
まず最初に、現時点でわかっているUSB 4の仕様について説明します。
1、形状
対応しているのは「USB Type-C」のみです。

このような形のケーブルになります。大きさとしては長辺は1cmいかないくらいで、Androidスマートフォンによく使われている「USB Micro-B」という端子と同じくらいです。
USB Type-Cについてはこちらの記事をご覧ください
軽く特徴を説明すると
- 裏表の区別がない(リバーシブル)
- コンパクト
といった感じです。
2、電力
これはUSB 4の仕様というわけではありませんが、USB 4が使える機器では標準となってくる機能です。
USBで、最大100Wまで電力を供給することができるようになります。もちろんホスト機器にもよりますが、例えばデスクトップパソコンのUSBから出力される電力は100W程度だと期待されるため、スマートフォンの超高速充電はもちろんのこと、外部モニターの電力まで補えます。
コンセントから充電する場合は関係ありませんが、実は今までパソコンのUSBスロットからスマートフォン等を充電しようとしたら結構時間がかかったものです。それもそのはず、急速充電には対応していない場合が多いのです。
(USB 3.0だからといって急速充電ができるわけではない)
でもUSB 4が登場したらデスクトップパソコンのUSBはもちろんのこと、ノートパソコンのUSB端子からもスマートフォンを急速充電することができると思われます。それって便利ですよね。
ちなみにスマートフォンの急速充電に必要な電力は10Wくらいが目安です。
3、データ転送
続いてはデータの転送についてです。
以下の表をご覧ください。
データ転送規格 | 最高速度 |
---|---|
USB 2 | 0.5Gbps |
USB 3 | 5Gbps〜20Gbps |
USB 4 | 40Gbps |
Thunderbolt 3 | 40Gbps |
こちらはUSB 4に対応しているUSB端子が対応しているデータ転送規格です。
USBというのは基本的に下位互換性があるので、一応USB 2まで使うことができます。
ただしなんども言いますが、形状的にはUSB Type-Cですので、従来のType-Aを接続したいならUSBハブを使うほかありません。
そして、表を見ればわかりますがUSB 4とThunderbolt 3の速度は同じになっています。二つのコントローラは違いますが、速度は一緒ということでUSB 4では見かけ上完全に統合します。
USB 4はUniversal Sirial Bus コントローラに接続されますが、ThunderboltはPCI-expressへ接続しているので、よりできることの幅が広がります。
例えばノートパソコンのUSB Type-C端子からゲーム用にグラフィックボードというパーツを外付けできるようになります。
4、映像出力
USB 4が対応するUSBでは映像出力を行うこともできます。
内部でDisplay Portと接続されているためです。
といっても、これまでのUSB Type-Aでも映像出力端子(HDMI等)に変換するものはあったと思います。でもこれらは映像信号を直接USBから取得しているのではなく、USBで受け取った情報を映像信号に変換しています。
どういうことかというと、あまり映像の質が良くなく、ゲームを楽しむことも難しいということです。
ですがUSB 4を使い内部でDisplay Portと接続すると映像信号を直接取得することができるため、内臓グラフィックスが処理した質の良い映像を出力することができるのです。
とりあえず一つ言えるのは、映像出力端子とUSB端子を区別しなくてもいい分楽になるということですね。
USB 4で統一されていく世の中
USB 4が登場したら、世の中が徐々にUSB 4で統一されていくと考えられます。
なんといっても
- 転送速度の速さ
- 一つの端子でいろんなことができる汎用性の高さ
- コンパクトさ
この3つが支持されていく主な要因となるでしょう。
転送速度の速さの恩恵を受けるのは一部の人だけかもしれませんが、この速度が速くなることでUSBメモリだけではなくHDDやSSDなどの記憶装置までUSB 4で接続されていくのではないかと考えられます。
そして汎用性の高さ、これが最もなポイントです。
映像出力端子、ヘッドホンジャック、USB、優先LAN…etc. の区別をいちいちつけることがなくなるため、パソコン初心者の人でも相性問題等でトラブルが起きることなくパソコンを利用することができるようになるでしょう。
コンパクトさも重要なポイントです。コンパクトになることでスマートフォンに搭載することも容易にできます。
いままではAndroidスマートフォンではMicro-USB接続のものが主流でしたが、これからはパソコンのUSBと全く同じ形のものを使えるようになるのです。
ただ一つ、USB 4の形(USB Type-C)をしていてもすべての機能が使えるとは限りません。 例えば、コンセントから変換したUSB Type-C端子から映像出力を行うことができるはずもありませんし、スマートフォンから100Wの電力供給を行うことも不可能です。
なので、USB端子を搭載している機械を購入するときはどの機能に対応しているのか確認しておくのが必須となります。
USB 4に乗り換える方法
最後に、USB 4に乗り換える方法を紹介します。
急にUSB 4で統一されていくと言われても困惑する人もいるかもしれません。でも先ほども説明した通り、基本的には下位互換性があるためこれまで使っていたキーボード、マウス、プリンターなどは継続して使えます。
ただし、端子の形状が合わないと思いますので、そこは変換する必要があります。
例えばこちらの商品になります。
こちらはUSB 4に対応しているわけではありませんが、USB Type-Cから映像出力端子(HDMI)、メモリーカード、USB Type-Aなどに変換することができる優れものです。
USB 4が登場しても、このハブは使うことができます。
いちいちこのでかいハブを使うのは馬鹿馬鹿しい感じる人もいるかもしれませんが、いずれ世の中の標準となってくるであろう端子のことなので、少しの辛抱です。
もちろんUSB Type-C形状の機器であればこのハブなしで使うことができます。
また、ハブを使うのが面倒臭い・馬鹿馬鹿しいと感じたら、周辺機器ごとUSB Type-C仕様に買い換えるのも一つの手です。
といってもまだUSB Type-Cに対応した機器は少ないものですが…
例えばこちらの商品はUSB Type-Cスロットに直接挿入することのできるメモリースティックになります。