これは9月の話になりますが、ついにAndroid 10 OSが配信されました。
当初は対応機種も少なかったわけですが、そろそろ普及してきたということで、いまいちど「Android 10」でできるようになったこと、あるいは前世代と比べた時の変更点などをわかりやすく解説していきます。
なお、使用上わかりにくいものは省いています。
Android10が配信されるまで…
2017年の8月22日にAndroid 8が配信され、2018年8月6日にAndroid 9が配信されました。
そして今年、2019年に新バージョン「Android 10」がついに配信されました。この正式版の配信にあたっていくつかのベータバージョンを配信してきました。
一番最初のベータバージョンの配信は今年の3月のこと。そこからほぼ毎月ベータバージョンが更新され、合計ベータバージョン6まで配信されました。
一番最初のベータ版の時は不具合がたくさんあったみたいですが、最後のベータ版ではほとんど改善され、正式に配信された時にはほぼ完全な状態となっていました。
このようにAndroid OSの開発では新しいバージョンのベータ版をそこそこ早い段階から開発するため、絶え間なく開発が行われています。
もちろん今では次のバージョンのAndroid OSが開発されているでしょう。
Android 10でできるようになったこと&変更点
それではAndroid 10でできるようになったこと&前世代からの変更点を簡単に説明していきます。
1、ファミリーリンクを標準搭載

これまではアプリという形で提供されていたサービスになりますが、Android 10からは標準搭載となりました。
スマートフォンを触れる小さい子が増えている上に、今の時代だからこそインターネットリテラシー等が必要とされてきているので、このようなサービスが簡単に利用できるようになりました。
このサービスを使えば子供達がスマートフォンを使う時により簡単に操作できるようにガイドを作ることができたり、アプリの制限時間を設けることができたりします。
また、管理者は、子供達がスマートフォンを使ってどんなことをしているのかを確認することができるので安心です。
これで子供達にスマートフォンを持たせても安心できる時代へと一歩近づきました。
2、5G対応

Android 10では最近話題の5G通信に対応しました。
そもそも5G対応スマートフォンが生産されるようになったのは最近のことですので、必然的にAndroid 10は5Gに対応する必要があり、逆に5Gをハードウェア単位でサポートしていないAndroid 9搭載のスマートフォン等では5Gに対応する必要がありません。
そして、今のところApple社のスマートデバイスはいずれも5G通信に対応していないので、Android 10 OSでのみ5G通信ができるということになります。
ちなみに日本でも5Gサービスが始まろうとしていますが、普及するのは数年後になりそうです。
5Gについてはこちらの記事をご覧ください。
3、ダークテーマ対応

Android 10では最近話題の「ダークテーマ」をサポートしました。
有機ELディスプレイが普及してきたり、様々なシチュエーションでスマートフォンが使われるようになった今、ダークテーマへの対応はアツいです。
Apple社のiOSがダークモードサポートしたのはここ最近のことではありませんが、その時もそこそこ評判がよかったと思います。
そういうわけで、自然な流れとしてAndroidでもサポートしたわけですね。
よく言われているのが、ダークモードだと写真の表示が綺麗になるということです。背景が暗いということで、写真がくっきりと見えるわけで、色合いも綺麗になるそうです。有機ELディスプレイでなくてもダークモードを使うことはできますが、バッテリーの節約には全く繋がらないという点には注意すべきです。
4、ジェスチャーナビゲーション

続いては「ジェスチャーナビゲーション」の導入です。
そもそもAndroidスマートフォンには、iPhoneにはない「戻る・ホーム・アプリ一覧」のボタンがあります。(下図参照)

ですが最近のAndroidスマートフォンはこれら三つのボタンを廃止し、ディスプレイが広くなっているものが多く見受けられます。
例えば以下のスマートフォンです。

主にこのようなスマートフォン向けですが、画面内のジェスチャーによってこれら3つのナビゲーションボタンを押した時と同じ動作をさせることができます。
- ホームボタン替わり⇨画面下から上にスワイプ
- アプリ一覧⇨画面下から上にスワイプして止める
- 前に戻る⇨端から中央にスワイプ
Appleの製品を使っている人ならわかるかもしれませんが、これらのジェスチャーってiPhoneやiPadに非常によく似ているんですよね。というかほぼ同じです。
そもそもスマートフォンのデザイン自体がiPhoneよりになってきているのも否めないので、必然的に同じようなジェスチャーになってしまうのかもしれません。
5、サウンドアンプ

Android 10では周囲の音をよりクリアに聞けるようにするための「サウンドアンプ」機能が追加されました。
単に音を増幅するだけでなく、雑音の除去をすることができたり、音質を改善させることができたりします。そのため、大事な講義をクリアに聞きたい時、友達の話を聞きたい時等に役に立つそうです。
このような機能は「AI」の技術が発展したために実現できるものであって、その背景にはスマートフォンの処理プロセッサ(CPU)の進化も関わってきます。
6、ライブキャプション

これはGoogleのPixel 4の発表会の時にも強調されていた機能になります。
ライブキャプションでは、スマートフォン上で再生されている音声を自動で文字起こしし、文字データにすることができたりします。
ほぼリアルタイムで字幕のように表示させることも可能みたいです。
また、そのまま文字データとして保存することができるので、会議の文字起こしとして使うこともできるでしょう。
それに、文字起こしプログラム自体はスマートフォンのローカルストレージにインストールされているので、オフラインでもその機能を使うことができ、非常に便利です。
この機能についてもAIの進化による恩恵を受けています。
こうやってAIを有効活用してきているあたりが、本当にスマートフォンが便利になってきていることを実感できる鍵となっていますね。
Android 10対応機種は?
これから発売されていくスマートフォンについては、そのほとんどがAndroid 10を搭載することになっていきますが、今のところ正式にサポートしている一番のスマートフォンはやはりGoogle社製の「Pixel」シリーズです。
最近発表された「Pixel 4」については以下の記事をご覧ください。
Pixel4の仕様をPixel3,iPhone11と比較してみる