総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」のオリジナルブランド「情熱価格」からは、かつて「MUGA」などのノートパソコンが登場してきましたが、今度は一体型パソコンが発売されました。
とにかく安いが売りの「情熱価格」ですが、安くしようとしすぎてこの一体型パソコンの性能が笑えないレベルになってる件についてお話させていただきます。
目次
この記事を1行で説明すると
- ドン・キホーテから一体型OC「MONIPA」が発売されたがその性能はもはや使い物にならないくらい悪く、3万円は妥当か、むしろ高いまである。
一体型パソコン「MONIPA」の仕様を一挙公開
新しい一体型パソコンの名前は「MONIPA」です。その由来はよくわかりませんが、少なくても英単語ではなさそうです。
それでは公式から発表されているスペックを紹介していきます。
項目 | 一体型PC MONIPA |
---|---|
カラー | ブラック |
CPU | AMD A4-7210 |
GPU | AMD Radeon R3 Graphics |
Wi-Fi | 802.11ac(Wi-Fi 5) |
Bluetooth | 4.2 |
OS | Windows 10 |
メインメモリ | DDR3 4GB(埋め込み) |
ストレージ | eMMC 64GB (2.5インチSATA接続ポートあり) |
ディスプレイ | 21.5インチ、非光沢IPS、1920 x 1080(フルHD) |
内蔵スピーカー | 2W x 2 |
インターフェイス | USB 3.0 x 2 , USB 2.0 x 3 , HDMI入力 x 1 , Micro SDカードスロットx1(最大128GBまで) , 3.5mmヘッドホン、マイクロホンジャック |
重量 | 2,600g |
付属品 | 本体、キーボード、マウス、WPS Officeライセンスキー、各電源コード |
価格 | 29,800円 |
性能は一旦後として、新品の一体型パソコン、しかもフルHD 21.5インチ液晶搭載のものが2万円台で手に入るなんて情熱価格すぎるというのが第一の感想だと思います。
ドン・キホーテはこれまでに数々の格安商品を販売してきましたが、今回の一体型パソコンは特に安い予感ですよね。
しかしそれは本当でしょうか? それぞれのスペックをじっくり見ていきましょう。
CPU性能が完全にオワってる
CPUというのはコンピュータの頭脳的な部品であり、この部品の種類によって全体の性能が左右されます。
表では「AMD A4-7210」と書いてありますが、これがCPUの種類になります。
最近、Microsoftが新しいSurfaceでAMDのCPUを搭載したモデルを発表したことで、「IntelじゃなくてAMD入ッテル」という風潮になっています。
そこで、このドン・キホーテの一体型パソコンの発売にあたって様々なメディアが「ドン・キホーテもAMD採用」というキャッチコピーを使っている現状ですが、「A4-7210」というCPUはAMDはAMDでも、古くて低性能のCPUになります。
発売された時期については2015年くらいなのでまだそこまで古くはないのですが、低価格・低性能というコンセプトで開発されたCPUになるので性能が完全にオワっています。
どれくらいオワっているのでしょうか?
