現金での支払いはもちろんのこと、最近ではカードもいらないバーコード決済やスマホのFeliCaでの決済も普及してきています。
そんな中、外でインターネットを使うために必要なSIMカードを挿さなくてすむ時代が到来してきています。その名も「eSIM」です。何かの単語の頭に「e」をつけるのはありがちなことですが、ではeSIMとは一体なんなのでしょうか。徹底的に解説していきます。
この記事を2行で説明すると
- eSIMとは、カードを挿入しなくても利用することができるSIMである
- eSIMは、その便利さなどからこれから普及していくと思われる
eSIMとは?
eSIMは、SIMカードを挿さなくてもSIMカードを挿しているのと同じ効果を得ることができるSIMです。
頭文字の「e」はElectronicを表すものであり、「e-Sports」のeと同じ使われ方です。
e-Sportsが通常のスポーツと違って物理的に対戦するのではなくコンピュータ上で対戦することを表しているのと同じように、
eSIMは物理的なカードを入れるのではなくコンピュータ上で電子的にSIMを生成します。
eSIMのメリット・デメリット
メリット
eSIMではカードを郵送で送ってもらう必要がなく、カードを本体に装着する手間も省くことができるので環境の構築がとても楽です。それに、契約する会社によってカードを変える必要がないので非常に便利です。
そのため複数の契約をしても簡単にSIMを切り替えることができるでしょう。
また、もしもスマートフォンが完全にeSIMに対応し、eSIMのみのサポートとなれば本体にスロットを設置する必要がなくなり、見た目が改善されるでしょう。
さらには、物理的なカードではないため盗難されることもなくなります。
そもそもSIMの契約についてはインターネット上でいつでも解除することができるので盗難されてもあまり被害はないと思いますが、再発行などの手続きをしなくて済むのは非常に便利ですよね。
デメリット
これは現時点での話ですが、eSIMでは通常のSIMカードに比べて機能が制限されています。
eSIMでは電話を受け取ることができず、SMSも利用することができません。つまり電話としての機能を使うことができないのです。
また、これも現時点での話ですが、eSIMを使うことができる日本のキャリア会社は1社のみとなっています。
IIJmioのみです。海外のローミング通信サービスなどで使えるところはいくつかありますが、現時点では日本ではそこまで活躍しないかもしれません。
eSIMが活躍するシチュエーション
複数のSIMを利用するとき
複数のSIMを利用したいときはとても活躍します。
最近では二つのSIMを挿入することができる「デュアルSIM携帯」も増えてきていますが、eSIMを使えば二つのSIMカードを挿入せずに使い分けることができます。
また、電子的にSIMの認証を行なっているため、場合によってはデュアルスタンバイ(同時に二つのSIMを利用する)ことができるかもしれません。
つまりは電話番号を複数もちやすいということですね。
SIMカードスロット問題が発生するとき
従来のSIMカードは小さいカードスロットに挿入する必要があるため、場合によってはスロットを破壊してしまうこともあります。また、SIMカードのサイズを間違えてしまい、はまらないということもあります。eSIMではそもそもカードを使うことがないのでスロットを破壊することはありませんし、カードサイズを気にする必要もありません。
eSIMはこれから普及していく?
eSIMをサポートしているデバイス
日本ではIIJmioとの契約でeSIMを使うことができるというのは紹介しましたが、eSIMを使うためには通信するデバイス側も対応している必要があります。
現時点でeSIMをサポートしている製品例としては
iPhone XR以降、iPad mini , airの一部モデル、そしてGoogleのPixel 4などです。
あまり有名ではないスマートフォンは基本的にeSIMをサポートしていないと考えた方が良さそうです。
eSIMは普及していくのか?
まだeSIMをサポートしているデバイス、契約会社は少ないですが、あのAppleやGoogleが取り入れている機能ですから、これからどんどん他のスマートフォンでも導入されると思われます。
先ほど紹介したメリット・デメリットを見ていただければわかるのですが、eSIMのデメリットではほとんど「現時点では」という文字がついているので、もっとサービスが発達して世の中に普及される流れになったらほぼメリットしかなくなると思われます。
eSIMだけで通話からインターネット、SMSなどが利用できるようになったらメリットしかないですよね。ということでどんどん世の中に普及していくと思います。
ただ、利用するタイミングとしてはまだ早い気がします。大手会社のみがサポートしているサービスというのは基本的に未熟だったりするのでほぼ全てのスマートフォンでサポートされるようになるまで待った方がいいと思います。