ここ数年でUSB 3.1という新規格が登場しました。そしてまたもや「USB 3.2」という規格も登場してきています。これらの新規格はどのようなものなのか、また、USB 3.1との違いについても徹底解説していきます。
目次:
USB 3.2とは?
USB 3.2とは何なのかについて説明していきますが、そもそもUSB 3.2という言葉を聞いたことが無い人も多いと思います。
USB 3.0は2012年くらいから本格的に使われ始めてきたUSBの規格であり、かなり有名だと思いますが、正直USB 3.1からは意外とマイナーな存在になっています。
というのも、ここ数年で出てきた規格だからですね。そんな中またもや新規格が登場しました。それがUSB 3.2です。
USB 3.1の存在自体まだあまり知られていない中で発表された規格になるのでほとんどの人がまだ知りません。
それでは徹底解説していきます。
1.規格の種類
まず最初に、USB 3.2にどんな種類があるのかを紹介します。
- USB 3.2 gen1
- USB 3.2 gen2
- USB 3.2 gen2x2
この3つになります。
2.通信速度
USBなどの通信系技術であれば一番最初に話題に出てくるのはその通信速度だと思います。USB 3.2 gen1は「5Gbps」で、USB 3.2 gen2は「10Gbps」で、USB 3.2 gen2x2は「20Gbps」となっています。
Gbpsとは、1秒間に何Gbの情報を送れるかという単位になっていて、1Gbは125MBに等しいため、例えば20Gbpsは「2.5GB/秒」ほどになります。
映画一本2GBくらいですから、一秒で一つの映画を転送することができるのです。まぁ正直ここまで速い必要はあるかという話ですが。
でもここで突っ込んでほしいのは、5Gbpsと10Gbpsという数字です。
実はUSB 3.1 gen1の転送速度は5Gbps
USB 3.1 gen2の転送速度は10Gbpsとなっていて、全く変わりません。
なので、USB 3.2 gen1はUSB 3.1 gen1を、
USB 3.2 gen2はUSB 3.1 gen2をそれぞれリネームしただけの存在になっています。
ただ、USB 3.2 gen2x2については完全な新規格になります。
実はこのリネームしただけ事件についてはUSB 3.0から3.1に変わるときも起きました。
当時USB 3.0と呼ばれていた5Gbpsの規格はUSB 3.1 gen1になり、ただ単にUSB 3.1と呼ばれていた10Gbpsの規格はUSB 3.1 gen2と呼ばれるようになりました。
つまりこういうことです。
世代/転送速度 | 5Gbps | 10Gbps | 20Gbps |
---|---|---|---|
USB 3.0世代 | USB 3.0 | — | — |
USB 3.1世代 | USB 3.1 gen1 | USB 3.1 gen2 | — |
USB 3.2世代 | USB 3.2 gen1 | USB 3.2 gen2 | USB 3.2 gen2x2 |
いよいよややこしくなってきていますね。でも逆に言えば、今の時代ではUSB 3.2だけを考えれば良いということになります。
ただgen2x2というネーミングがなんともわかりにくいですが。
3.接続端子
それでは各規格が対応している接続方法を紹介します。
1.USB 3.2 gen1 (5Gbps)
こちらはUSB TypeAとTypeCが対応しています。
ちなみにUSB Type~というのは通信速度ではなくただ単に形状のことを表しています。
TypeA

ただし、USB 2.0専用のケーブルだと物理的にUSB 3.0に対応することはできません。形は一緒でもピンの数が違います。
TypeC

最近のAndroidスマートフォンやノートパソコン、デスクトップパソコンまでもが対応してきているUSBの形状になります。裏返しても使えるというのが最大の特徴です。
2.USB 3.2 gen2(10Gbps)
こちらもUSB 3.2 gen1と同じです。TypeAのものとTypeCのものがあります。
3.USB 3.2 gen2x2(20Gbps)
なんとなく流れでわかるかもしれませんが、こちらはTypeCしか対応していません。
現在世の中は明らかにUSB TypeCに移行しつつあるので、新規格ではTypeAが使えないという現状です。
でもなんだかんだでTypeCの方がスリムですし、使いやすいと思います。
実用性について
おそらくこの先新しいパソコンにこの「USB 3.2 gen2x2」の端子が搭載されることになると思いますが、今のところ実用性はあまりありません。
というのも、USB 3.2 gen2x2のフラッシュメモリはまだあまり発売されていませんし、発売されていたとしても高いです。
というか使えたとしてもよっぽど大きなデータを操作するときでなければ体感ではあまり差を感じられないと思います。
ただし、この転送速度を生かしてUSB TypeCを通じてグラフィックの処理を行ったり、様々な周辺機器が一度にたくさん使えるなどの期待はできます。
でも、いつか世の中の標準になることは間違いありません。