一番左がMONIPAの性能で、その隣にあるのが私が使っている8年前の低スペックノートパソコン(Corei5-2520M搭載)の性能です。
若干動作がカクカクに感じていて、あまりまともに使えません。
そしてその隣が最近発表されたMicrosoftの新型Surface Laptop 3 15インチモデル(AMD Ryzen7-3780U搭載)の性能目安です。
同じAMDでもここまで性能差が出ます。
しかも、Surfaceの方はノートパソコンですが、MONIPAの方は一体型パソコンなのでより高い性能を求められるでしょう。それなのに新型Surfaceよりも、私が8年前に購入した低スペックノートパソコンよりも性能が低いです。
Webブラウジングくらいならできると思いますが、たぶんYoutube見るのでもカクつくと思います。ゲームなんてもってのほか、起動すらできないんじゃないでしょうか。
ちなみに一番右は今年発売予定のAppleの新型MacProの最高構成時の性能目安です。これはもう論外です。
グラフィック性能が完全にオワってる
続いてはグラフィック性能です。
グラフィック性能は動画再生やゲームプレイ時に関わってくる性能になります。最新のゲームを快適にプレイしたい人はこの性能を重視するべきということですね。
さて、このMONIPAですが、グラフィック処理プロセッサとして「AMD Radeon R3 Graphics」を搭載しています。
こちらもまたAMD製のものになりますね。
そしてこの性能なのですが、信じられないくらい悪いです。
(グラフが見づらくなっている場合があります)
一番上がMONIPAで、次に私の8年前のノートパソコン(Intel HD 3000)、その下がSurface Laptop 3 15インチ(AMD Radeon RX Vega 11)
その下がGTX 1650という、最新の3Dゲームを快適にプレイする上で最低限必要な性能を保有しているグラフィックボードで、
その下がRTX 2080 tiという、最新の3Dゲームをかなり設定を高くしてプレイできる性能を保有しているグラフィックボードの性能になります。
少しわかりにくいですが、このスコアがだいたい1万くらいあれば最新の
ゲームでも快適に遊べるという認識で良いでしょう(もちろんゲームにもよりますが)
そしてMONIPAの性能といったらわずか369です。
このスコアだとゲームプレイどころかYoutubeの再生までちょっとカクついてしまうレベルの性能の悪さです。
フルHDのディスプレイだったらなおさらグラフィック処理能力が必要になってくるので、快適に動作しないでしょう。
もちろん素晴らしい点もある
その一方でこの価格にしてはっ… というような素晴らしい点もあります。
1、ディスプレイ
CPUなどの処理能力は低いですが、ディスプレイがフルHD画質となっていて、IPS液晶なので結構綺麗でしょう。
また、21.5インチというちょうどよいサイズのディスプレイを採用している辺りも素晴らしいと思います。
ただし、きれいなのはあくまで表示できた時の話で、Youtubeの再生等でカクついてしまったらどんなにディスプレイがきれいでも残念ですよね。
2、デザイン
デザインはどう考えても素晴らしいです。
ベゼル(ディスプレイフレーム)がかなり細くなっていて、スタンドもとてもスリムなので全体的にスタイリッシュな印象です。
もちろん人によるとは思いますが、私にとってはものすごくかっこいいデザインだと思います。
3、ささやかながら拡張性もある
メインメモリは増設ができず、DDR3(古いタイプのメモリ) 4GBで固定されているのは残念なポイントですが、ストレージの拡張を行うことができるのは結構優秀なポイントだと思います。
2.5インチ SSD,HDDを増設することができるので、標準搭載の64GB eMMCで不足感を感じたら240GB SSDなどを増設することができますね。
このSSDはとてもおすすめです。
4、WPS Officeがついている
Microsoft Officeじゃないのかよとがっかりしてしまう人も多いかもしれませんが、WPS Officeは安いのにMicrosoft Officeとの互換性がかなり高いので、かなり使い物になります。
ちなみに私も一部のパソコンでWPS Officeを使っていますが、ほとんど困ったことはありません。
3万円は安い? 妥当? 高い?
この性能はもはや中古品レベルですが、それでもあくまで新品でこのデザインで一体型パソコンが3万円で手に入ることを考えると…
妥当な価格設定でしょう。
性能についてあまり考えないと安く感じますが、この性能だとちょっと… 3万円以上は払いたくない感あります。
でもかっこいいから好きかも
関連記事:一体型パソコンのメリットとデメリット
最初はOfficeだけで使って後からゲームがしたい時はデスクトップなどを買ってモニターにすればいいかもですね
そうなりますね笑 まぁどうせゲームするならモニパじゃなくて最初っからモニタ買えばいいのかもしれませんが…
メモリは分解して増設できるらしい
SSDにクローンして使えばオフィスぐらいなら快適に使えそう
そうなんですねー。そこまで手間をかければ確かに快適に使えるようになりそうですが、やはり購入時の状態だと厳しいものがありますよね…
【色々な犯罪に巻き込まれるのは困りますが】
本人の使用の仕方、使用目的、好きな形等々。
動画を見たければ、スマフォよりノートpc、臨場感が欲しければノートPCよりと
人のスタイルで求めれば良い事。
また、大きな画面でもゲーム専門家とYouTube視聴専門家とは
また違って使い用途にあったものを選びたいですね。
自分はゲームはやりませんから、臨場感ある画面のPCを選びたいですね。