Apple社の有名なパソコン「iMac」は一応「一体型デスクトップパソコン(オールインワンパソコン)」に分類されます。WindowsOSを搭載した一体型デスクトップパソコンも多く販売されていますが、iMacと普通のWindows 一体型パソコンを比べた時、どのような点が明らかに違うのでしょうか。この記事ではその違いについて主なものを6つ紹介していきます。

この記事を2行で説明すると
- Apple製のパソコン「iMac」も一体型パソコンである
- iMacは普通の一体型パソコンに比べて高価な分性能の水準が高く、細部までこだわられて設計されているように感じる
そもそも一体型パソコンとは?
まずは、一体型パソコンと言われてもしっくりこない人もいるかもしれないのでその定義について説明していきます。
一言でいえば、マウスとキーボード以外が一体化しているパソコンということです。
こちらは私が前購入した一体型デスクトップパソコンになります。

画面になっている本体にマウスとキーボードしか接続されていないと思います。本体にたくさんの基盤があり、ディスプレイとスピーカー(小さいですが)がセットになっているためです。
一方箱型のデスクトップパソコンはこういうものになります

こちらは前私が購入した中古のワークステーションになります。箱型となっていて、The パソコンといった感じです。こちらは本体にスピーカー、モニターは内蔵していなくて、外付けしています。
そして、iMacはマウスとキーボードさえ用意すればあとは本体に内蔵されているため一体型パソコンということになります。私が購入したDellのオールインワンパソコンとiMacは形だけでいえばそこそこ似てる感じがしますよね。
iMacと普通の一体型パソコンを比べた時の明らかな違い6選
それでは私がiMacと普通のWindows一体型パソコンを使ってみてどう違うと感じたのかを紹介します。なお、Windows一体型パソコンの性能はピンからキリまであるのでなんともいえないところもあります。
1、映像へのこだわりが違う
通常の一体型パソコンは21.5インチ程度だったらフルHD(1920 x 1080)くらいの画素数が採用されることが多いのですが、iMacについては2015年モデルくらいから21.5インチモデルでも4K(4096 x 2304)のディスプレイが採用されています。つまり単純計算でフルHDの4倍くらいドット数が多いのです。
その分細部まではっきりと見ることができ、動画編集をするにしても何か動画を見るにしてもより綺麗に見えます。
もちろんWindows搭載の一体型パソコンでも4K解像度のものも稀にみますが、最初から4Kを想定して設計されているiMacは、かなり4K解像度を生かせているような気がします。
このように、単位面積あたりの画素数が多いAppleのディスプレイは「Retinaディスプレイ」と呼ばれます。なお、Retinaディスプレイには画素数以外にも特徴があるようです。
Retinaディスプレイは鮮やかに・はっきりと・見やすく設計されているのが特徴で、この技術はAppleのみが保有しています。
2、性能が全体的に高い
パソコンには、「CPU」という、頭脳的なパーツがついています。そのパーツによってパソコン全体の性能が左右されていくわけですが、iMacでは比較的CPUの性能が普通の一体型パソコンよりも高くなっています。
もちろん製品にもよりますが、通常一体型パソコンにはモバイル向け、つまりはノートパソコン向けのCPUが使われます。ノートパソコンはデスクトップパソコンよりも薄く、消費する電力も圧倒的に少ないのでより省電力で発熱の少ないCPUが使われます。
なので、デスクトップパソコン向けCPUよりもモバイル向けCPUの方が性能が低い傾向にあります。
しかしiMacでは基本的にデスクトップ向けCPUを採用しています。
一体型パソコンは通常のデスクトップパソコンに比べると圧倒的にスペースが少なく、また、iMacの場合は特に本体が薄く設計されているので熱問題が発生しがちです。そんな中でより発熱量の多いデスクトップ向けCPUを駆使することのできるAppleの技術さすがですよね。
例えば同じ時期のCPUでもデスクトップ向けとモバイル向けではこのような性能差がつきます。ちなみにCorei7-8700というのがデスクトップ向けで、iMac Early 2019モデルで採用されました。
