数か月前にIntelから新しく、第10世代Coreシリーズ「Comet Lake」のデスクトップ向けのものが発表・発売されました。 発表当初はCore i9シリーズにはCore i9-10900シリーズのみ存在しましたが、この度もう一つのCore i9シリーズとして「10850K」という型番のものが噂されつつあります。
この記事ではCore i9-10850Kが一体どんなCPUなのか、実用的なのかについて紹介していきます。なお、まだ噂程度の話ですので実際に登場するかどうかも定かではありません。
この記事を1文で説明すると
- Core i9-10900Kよりも若干動作周波数が低い「Core i9-10850K」が1万円ほど低価格で登場する可能性が高い
Core i9-10850Kの特徴
Intel第10世代Comet Lakeシリーズについては以下の記事で詳しく説明しています。
【ついに登場】Intel第10世代デスクトップ向けCPUのすべて【Comet Lake-S】
それでは早速、この度噂されているCore i9-10850Kについて、その特徴を紹介します。
1.10コア20スレッド
第10世代CPUについては、Core i9で10コア20スレッドに達したことで話題になりました。IntelのメインストリームCPUとしては初めての10コアCPUで、前世代の8コアからの2コアアップとなります。そしてこの度噂されているCore i9-10850Kについても同様に10コア20スレッドとなっているとのことです。 型番的に10900Kの下位モデルになりますが、あくまでもCore i9ということでCore i7との差別化は図られているのでしょう。
2.低クロック
最上位モデルであるCore i9-10900Kについては新しい「Intel Thermal Velocity Boost」というテクノロジーを駆使し、最大で5.3GHzの動作周波数を獲得することができました。
略:TVB Core i9-8950HKでサポートされたIntelの技術。必要に応じて自動的に、シングルコアおよびマルチコアのプロセッサーの動作周波数を、プロセッサーの現在の動作温度と仕様上限の差に基づいて調整する。 従来のTurbo Boost 2.0よりも高性能。
ですが10850Kについてはこの機能が無効化されており、最大動作周波数が100MHz下がって5.2GHzになると言われています。この値はCore i9-10900や10900Fと同じとなっていますが、10850Kについては基本動作クロックが3.6GHzになるとのことで高めに設定されています。 つまりベースクロックもターボクロックも10900Kより100MHzだけ低いということですね。 精密に測定すれば100MHzでもそこそこの性能差はつくと思いますが、多くの場合体感でその差を感じることは難しいでしょう。コア数も同じことを考えると、使っている分には10900Kとあまり変わらない気がします。
3.安価
この仕様で10900Kの方が安価でした、なわけがありませんよね。高クロックにするためのテクノロジーが切られていることもあって、10850Kの予想価格は10900Kよりもだいたい1万円程度安くなると言われています。10900Kはもともと上位モデルということでそこそこ高価で販売されていますが、それでも1万円の差は割と大きいですね。 もしかすると新しいThermal Velocity Boostテクノロジーの実装に高いコストがかかってしまい、その分非効率的なまでに価格が上昇してしまったため、テクノロジーを採用しない代わりに安価で提供することができるものも用意するのかもしれません。
買いなのか?
ちなみにこの噂はアメリカのPCメーカー「Digital Storm」がホームページにそのCPUを掲載したことから始まっています。そのため、そこそこ信ぴょう性の高い噂となっています。 しかし実際に登場したとしたらお買い得なCPUなのでしょうか?
10850Kということで「K」付きですので一応倍率ロックフリーの上位モデルとなっています。しかし10900Kの一歩手前くらいの位置づけということになります。 そうなった場合、既存のCore i9-10900などと比べた時に微妙な立ち位置になってしまう気がします。オーバークロックを楽しみたい人なら10850Kの方が良いのかもしれませんが、普通に使っている分には動作周波数も大して変わりませんし、コア数も変わりません。そして価格も似たようなものになると予想されています。
買いじゃないというわけではないですが、今更登場したところであまり意味はないかなと思います。少しケチって10900Kではなく10850Kにするくらいなら、Core i7の上位モデルを購入する方が効率が良い気もしますね。