最近のスマートフォンの話題となると、「5G」対応とかそういう話になることが多いと思います。完全に庶民には関係ないだろうと思われてきたこの5G技術ですが、ついに世の中に広まろうとしている現状です。 ですが5Gスマートフォンはまだ買うべきではないです。この記事ではその理由を6つ紹介していきたいと思います。
この記事を1文で要約すると
- 5Gは技術的に優秀だが、まだ未熟でここ数年は利用者もあまり増えない、故にここ数年で5Gが必須ということにはならず、その上環境構築に多大の金額が必要になってくるためまだ利用するべきではないサービスである。
目次
5Gの特徴をおさらいする
まずは5G技術の特徴についておさらいしていきます。
以上の記事をご覧ください。そしたら5Gとはなんなのか? どんなことができるようになるのかがだいたい理解できると思います。
そして、そのメリットは大きく分けて二つあります。
1、高速通信
5Gの一番の特徴はやはり「データ通信速度」です。
5Gでは4Gに比べておよそ5倍程度データの通信速度が速くなっています。なので、かなり容量の大きいアプリを外でダウンロードしたい時は相当高速でできるようになるでしょう。
動画の再生で止まることは無くなりますし、なんなら外で4K動画でもサクサク再生することができると思います。
最近流行りのクラウド型サービスは、この高速通信によって支えられている一面もあります。
2、同時接続台数の増加
これも結構嬉しいポイントだと思います。
人混みの中インターネットを使おうとすると、多少速度が遅くなったりすることがありますよね。 あれは、同時に同じ基地局に多くのスマートフォンが接続されているため情報の渋滞が起きているのです。
5Gでは4Gに比べると10倍程度、同時接続台数が増えているため、もう人混みの中でネットが遅くなるなんて気分味わわなくても大丈夫なのです。
まだ5Gのスマートフォンを買うべきではない理由
ここまで5G技術の二大特徴について紹介しました。この二つを聞いていると5Gに乗り換えるに越したことはないと感じる方も多いと思います。それもそのはずです。メリットだけ聞けば誰もが5Gを使いたくなるでしょう。
ですがその一方で、5Gスマートフォンを今手に入れても仕方がないみたいな一面もあります。以下に、その理由を6つ説明します。
1、未熟過ぎる
5Gの研究は2010年代前半から行われていましたが、対応デバイスなどが開発されていったのは去年くらいの話になります。
そして今では何十種類かの5Gデバイスが存在しています。
でも、まだ未熟過ぎるのです。Appleは未熟な技術を取り入れない傾向にあり、例えば新しいiPhone 11には5Gモジュールが搭載されていません。
これについて、「iPhoneなのに技術取り入れるのが遅いよー」と感じる人もいるかもしれませんが、別にAppleの技術が追いついていないわけではありません。
Appleだってやろうと思えばiPhone 11を5G対応にさせることができたでしょう。でも対応していないということは、まだ未熟過ぎる技術をだと認識しているのでしょう。
では未熟過ぎると何が困るのでしょうか。あるいは、なぜ5Gを使わなくても良いとなるのでしょうか。
2、トラブルシューティングができない
そもそも世の中に5G技術が浸透していないと、5G関係で困った時に調べることができないという可能性も出てきます。
以下の、総務省が公開したグラフをご覧ください。