ほぼ二倍近い差があるということになります。
また、iMacはディスプレイにこだわっている分「グラフィックボード」にもこだわっています。
グラフィックボードというのは、映像を出力する装置でこのパーツの性能でゲーム性能などが決まってきます。また、動画のエンコード速度にも関係してきたりします。
通常の一体型パソコンにはグラフィックボードが搭載されず、CPUに内蔵しているグラフィックスを用いがちですが、最新のiMacではかなり性能の良いグラフィックボードが搭載されているものもあります。
グラフィックボードについても、一体型パソコンに搭載してしまうと熱問題が発生してしまいがちです。でもAppleの技術なら大丈夫みたいです。
以下のグラフの、右側が最新のiMacのグラフィック性能で、左がグラフィックボードを搭載せずに、CPU内臓グラフィックスを使った時の性能になります。
これくらいの差がつくので、ゲーム性能にもかなりの差が生まれます。
このように、iMacは全体的に性能が高くなっているのです。その分値段も高いってのもありますが。
3、音にこだわっている
通常のWindows一体型パソコンでもサウンドにこだわっているものはありますが、だいたいは貧弱なスピーカーしかついていません。
スピーカーを外付けすることを想定しているかのような貧弱なスピーカーが多く、とても動画鑑賞は快適にできそうにありません。
しかしiMacに搭載されるスピーカーは出力が非常に高く、迫力があります。
私が最初にiMacを購入した時は、一体型パソコンということで内臓スピーカーにはあまり期待してなかったのですが、音楽を再生して驚きました。
低音もしっかり響き、迫力もかなりあるのです。最初は外付けスピーカーを使う予定でしたが、その必要は全くなさそうです。
このように、iMacではサウンドも結構こだわっているのです。
4、端子の違い
iMacについている入出力端子は通常の一体型パソコンに比べると少々違います。
USBなどは同じものがついていますが、映像出力ポートとしてごく一般的な「HDMI , VGA , DVI」ポートなどがついていません。
その代わりに、Thunderboltという端子がついていて、そこから専用のケーブルを使えば外部モニターに出力することができます。
専用の変換アダプターを使わないと自分の持っているモニターに映像を出力できない場合があるという点は少し不便かもしれません。
5、OSの違い
当たり前なのですが、iMacにはMac専用の「Mac OS」というOSが入っています。特殊なツールを使うと中にWindowsを入れることもできるみたいですが、基本はMacです。
MacとWindowsは全く似ていないので完全に好みは分かれると思いますが、Mac OSの方が初心者にはわかりやすいんじゃないかと思っています。
ただしシェア率としては圧倒的にWindows OSの方が高いので、Mac OSに慣れておくと悲惨な目にあいそうです。
6、デザインの違い
通常の一体型パソコンはいろんな会社が作っていていろんなデザインがありますが、iMacは一様のデザインです。

ディスプレイの下は銀色になっていて(iMac Proなどは違う)そこにリンゴマーク。そして裏はかなり薄くデザインされていて、リンゴマークがあります。
デザインが非常にシンプルでどこか清潔感を感じます。そしてとても薄いデザインになっていて置き場所にも困りません。
あともう一つ感じたのは、画面の角度調整がしやすいことです。
通常の一体型パソコンって角度調整が重いことが多いのですが、iMacは特殊な設計がされているので軽い力で角度調整ができます。
総合して
総合して感じるのはiMacは全体的にバランスの良いスペックになっているということです。
Windowsの一体型パソコンといったらいろんな種類がありすぎてどれを選べばいいのか難しいのですが、iMacはある程度ベースのスペックが決まっているので、初心者でもバランスの良い仕様に仕上げることができます。
そしてiMacは比較的高価な分水準が高いので、買った後に性能不足感を感じることはほとんどないでしょう。
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