2019年最も注目されているハイエンドCPUの一つとして、Intel社の「Corei9 9900K」があります。ですがこの度、「S」がついた「Corei9 9900KS」というCPUが登場することが発表されました。この記事では、Corei9 9900KSがどのようなCPUなのか、一体何者なのかについて解説していきます。
目次
Corei9 9900KSとは?
まず最初に、Corei9 9900KSとは一体なんなのかについて説明します。
簡単に説明すると
Corei9 9900Kの強化版
です。
アルファベットの意味は?
私が最初「Corei9 9900KS」というのをとある記事で見かけたときは、
S付き… ってことは省電力版? でもK付きだから倍率ロックフリーだしな。。。 どっちやねん
と思っていました。もともとSというアルファベットというのは省電力版を示唆するものであって、例えばCorei5 3450SというCPUは通常のCorei5 3450に比べるとおよそ30WTDPが抑えられています。
また、Kというアルファベットは倍率ロックフリーで、オーバークロックをユーザーが行うことができるモデルになります。
Corei9 9900Kなんかはその一つのCPUです。
なのでKとSが同時に登場するのは… 意味がよくわからないですね。
と思って調べていましたが、結局Sがどういう意味なのかはわかりませんでした。ただ一つ言えるのはKは倍率ロックフリーを表すということ。
というのも、そもそもCorei9 9900KSはCorei9 9900Kの強化版なので当たり前の話です。それに、この後詳しく紹介しますがCorei9 9900KSでは消費電力が上昇すると言われているため、Sが省電力を表すということはまずないでしょう。
なのでおそらくSというのは「Super」とかを表すのではないかと思われます。
どの辺が強化されるのか
では、具体的にどの辺が強化されるのでしょうか。それは
全コアが5.0GHzまでクロックアップ可能
になることです。
そもそもCoreシリーズのCPUには「ターボブーストテクノロジー」という技術が採用されています。このターボブーストテクノロジーでは、ある一定時間だけ自動でクロックアップしてくれます。
当然ながら許容温度を超えてしまったり、消費電力がやたら大きくなってしまったらクロックアップは抑えられます。また、従来のCPUではすべてのコアを同じようにクロックアップさせるのが難しくなっています。
例えばCorei9 9900KというCPUの場合は、カタログスペック上では
ベースクロック:3.6GHz ブーストクロック:5.0GHz
となっていますが、このブーストクロック5.0GHzに達することができるのは1つしかコアがないときだったりします。とにかく、すべてのコアを5.0GHzにクロックアップすることはできませんでした。
ですがCorei9 9900KSでは全てのコアを5.0GHzまでターボブーストすることを約束します。
とりあえず、Corei9 9900KSの仕様をお見せします。
Corei9 9900KSの仕様
それでは仕様を見ていきましょう。
CPU | プロセス | コア/スレッド | ベースクロック | ブーストクロック | キャッシュ | TDP |
---|---|---|---|---|---|---|
Core i9-9900KS | 14nm ++ | 8/16 | 3.6 GHz | 5.0 GHz(8コア) | 16 MB | 127W |
Core i9-9900K | 14nm ++ | 8/16 | 3.6 GHz | 5.0 GHz | 16 MB | 95W |
以上のような感じです。
(8コア)っていうの以外はなにも変わりませんね笑
プロセスが変わらないのはもちろんのこと、ベースクロックやキャッシュサイズまで変更はなしです。あくまでも全コアまんべんなくターボブーストができるようになっただけのCPUです。
そして、全コアを5.0GHzまでターボブーストしようものなら、消費電力・熱が増加するに違いないのですが、TDPは同じです。おそらく95Wは超えるのではないでしょうか。
TDPは127Wであることがわかりました(2019/09/19修正)
TDPは消費電力の目安にもなっていますが、本来は熱設計を表すものなので、適切なCPUクーラーを探すときに必要な値になります。
TDPが127Wということは、これまで使っていたCPUクーラーでは多少不足感があり、水冷仕様が必須になるかもしれません。
Corei9 9900KSの立場
とここまででCorei9 9900KSの仕様については一通り理解できたかと思いますが、理解したところで問題になってくるのは「なんの役に立つのか」です。
正直な話、すべてのコアが5.0GHzまでターボクロックできたところでなにか良いことあるの? と感じるかもしれません。
以下に、すべてのコアを5.0GHzまでターボクロックすることによる恩恵を紹介します。
- マルチコア性能が上昇する
- ゲーム性能が格段に上がる
一つ目としては、「マルチコア性能が上昇する」です。
すべてのコアが5.0GHzに達するのなら、それらをすべて有効に使えれば当然マルチコア性能も上がるわけです。ただし、マルチコア性能においてはあまりクロック数が重視されなかったりします。もちろん性能の上昇はしますが、やはりコア数が重要になってきそうです。
二つ目としては、「ゲーム性能が格段に上がる」です。
ゲーム性能については、コア数が多いほど高いというよりは1コア当たりの性能が影響してきます。
ぶっちゃけゲームにおいてはそこまでたくさんのコアはいらず、無駄にコアがある分、今まではいずれのコアも5.0GHzに達せていませんでした。
でもCorei9 9900KSですべてのコアが5.0GHzに達せるのならば1コア当たりのクロック数も上昇し、性能が上昇するのでゲーム性能も高くなっていきます。
つまり、Corei9 9900KSは通常のものよりもゲームにおいて役に立つ
ということです。
ただし私の意見としては、Corei9 9900Kの時点でかなりゲーム性能が高く、不足感を感じている人なんてほぼいないんじゃないかという感じです。
なのであえてCorei9 9900KSを購入する人は少ないんじゃないかな…
価格としては、ただいまCorei9 9900Kが60,000円を下回っているということで、65,000円くらいになるのではないかと思います。
正直それ以上高くなったら微妙すぎます。
そして発売は、2019年の10月になると発表されています。
併せて、新しいCorei9-Xシリーズ「Corei9 10980XE」についての記事もご覧ください。
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