このグラフは2G,3G,LTE(4G)の普及率を表したもので、LTEのサービスが開始されたのが2010年の事だったのに対して普及率が50%を上回ったのはその4年後になっています。
3G➡︎LTEの移行について、そのまま4G➡︎5Gでも同じことが言えるとは限りませんが、少なくとも1年や2年では世の中に普及しないというのは想像できると思います。
こうなると、トラブルシューティングが難しいという問題が発生してくるでしょう。ですが、もちろんそのデバイスの製造会社に問い合わせを行えば5Gであろうと、トラブルシューティングはできるはずです(手間がかかりますが)
でも以下のことも言えます。
3、5Gがいらない世の中が数年続く
5Gが登場したら、5Gの技術をフル活用して、多大なデータを通信して効率的にサービスを利用できるようにしたいところですが、来年から急に5Gに合わせてインターネット全体の通信量が増加したらどうでしょうか。
5Gの技術をフル活用しようとしたら必然とデータ通信量が増えると思いますが、どう考えても来年の時点では4Gを使っている人の方が多いです。(先ほどのグラフからも想像できます)
そんな中で5G技術をふんだんに取り入れる世の中になったら4Gユーザーにとって住みにくくなってしまいます。
サービスというのは、最新技術を取り入れるのも重要となってくるのですが、当たり前の話、サービスを最終的に受ける「ユーザー」にとって快適なものを提供するべきです。
先ほどのグラフも合わせて見た時に、ここ数年で5Gのサービスが急増するということはまずないと想像できるでしょう。そうなると、もはや5Gに乗り換えるだけ無駄だということがわかります。
皮肉なことに、「5G通信じゃなくても4Gでもサクサク動く!」みたいな宣伝文句のサービスすら出てくるのではないでしょうか。
でも仮に5Gに乗り換えたとして今意味をなさなくても、数年後には世の中に普及するんだから今乗り換えればいいんじゃないかと思うかもしれません。
ですが、その場合以下の二つの課題も発生していきます。
4、デバイスが高価
9月20日に発売されたAppleのiPhone 11。もしも5Gに対応していたとしたら標準モデルでも10万円を上回っていたのではないでしょうか。
最新技術に多少の憧れはありますが、これまでの理由から「5Gを使っても意味がない」と理解した上で数万円無駄に高いスマートデバイスを購入するのは流石に気が引けます。
というのはiPhoneの架空上の話になりますが、実際に5Gデバイスが高価という一例があります。
Sumsung Galaxy Note 10シリーズ


日本では発売されていないのでわかりにくいのですが、同じキャリア会社で選んでも200ドルの差があることがわかります。
モデル | ドル | 日本円(2019/09/22) |
---|---|---|
Galaxy Note10+ | $1099.99 | 118,310.52円 |
Galaxy Note10+ 5G | $1299.99 | 139,821.72円 |
2万円の差は流石に大きいですよね。最新のiPod touch 7世代を買うことができてしまいます。
これはあくまでSumsungの例ですが、半導体界でもトップレベルの技術を保有しているSumsungでもこの価格差なのですから他のスマートフォンだともっと差がつくかもしれません。
5、通信量が多いのに通信料が高い
今、日本のキャリア会社も全国各地に5Gのための基地局を設置しようと工事に取り組んでいます。 そういうわけで、もちろん初期の5Gの料金体制としては4Gよりも高価になると思われます。
先ほど紹介したSumsung Galaxy 10+ 5Gで対応している「verizon」という通信会社ではおよそ$10料金を多く払えば5G通信を行うことができます。
つまりはおよそ1000円多く払えば最新の通信技術を使うことができるということです。この時点で明らかに高くなっているのがわかりますが、その上で5Gをフル活用するとして全体的なデータ通信量が増えたらどうなるでしょうか。
通信料が高いのに通信量が多いという最悪な状況になります。その上で、5Gを使っても意味のない世の中が数年続くわけですから、なにやってんのかわかりません。
6、そもそも全国各地で使えるようになるには時間がかかる
ここまで耐えてきたみなさん、悲報です。
あまり必要ない通信を高価で行っても良いと考える人もいるとは思いますが、そもそも5G初期の頃は都市部でしか5G通信が行えません。
せっかく5G契約しているのに都市部でしか使えないんじゃ、もったいないですよね。有名なキャリア会社「Softbank」が5G用の基地局整備計画を2022年まで前倒しするという発表をしました。

ソフトバンクはKDDIと協力して5G環境を構築し始めているようですが、それでも2年前倒しして2022年という話なのですから、この環境を構築するのは相当大変なのでしょう。
アンテナの問題ですから、物理的に工事しなければなりません。そこにかかる労力、いろんなことを考えれば5Gの料金プランがかなり高価なものになってくるのではないかと想像がつきます。
以上、6つになります。これは街を歩いている人たちが5Gを利用するときの話で、この通信技術を企業が業務的に駆使したら相当素晴らしいものになるといわれています。
もちろん数年後には日本でも一般的な通信方法になると思われるのですが、やはりまだ必要はないです。
それでもあなたは5G通信対応スマートフォンを選びますか?